※※ この本を読んで一言 ※※

さすがの歌野さん☆

毎回面白く読ませていただいております♪

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歌野晶午さんの作品を読むのはずいぶん久しぶりな気がします。

調べたら「密室殺人ゲーム・マニアックス」以来約一年ぶりになります。

 

テレビ局員の傲慢さと若者の自己中心的さを中心に描くと共に、テレビとインターネットの問題もリアルに描かれていると思います。

 

最初は若者の動画配信による暴走の物語と思いきや、それはテレビ局のヤラセで、川島の連続殺人を追っていると思ったらそれは川島も含め、虎太郎が殺していた・・と歌野さんらしい二転三転するあっと驚く展開も用意されています。

 

密室殺人ゲームの感想でも書きましたが、歌野さんはインターネットの情報をよく知っていて、それをミステリ小説にうまく落としているのはスゴいです。

 

ただ今までの歌野さんの作品に存在していた「愛知県要素」がなくなったのは残念です。

まあ舞台が東京と神奈川でしたから、今回愛知が出る幕はなかったようです(汗)。

 

さてこの作品において歌野さんがこの作品で最も言いたかったことは、テレビ業界の体質の問題なのでしょう。

なのでここからは私の思うテレビ局について思うことを書いていきます(笑)。

 

この作品を読んでも、若者の全てが虎太郎やニーナみたいではないのは分かります。

今でもネットでおかしな投稿をするのは一部の若者です。

若者だけでなく老若男女問わずおかしな人がいますが、それは全体の一部です。

 

しかしテレビ局員はみんな長谷見のような人たちではない・・と思いたいですが、テレビ局の体質にいい印象がないので、テレビ局員はみんなあんなふうかと疑わざるを得ません。

 

それは最後まで長谷見は「テレビマン」として反省してないことからも感じ取れます。

 

またチーフプロデューサーの桑島の指示による虎太郎の告白の映像を、テレビに都合のいいように切り貼りして編集して放送する悪質さも見ていて腹が立ちます。

 

歌野さんの作品はドラマ化やアニメ化しにくいとは言え(笑)、いくつかは映画化や漫画化されているようなので、もしかしたらテレビ局に嫌な思い出があるのかも知れませんね。

 

そしてタイムリーな話題として、最近では「セクシー田中さん」問題で出版社とテレビ局のあり方が大きな問題となっていますが、この問題に対してのテレビ局の対応は、まさにこの作品のラストに書かれていた責任逃れの体質そのままです。

 

テレビ業界の中にいるテレビ局員からしてみれば、話題になり視聴率さえ稼げれば、批判があってもお決まりのコメントを出して、別の大きな話題が来るまで無視して終わらせる気満々なんでしょうね。

 

最近は視聴者がテレビ局のそんな姿勢を感じ取って、それがネットの発達により拡散され世間に広がっていくので、昔より格段にテレビ局の悪い部分が目につき、「マスゴミ」と言われてしまうのでしょう。

 

私が思うに「テレビはオワコン」と言われながらもまだこの先50年はテレビは影響力を保持し続けると思います。

なのでこれから、より視聴者の立場に立った公正中立な放送をしてほしいものです。

 

どうでもいい感想を長々と書きましたが、歌野さんの作品の面白さを再確認しました。

まだまだ歌野さんの未読の作品はあるのでこれからも読んでいきたいです。

 

(個人的評価)

面白さ   ☆☆☆

登場人物  ☆☆☆

展開    ☆☆☆☆

テレビ局員 XXXXX