ある用で遠地へ出掛けるため、地元駅へ。
連絡通路を渡り目的のホームへ向かう途中、隅に備えられた

ベンチにあの豊川悦司(以下、豊川)と田中麗奈(以下、田中)が
並んで座っているのを発見。二人は非常に親密な様子で、
周囲の目を気にすることもなく昼間からベタベタしていた。


何を思ったか俺はそのベンチに二人分ほど距離をとって座る。
田中はプライベートではタバコを吸うらしい。軽いショックだ。
ネットの接続がうまくいかないとかで、今から飛行機に乗って
家に来いなどと豊川に無茶を言っている。遠恋か?
田中の猛攻を豊川はのらりくらりと受け流すのみ。


そうこうしている内に電車が到着、二人ともども乗車する。
幸いにして二人との位置関係は先ほどとほぼ変わらず。
ほどなく豊川は席を立ち、車両内をふらふらしはじめた。
俺はPSPを取り出し、二人に気付かれぬよう
今起こっているスクープを大雑把に書き留めていく。


するとその視界を遮るような形で田中の手が目の前に伸びてきた。
田中を見ると、手だけこちらに向けたまま車掌と何か話をしている。
差し出した手には口の開いたフリスクの箱が握られていた。
お隣さんにおすそ分けということらしい。遠慮なくいただいた。


フリスクが効いたのか、ここで目が覚めた。


そうだよ。PSPにメモ機能なんてないんだよ。