カムサハムノダさんとの出会いは
今から5年前にさかのぼる。


カムサハムノダさんは俺より3ヶ月先に中途入社した先輩であり
当時から将来の広島支店を背負って立つ人材と聞いていた。


電話での対応も丁寧でかつ親切で
当時の女上司も「カムサハムノダさんて感じいいよな~」
な~んて言っていた。


ラットレースのように
毎日全力疾走を余儀なくされ疲労困憊の上
この会社の子供じみた体質に白け切っている
現在では考えられないが

あの頃は俺も「この会社で頑張るぞ!」
と、それなりに燃えていたので、
どんな人なのか意識もしたし興味もあった。


一体、どんな人なんだろう?
当時の俺27歳、カムサハムノダさん29歳。


ひょんなことから広島支店に研修に行くことになり
カムサハムノダさんに初めて会ったその日。
彼はまさに職場の若きリーダーとして存在感を示していた。


テキパキと精力的に動き回り
時にはギャグを飛ばして周囲の笑いをとり
ムードメーカーとしての役割を果たし
お茶らけ一辺倒か言えばそうでもなく
真剣な表情の時は上司に報告してる・・・


と一見しただけでも、メリハリのついた仕事ぶりで
「何てパワーのある人だろう」というのが印象だった。


昼飯には堂々とカップラーメンを食べていたのも衝撃的だった。

俺の支店では全員でお弁当を行儀よく食べていたし
「今日の昼飯カップラーメンですわ~」なんて
女性しかいない厳粛な職場では
口が裂けても言える環境ではなかったからだ。


しかし広島支店では
ギャグを飛ばしながら豪快にカップラーメンを食う姿に突っ込むどころか、
みんなむしろ嬉々として若きカムサハムノダさんの話を聞いていた。


「俺が真ん中」
口で言わずとも全身からそんなオーラが出ていた。


しかしそんな「爽やかで、仕事もできて、笑いのセンスもある」
好青年のカムサハムノダさんもタバコを一緒にいけば
もうひとつの面を見せてくれた。


初めて会う会社の後輩(俺)を
「お前」呼ばわりし、しかもタバコの吹かし方や
ハスっぱな喋り方は、元ヤンキーの面影を多分に残していた。


爽やかで、仕事も出来て、笑いも取れる上に
ヤンキー気質まで持っている。

その引出しの多さには驚いたし、
その後出会ったもう一人の逸材:タカシの
「俺ってすごいやろ」しかない引出しの少なさにも驚かされた。


この会社には「すごい人達」がいる・・・。
当時の俺の偽らざる心境だ。


(今は別の意味で凄い人達がいることに気づいてしまい、あきれ返っているけどね)


そこから同時期に責任者になり
可愛がってもらったカムサハムノダさんが
男の美学を貫いていった結果、
保身野郎のために大変な状況になろうとしている。


問題はカムサハムノダさんだけにあるのではない。
もっと複合的なものであり、
そのすべての責任をおしつけられようとしているし
本人も「別にそれでもええよ~」と言っているが
それは違う!一部の人間のせいでもある。

そこは声を大にして言いたい!!!

兄弟分として一緒に頑張ってきた一人の人間として
彼の名誉のために言っておく。

以上。




リアルタイプのカムハサムノダ像を描くよう依頼を受けて書いてみたものの
カリオストロ伯爵みたいになってしまいました。

カムサハムノダさん、すんません。
僕、指詰めますわ・・・。