※※ この本を読んで一言 ※※ 

読む前はタイトルからB級ライトノベルと思っていました。

ごめんなさいm(_ _)m

B級極上エンターテイメント小説+面白いミステリー小説でした。

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この作品は完全にタイトル買いです。

本の購入サイトで検索中に表示されたので買ってしまいました。

 

タイトルからして、映画のファイナル・デスティネーションやデッドコースター的なものかと思ったら、序盤に本宮にも指摘されてましたので、やっぱりそうなのかと思いました。

そう思うとB級感満載な感じがしてワクワクしました。

 

読み終わって人の死の原因が運命や超常的な存在によるものではなく、人間(田中)の仕掛けた罠が連鎖的に発動して事故死のように死んでいく事がこの作品の肝であると思います。

 

そして普通のミステリー小説なら死因や被害者が死ぬ間際の行動が「ご都合」や「こじつけ」と言われてもおかしくないものが散見されます。

しかしこの題材ならどんなにご都合やこじつけでも「死神の仕組んだ罠」と言うことができます。作者の七尾与史さんはなんてうまい言い訳を見つけたんだろうか!と思います。

 

もっとも死神(田中)が仕組んだ罠がこんなにうまく連鎖的に発動して人が死ぬ事自体がご都合なんですけどね(笑)。

まあこの手のものはご都合を楽しむ、言い換えれば次にどんな奇想天外な仕掛けが発動するのかを楽しむものだと思うので、ご都合はそんなに気はなりません。

 

ラストではどうやって仕掛けたかわからないようなご都合もこじつけも全て吹き飛ばすようなドタバタのまま終わってしまいましたが、これがエンターテインメント小説の真骨頂でしょう。

 

さて次からは読んでいて思ったどうでもいいことを書いていきます。

 

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田中鳥栖夫の名前が初めて出た時、明らかに名前が不自然で何かあるなと思っていました。

そして死神にコンタクトを取る合言葉が「タナトス」という言葉だったので、「もしかして死神が田中か?それにしては分かりやすぎて引っかけか??」と思ったくらいです。

 

序盤の渥美真由の話でピーナッツバターが出たときは、後でこれが必ずアレルギー反応のきっかけに使われると思ってましたが、終盤に松重に使われるとは驚きです。

 

人間的に印象の薄い殺人鬼という設定は、ジョジョの奇妙な冒険の第4部に登場する吉良吉影を思い出します。

そして写真に写らない、または写真を残さないのはデスノートのLを思い出します。

登場は吉良やLの方が早いでしょうから、七尾さんは少しは意識したのかもしれませんね。

 

本宮のような後輩思いの天才先輩キャラの頼もしさは異常ですね。

本宮の活躍は安心して見ていられます。

このまま次回作では田中と黒谷を追い詰めて欲しいものです。


ちなみに本宮を見ていると、以前読んだ西澤保彦さんの「彼女が死んだ夜に出てくるボアン先輩を思い出します。

 

これを読んでいるとうなぎが食べたくなります。

そして作中の松重がうなぎ愛に溢れているのは七尾さんが静岡県浜松市出身で、松重のように地元浜松のうなぎの美味しさを知っているからでしょう。

 

陣内や他のみんなも「特上うなぎ」が食べたいがために、死ぬかもしれない松重のリスクに目をつぶる様は面白すぎます。

やはり人の命よりもおいしいうなぎです(笑)。

 

読んでいる最中は、この物語は実写化しやすそうだな~と思っていて、読み終わってから調べたらやはりドラマ化もされていました。

 

登場人物はみんな分かりやすいくらいキャラが立ってますからね。

しかも展開もドタバタなのでドラマ化しやすかったでしょう。

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今まで私がこのブログの締めで「○○さんの別の作品を読んでみたいです」とよく書いていますが、実際に買うかどうかも決めていませんし、実際に読むのはかなり後になってからです。

 

しかしこの作品を読み終わって、次回作「死亡フラグが立ちました!カレーde人類滅亡!?殺人事件」と「死亡フラグが立つ前に」をすぐに注文しました。

 

それくらい続きが気になるは、倉知淳さんの「猫丸先輩」シリーズと柳広司さんの「ジョーカー・ゲーム」シリーズ以来です。

とりあえず買っておけばいつでも読めるので、続きを楽しみに読みたいと思います。

 

(個人的評価)

面白さ   ☆☆☆☆☆

ミステリー ☆☆☆☆

登場人物  ☆☆☆☆

B級感   ☆☆☆☆☆