年末のショット。

今や3児の父親になったサコッペ。


奴が昔好きだった女の子の家に
無理やり連れて行き、強引に撮ってやった。


中学生ならカワイイもんだが
20歳過ぎてこれをやるとストーカーと言われる。






最近、ふとバービーボーイズ の曲を聴いていたことを思い出した。


浜田省吾、BOφWY、長渕剛、・・・
狂ったように音楽を聴いていたな・・・としみじみ。

しかしそれが今や約20年前の話になることに愕然とした。



あの頃、すっげぇ格好良く見えていた
ボーカルのKONTA(コンタ)は
1960年生まれ(ネットで調べた)らしいから
今年46歳!!!!!

マジか!?


46歳って・・・。


おっさんじゃん・・・


ショック・・・。




写真はチマチマが持ってきた弁当だ。




「おっ!?今日も愛妻弁当か~~~? いいね~~。」


いえ・・


「なんで?どう見ても手作りじゃん。」


僕が作りました。


「へっ?何で?」


嫁と喧嘩してまして・・・


「はぁ?なんでよ?」


「アンタ何でそんなに仕事ができんのよ?」ってキレられまして・・・



・・・チマチマが仕事できないって言うのは事実としても、
何で家庭でそんな話になるのか、さっぱり分からない。

この前も一日中、暗いので
「どうした?」って聞いたら

嫁と喧嘩をしました。

「理由は?」って聞いたら

「何でアンタの会社、そんなに休みがないねん?」ってキレられて・・・






一日おきに喧嘩と仲直りを繰り返す新婚さん。


そして喧嘩するたびに
その日は全く仕事にならないチマチマさん。


そんな部下をなだめ、すかし
一生懸命頑張る毎日・・・。



バービーボーイズを聴いていた中高生のあの頃
こんな未来が待っているなんて思ってもみなかったなぁ・・・・。



人生最高のテキトークをかまし、嫁をゲットしたチマチマさん
3時間半の長い披露宴だった。
最後、スタッフロールみたいに出席者の写真が映像で流れたが
実にイケてなかったのは忘れない。


本日も愛妻弁当をボソボソ食べていた。


一番最初に食べ始めたはずなのに
お宮とかアルバイトの主婦が食べ終わって一息ついてもなお
一点を見据えてモゴモゴ喰っていた。


時々、昆虫に見える時がある。
何を考えてんだろ?


基本的に喜怒哀楽を見せないチマチマ。



「中○くん、学生時代 
給食、食べるの遅かっただろ?」




はい。遅かったんですよ。


相変わらず蚊の泣くような声の大きさだ。



表立って自己主張するタイプではなく
食べ物にもこだわりもなく
強いものには絶対服従のチマチマさん。

その分、妄想は発達し
頭の中のチマチマワールドでは
俺を筆頭に、タカシやお宮、ハリマネ、カミキドン、天然娘、神戸娘を
ボッコボコに叩きのめしている。


そんな彼を「やさしい人」だと愛しつづける嫁さん
でもそれもあり、だろう。




「・・・ところで、中○さん・・・
夫婦生活ってキチンとやってるんですか?」


休憩室でお宮が聞いてた。



苦笑いをしながら

う~ん。」とつぶやくチマチマ。




「女の人も「Hしたい。」って思うんですかね?」

お宮の質問は続く。
まるで中学生のようだ。



そりゃ・・ねぇ・・・あるんじゃないの?

チマチマもこういうトークは大好きだ。



「でも、僕らが「Hしたい」って思うのと

女の人が「したい」って思うのって同じなんですかね?

行為自体よりも「愛されていることを確認したい。」って感じじゃないですか?」

熱心に語るお宮。


・・・お前、彼女いないだろ?



そうかもね~。

口からタバコの煙を吐きながら答えるチマチマ。

お前は夏前に彼女にフラれそうになって
数日間、飯ものどを通らなかっただろうか!



そんな中坊レベルの会話に
うんうん頷く、したり顔の俺。



知らない人が見たら
仕事の話をしてると思うんだろうな~~~。



でも、男なんてそんなもんだ。









  最近、身内の不幸ラッシュのお宮。厄払いをしようよ。

胃潰瘍を克服しての結婚式。



「中○く~~~~~ん(チマチマ男) 弁当頼むけど、いる?」



僕は嫁が作ってくれた分がありますんでぇ・・・




「エッ?何て???」




弁当を作ってもらってます。




大げさじゃなくチマの声は小さい。


ささやくようにボソボ喋るんで
何言ってるのかさっぱり分からない時がある。



神戸娘なんて

「ぎゃはははは!中○さん

声小さすぎて何、言うてるかわからへんわ~~。

何でそんな小声でしゃべるの?

ねぇ何で?ねぇ、ねぇ」


と、直球勝負で挑む。



プライドだけは人一倍高いチマチマ。

怒りと屈辱の嵐だろう。
しかし力関係においては 神戸娘>チマ なので
むりやり笑顔を作って応えているが
彼の頭の中で神戸娘がどんな制裁を加えられているか
と考えるだけで背筋が寒くなる。


そんなチマの笑顔。




           新妻の手作りお弁当にVサイン






                 2月14日分






                 2月15日分




結構、いい感じのお弁当っすね。
健康管理もバッチリって感じで・・・。






・・・で、独身の俺の弁当は・・・




       まい泉のカツサンド&有名店のカレー



成人病へまっしぐら~~~~~~。

「オーラって日によって色が違うらしいんですよ。
僕も紫だったり、透明だったりするらしいです。」




二人で開拓したオシャレなバーに
神戸娘と足繁く通うお宮。


その店がオープンしてから3週間の間に
6~7回は通っている常連さんだ。



二人とも自分たちのいきつけの店という意識が強く
神戸娘なんて

「もしも、友達とかと行くんであれば
事前に私に言ってよね!」


と公言している程だ。



素材にこだわり抜いた店なので
確かに美味いんだけど
一品一品のボリュームが少なく、且つお値段も結構なもんだ。


「お前ら、よく二人で行くよな~?。カップルって誤解されるで。」
とお宮を茶化すと



「いや~~~、僕も一人で行きたい時もありますし
出来ればそこで可愛い女の子との出会いも
期待してるんですけど・・・。
なぜか、神戸娘さんが
「ワタシも行く~~~」ってついて来ちゃうんです。」


遠い目をして言った。


おいおい・・・神戸娘からは
「私が一人でバーに行こうとしたらね、
お宮「僕も行きます」って言うてついてくるねん。」


って聞いてるぜ。



まっ、俺にとってはどうでもいい事なんだけどさ。




先日、マスターからお宮経由で聞いた
自分の出す赤いオーラとそれに混ざった黒色のオーラの
診断が気になり

「今日も行って来ます。僕らのために特別に
名古屋コーチン で親子丼を作ってくれるらしいので・・・」

というお宮の無邪気な言葉に

「俺も行くわ。」
と強引について行くことにした。



しかし、元々結構な料金を取るその店で
特別に作ってくれる『名古屋コーチン』の親子丼って
いったいどんな味がするんだろ?

値段もバカみたいに高いんだろうな~~~。
まさか2000円??

おいおい親子丼の値段じゃねーよ。それ。




そんな思いを抱えながら
店に入る。
あいにくと込み合っている。

「マスターってお客が多い時って
あまり僕らを相手してくれないんですよ。」
というお宮の言葉が頭をよぎる。


俺は親子丼を食いに来た訳じゃない。

オーラを診てくれぇぇぇぃ!!

と心で叫ぶ。


「いらっしゃい。」


あっ、マスターだ!
胸がキュンとなった。
いつの間にか俺の中では芸能人のような位置付けにいる。
こんな軽さが俺の魅力だ。


しかし立場上、そんな思いはおくびも出さない。
あくまで仏帳面を崩さす会釈するのみ。
「どうも。」



馴染みの神戸娘やお宮は
「今日、何かいい奴、入ってますか?」
「マスターのお奨めは?」
と屈託なく声をかける。


第二の家庭状態の彼らに比べ
俺といえばこの店に来た動機は「オーラを診て欲しいだけ」
そういう後ろめたさと生来の人見知りが入り混じり
俺は一人もじもじしていた。



「今日はマズイかも知れませんね~~。
忙しそうですし・・・オーラ診てもらえますかね・・・」
注文をした後、お宮がこちらに気遣ってくれた。



「お前、バカか?
俺が今日、何しに来たって思うとるんじゃい?
絶対診てもらうわ!」


お宮には強気の俺。
弱い奴にはとことん強いのも、また俺だ。



あれこれ料理が届き
何度となく「オーラ診て・・・」と言おうとするのだが
中々うまくいかない。


やはりダメなのか・・・。
おいおい飯を食うだけならラーメン屋行ってたぞ、俺は。



その時だ・・・
マスターが近くまで来たのをまたしても
神戸娘が見逃さず


「マスター、この人がどうしてもオーラ診て欲しいって!
どうですか?」


ありがとう神戸娘 (T_T)



マスターの俺の右斜め上を凝視して言った。



「・・・今日は・・・黄色・・・ですね

うん、黄色です。」




おぉぉぉぉ!!!!


「黄色ってどんな意味なんですか?」
このチャンスを逃さずまじ!



「黄色って『お金』のこととか『数字』のことを考えている時に
出やすい色なんです。

今、そういうことを考えていらっしゃるんではないですか?」



「お金」?「数字」?



正直、あまりピンと来なかった。


そしてそのまま深く聞くことなく
俺は電車に間に合うよう店を後にした。


その時のお勘定は6,000円だった。


また行くかは自分でも分からない。







俺はメールを送った。
チマチマの結婚式について
あの男からの意見がどうしても欲しかったからだ。


**************************************************************
お疲れ様でございます。
助勤の件ではお世話になりました。

昨年の11月?には入籍を済ませておりますが
今月4日に盛大な挙式を上げております。

あれからもミスやクレームは一向に留まることは
ありませんが、結婚を機に何とか人並みになって欲しいと
心から思います。

ハリMがせっせと撮影してくださいました。
ご査収下さい。





             チマチマと美人の誉れも高い嫁さん。


***************************************************************



携帯に返信があった。



6日にメールを送って10日に返信。
いつのながら自分に興味ないことにはレスが遅い。




タイトルは『そろそろ』だ。



一緒に働いた仲間の結婚である。
そこに続く文章と言えば



そろそろ・・・仲間たちの結婚ラッシュの時期でしょうか?。



あるいは



そろそろ・・・石○マネージャーもどうですか?家庭を持って初めて一人前ですよ。




はたまた



そろそろ・・・私も結婚なんぞを考える時期ですかね?さらば独身貴族。



という文章が続くだろう。
39歳の分別ある大人なんだからさ。





しかし彼が送ってきたのは


【そろそろ・・・】


来期の体制の話し合いしてるかな?
さらば●●。
さらば首都圏。
もう懲りた。
       ※●●には彼の支店が入る。









また、自分の処遇についての話かよッッ!(>o<)






俺が聞きたいのはチマチマの結婚式に対するコメントだぉぉ・・・。
もうッ!
彼の【結婚】とアンタの【転勤】がどうリンクするんだよ?おぅ?




むかついたので

「どうですか?中○くんの嫁さん美人でしょう?」


と逃げ切れないメールを送ってやった。





数秒後に返信があった。



タイトルは「なし」








『なめとる。』




以上で終わりだ。



その後、何でだか分からないけど
パソコンにもメールが来ていた。





日付: Sat, 11 Feb 2006 17:36:40 +0900
差出人: かみきどん <kamiki.com>
件名: Re: 中○社員の件につきまして
宛先: heppoco@megane.com


彼は奥さんを養っていけるのでしょうか???

  アポが切れない!!!  ●●と■■。


            ※●●と■■にはうちの会社の商品がはいる。




やっぱりいつまでもカミキドンはカミキドン・・・。


俺は永遠に彼のファンだ。



33歳にもなると、段々、年齢的なギャップを感じてくる。


昔観ていたTV番組の話題になった時
「あばれはっちゃく」とか「ロボコン」などを挙げても
9歳年下のお宮には

「何ですか?それ?知らないですぅ。」
と言われてしまう。


「じゃぁ、お前にとって『昔の番組』って何だ?」
って聞いてみると


「懐かしい番組ですか?『ギルガメッシュ・ナイト』ですね。」

と、てんで話にならない。



現在は仕事が忙しく
テレビなんて全く観る余裕はないので
どんな番組があるかは知らないが
今やっている「西遊記」ってそんなに面白いの???



堺正章主演の『西遊記』(特に猪八戒が西田敏行の頃)
を知っている世代としては
ゴダイゴのオリエンタルな雰囲気で彩られた、
フィルムの質感も映画っぽいあの傑作とどうしても比較してしまう。
傑作だった。


昔の話を頻繁にするのはおっさん臭いと思うのだが
それにしても昔のテレビは面白かった。と思う。


でもどんな番組があったか?
なんてすっかり忘れ去ってしまっているので
ネットで検索して心当たりのある番組を列記してみる。


よく見ると自分が生まれる前の作品が多数ある。
今とは違って再放送の嵐だったんだね。



★1966年(昭和41年) ジャングル大帝  魔法使いサリー


★1968年(昭和43年) ゲゲゲの鬼太郎  妖怪人間ベム 


★1970年(昭和44年) ハクション大魔王  タイガーマスク  ムーミン


★1971年(昭和46年) 新オバケのQ太郎  天才バカボン  ルパン3世


★1972年(昭和47年) デビルマン   科学忍者隊ガッチャマン  
              ど根性ガエル  マジンガーZ


★1973年(昭和48年) 山ねずみロッキーチャック  ドロロンえん魔くん 
  
              ジャングル黒べえ
 

★1974年(昭和49年) ゲッターロボ  はじめ人間ギャートルズ 
  
              カリメロ  ドンチャック物語




まだまだあるけど、昭和40年代って素晴らしい。
何も疑うことなくTVに夢を見れた俺たちは幸せな世代かも知れないな。



6歳年下のチマチマさんにも聞いてみよう。





「懐かしいTV番組って何?」




「ウチでは親が厳しかったのでTV見始めたの小学生の頃なんですよ。


懐かしい番組って言えば・・・


ダウンタウンの「ごっつええ感じ」ですかね?」





・・・・マジ!?







    「・・・こうやって除霊をですね~」身振り手振りで説明するお宮と天然娘。
    年齢差9歳、少なくとも昔懐かしTVの話題は全く噛み合わない。
    仲はいいけど、別の時代を生きた二人。
「マネージャー、あれからワタシ達
 3時までいちゃったんです。」


「3時って夜中の???」


「あれからオーラの話で盛り上がっちゃって・・・」


オーラを診てもらった次の日のお昼
勢いよく登場した天然娘。



「で?どうだったん?詳しい話が聞けた?」



「それがですねぇ・・・
ワタシ、変なモンくっついていたらしいんですわ。」


「どういうこと?」


「ワタシの左側のオーラが歪んでいたらしく
マスターが「変なモン(霊?)憑いてる。これは取り除いた方がいいですよ。」
って取ってくれたんです。」


「ワタシ、実はずっと身体の左側が痛くて
ご存知の通り、目も霞んでたじゃないですか~~~?
マスターに取ってもらってからは、すごいスッキリしたんです。」



一瞬、『霊感商法』という言葉が頭を掠めるが
それを言うのは野暮ってもんだ。


その後も

「変なモノが憑いた状態で営業してたので
成約率が悪かったのも、変な人ばかりに遭遇してたのも
憑き物がいたからなんですかね~~(/≧◇≦\)」



「「大変だったでしょう~~。」ってマスターに言われました( ノω`*)) 」


「マスターに落として(除霊)もらってから
ワタシの表情ってパッと明るくなったらしいんですよ~~ヾ(=^‥^=)ノ」



と天然娘の興奮は収まらない。


何ていう信じ易い人だろうか・・・。

印鑑でも壺でもなんでも買う勢いだ。




その後、お宮が登場して

天然娘のことを始め
あれからカウンターに座っていたお客が帰り
自分たち3人がカウンターに座って
オーラに関するレクチャーを受けていたことを教えてくれた。


マスターには
天然娘の左側のオーラが歪んで見えただけではなく
その憑き物が横に座っていた神戸娘のオーラを吸い取っている姿を見えたこと。


お宮のオーラはカウンターに座ってから
徐々にリラックスしたせいもあって無色透明になり
オーラを受け入れ始めたこと。


神戸娘は肺が悪く
息は吸えても、うまく吐けていないと診断したこと。

などを話してくれた。







「俺のこと、何か言ってたか?」



「言ってました。」



「ほう。何て?」



「マネージャーのオーラは
赤くて良いオーラなんですけど
少し黒味がかっている、らしいです。」



「黒味がかっている?」



「オーラに黒が混じっているっていうのは、親しくしてても
『ここから先は誰も入れない』ような心に壁を作っている状態なんですって。
そうでないなら何か悩みを抱えているか。
マネージャーの場合は
あの時に居合わせた僕ら3人に対しても壁を作っているから
黒味がかって見えたのかなぁ?とマスターは言ってました。」


「俺が壁を作ってんの??」



「壁を無くして広い心でみんなに接したら
仕事もプライベートも上手く行くらしいですよ。」



「ふ~ん。でも、俺、壁なんか作ってるか???」




「その時に、3人で納得しましたわ。マネージャーってそういう所ある、って」

天然娘がここぞとばかりにつっこむ。




「俺がみんなに対して壁なんて作ってるかぁ?」

確かに人見知りだが、一旦馴染むと
とことん厚かましいこの俺が
よりにもよって部下に対して壁なんて・・・。




「実は、僕らのこと『下僕』って思ってんじゃないですか?

『この奴隷ども』!って。」

ニヤリと笑うお宮。



そう言えば本日、お宮発のクレームがあり
午後から出勤予定のヤツを電話で叩き起こし
ひとしきり怒鳴った後


「死んでしまえ!(,,#゚Д゚):∴;」
って言い捨ててガチャ切りしたっけ・・・。



でもオーラって面白いな。



赤いオーラの秘密。
もっと知りたいぜ。








   「こうやって除霊したんです。」身振り手振りで説明するお宮。
『この前、オーラを診てもらいに行って来たんスよ。』


「はっ???」


お宮と神戸娘の話によると
仕事場の近くにある最近出来たバー
そこのマスターはオーラが見えるらしい。


何を隠そう俺はそういう話が大好きだ。


どこの街にも「拝み屋さん」というか
霊感で持って色々な人の相談にのってくれる
霊能力者みたいな人がいる。


俺が懇意にしてもらっている阿波の黒豹クンも
信仰している霊感のある御婆さんには
随分と世話になっているそうだ。


徳島に行った際には
是非、案内してもらいたい。





「俺もその店、連れて行ってくれや。」


「分かりました!」


という訳で岡山の某所にひっそりと佇む
オシャレなバーに俺、お宮、神戸娘、天然娘で行くこととなった。


お店は間接照明でジャズがBGMで流れ
「大人の隠れ家」的な、いい感じだ。

一緒にいるメンバーを
ボーリングのピンみたいに
全員入れ替えたい衝動にかられる。


「あっ!あの人か?」


カウンターで客と談笑する30代中盤くらいの
短髪のお兄さん。
客あしらいも上手そうだ。


「・・・じゃぁ早速・・・俺のオーラ・・・」


「待って!
マスターってオーラが見える話は
あまり口外して欲しくないらしいねん。
そういうお客さん(オーラだけ見て欲しい)が増えても困るから、って。
さりげなく聞いてみるわ。」


その店にお宮と週に2~3回は通うと言う
神戸娘に制された。


神戸娘とお宮の話を聞いてみると

神戸娘は頭の上にまっすぐオーラが来ていて
そのオーラを受け入れているそうな。

直感でどっちにしよう?という場合は
選んだ方が常にいい方向に行くらしい。


そう言えば彼女と一緒に仕事をしていても
「こういう風にしよう」という提案はかなりの確率で
上手くいっている印象だ。


そしてお宮と言えば
紫色のオーラが出ているものの
頭でそれを受け入れていないらしい。


そう言えば、こいつは最近ミスばかりで
チマチマ同様、顰蹙を買うこと多々ある。


『オーラ写真』とかは全く信じていない俺だが
神戸娘とお宮に対する診断は興味深かった。

だからこそ疲れ果てた仕事終わりにも関わらず
わざわざ足を運んでいる訳で・・・。


「まぁ、ええわ。でも早めに診てもらうようにお願いしてね。」


「わかりました。」


意外にも料理も美味く
みんなでチマチマの悪口を言っているうちに
アッという間に時間が過ぎる。


「まだ?俺そろそろ新幹線の時間なんだけど・・・」


ジリジリしてきたその時に
マスターがお水のお代わりを持ってきた!



「あ~~~、マスタ~~~~。
オーラ診て下さいよ~~~~~~。」


すかさず神戸娘が声をかける。



済んだ瞳のマスターが
ニヤッとして4人を見る。


「う~~~ん。彼(お宮)は紫のオーラですね。
でも頭で蓋をしてるのでオーラを受けていないねぇ・・・。


彼女(神戸娘)はオーラを受けてますよ~~~。
でも下から上がってくるオーラが弱いですね。

※オーラは頭に降りてくるもの(精神的なモノ)と
 下から上がってくるもの(肉体的なモノ)という種類があるそうな


彼(オイラ)は赤いオーラが出ていますね~~。
ピンクも交じっているかな?
赤は珍しいですね。そんなにいないですよ。」



「赤って良いんですか?」
神戸娘、ナイス!


「赤?いいですよ。エネルギーが強いんです。
仕事と恋愛、どちらかに集中すればいいです。」



へ~~~~~~~。


「じゃぁ、この人は???」
神戸娘が天然娘を指差す。



「その方はまた後で!」


ニッコリ微笑むと踵を返して
マスターは厨房に消えた。


「赤色のオーラ」

「珍しい」

実に興味深いコメントを貰い
その続きを根掘り葉掘り聞きたかったが
残念ながら終電の時間だ。


俺は未練を残したまま帰路についた。


そして次の日、さらに衝撃的な話を聞くことになる。



つづく・・・。





39歳ってみんなどう思う。


俺のイメージ的には
小学生くらいの子供が3人くらいいて
会社では課長かなんかで
住宅ローン払うのにあくせく働いている
おじさんってイメージなんだけど。


物事の分別もついて
それなりに哲学みたいなものを持ってて

飲み屋で部下に人生論を語っては嫌がられ

女性社員に下ネタでも言おうもんなら
マジでセクハラで訴えられ

そろそろ定年後の第二の人生のことまで
チラッと頭をかすめる・・・。

そんなイメージだ。



そんな39歳の独身男性


カミキドンから来たメールを紹介しよう。

**************************************************

2006/2/3 20:28

From:カミキドン



タイトル:簿記


内容:勃起

**************************************************



どこの世界に


「勃起」って一言だけメール送る奴がいるんだよ!!!!



キ○ガイかよッ!!!このオヤジ・・・。




突っ込みたくもないけど

簿記(ぼき) と 勃起(ぼっき) をかけてんのか?



そして俺に
どうリアクションをしろって言うのか・・・?




誰か彼にロボトミー手術でもしてくれぃ~~~~。





彼からのメールはいつも突然だ。


33歳の俺でさえ
もう「中年だ。」と言い切れる39歳の彼。


確かにルックスは気難しそうな
思慮深そうな、生え際がハゲかかっている中年オヤジだ。


しかし口を開けば甲高い声で
機関銃のように「自分の言いたい事だけ」まくし立てる。



月末の慌しい中、俺の携帯にメール着信が入った。


*******************************************************************


Date:   2006/1/28 17:08


タイトル:  『メールアドレス』


本 文:  『Kamiki.COMよろしく!伃』


*******************************************************************


以上。


「メールアドレス変えました」とか
「サイト作りました」等の告知は一切ない。


暗号のようなこのメール。


いずれにしても・・・カミキドットコム???


????


大文字のアドレスなんて珍しいな。
しかもパソコン関係が弱そうなこの人が。




「伃」は絵文字が文字化けしたんだろう。
よく使ってるけど、どんな文字なんだろう?
本人だけがルンルンで使っているが
俺には全く伝わっていない。
そういうこと分かっているのだろうか???



しかし不審なメールではある。



彼の携帯のメルアドは登録しているけど
普通アドレス変更した時って、登録名では表示されず
Kamiki.COMのアドレスで届くと思うのだけど・・・。
メールの差出人はしっかりと「カミキドン」と表示されている・・・。


自宅のPCアドレス?
まさか?元々、聞いてねーし。


ホームページ・ブログでも立ち上げたのか?
そんな知恵はないだろうし
今までそんな話したこと一度もねーぞ。



う~~~~~ん。


よくわからない。


悩むぜ。


そうこうしているうちに
仕事の忙しさにそんなことをすっかりと忘れ去ってしまった。




3日後、新幹線の中でメールを読み返し
「そういえば・・・」と思い出し返信してみる。




「携帯のメールアドレス変えられたんですね?(^^)」



なぜ、こんな変なアドレスに変えたのか聞いてみたいし
ホームページとかブログかなって思って「Yahoo検索」したもんな。



いずれにしてもメールアドレス変更は
何らかの事情があるに違いない。


どんな事情があるのか興味あるな~~~。




返信が来た。




*******************************************************************


本 文:  『いいえ、ただのギャグです。』


*******************************************************************






・・・カミキドン・・・お前を愛してるぜ