いまでこそ、木製カラフル碁石と称しているごもっくん。ですが、
当初の目的は軽い碁石を手に入れることでした。ろっかく。は、囲碁大会の企画運営もしていたので、高齢の運営スタッフに優しい、軽い碁石を望んでいました。気軽に持ち歩けるなら巷でも喜ばれるかな、と。そこで、碁石の大きさに近い円盤型の木の素材を求めて、密林をさまよったわけです。ちょうどよく直径20mmの木の円盤が落ちていました。
持ち帰って木の円盤を眺めたのですが、碁を打つには白と黒が見分けられるようにしないとね、ってことで、どうしようかと‥白い木と黒い木の円盤が都合よく転がっているわけもないので、マジックで塗るのはダサいし、墨汁に浸けるのは手が黒くなりそう、黒くて丸いシールを貼るのは安易だし、木を冒涜してるよね‥って思うわけで。塗るか、染めるか、焦がすか‥
そこは消去法で。
もし家を焦がしたら‥(でがわてつろう「リアルにヤバいよ~」)
塗るのは手間がかかります。塗ってから円盤をくり抜く手順が効率的ですが、ろっかく。家には、くり抜く道具がないので、くり抜かれたものを手に入れ、一枚一枚塗ることになるなぁ‥と。それ均一に塗れるのか?ホコリを付けずにうまく乾かせるか?そういう環境ではなかったです。でも、染めるなら一気に100枚、1000枚できるんじゃね?と巡らして、染めよう、と思いました。
こうなると、ろっかく。の世界です。紅茶染めを知っていたので、飲み物で試みました。
紅茶(アールグレイ)、コーヒー(加藤珈琲店の深煎りインドネシア・マンデリンゴールド)、ワイン(当時、カルディでよく買っていたスペインのモナストレル種、フィンカ・ローザル)‥
このとき、黒じゃなくてもよくね? と確信しました。
木の感じを活かした茶系がおしゃれだなあ、と。
囲碁大会や囲碁合宿で使う棋具の話になり、
「碁石は重いの仕方ないですよね」
と仰るものですから、
「あ~、こんなのできましたけどね‥」
と、この飲み物染めをお見せしたわけですが、
「ワインで染めると高くなりますよね?」って忠告されまして、
そこは素直に手芸用染料に向かうことになったわけです。
この棋士の方って、本質を衝く言葉の純度が高いのです。
今思えば、この言葉が契機となって、
こうなって、
そんでもって、
こうなったわけです‥ ろっかく。でした。