イライラ

まだパチンコに行ける時間的にも精神的にも余裕のあった数年前
「遠隔操作でもされとんかいっ！！」
というくらい徹底的に大負けをして、
熱くなった俺はトイレ(大の方ね)で
「うおりゃァァァ～～～～ッ」とばかり
ウォシュレットの部分を思い切り蹴りつけ、
気を静めようとしたのだが、意外にもろいＴＯＴＯのトイレ、
「バギッ」と鈍い音がしたかと思うと
ウォシュレットの部分が折れてしまった。

パチンコ屋と暗黒街との繋がり・・・
監視カメラ・・・
事務所に連れ込まれ店員から暴行・・・

不吉なシーンが走馬灯のように頭をよぎり
気が付いたらペダルを高速回転させて自転車をこいでいた。

その店の会員にまでなってしまっていた自分の軽率さを
後悔しながら、自らを出入り禁止にしてしまった事を思い出す。

若かりし頃はそんな失敗は星の数ほどあった俺。
その度に落ち着いた温厚な人間になりたいと心から願ったもんだ。
そして努力してここまで来た。

・・・がっ、ある人間が、再び俺を短気モードにさせつつある・・・。

その証拠に、昨日、仕事帰りにフラリと寄ったラーメン屋で
やっと空いていたカウンター席のすぐ横に座っている
サル、ブタ、若ハゲの西遊記のような
２０代後半のヤロウ３人組の一人の濡れた傘が
少し俺の方に倒れかけてきたことに、いつもなら
「あっ！いいですよ」と礼儀正しく微笑む余裕があるのだが、

その３バカトリオが、
「ケンちゃん、コンパ行ったん？」
「だめよぉ～笑いをとらんとぉ・・」などと、
とうていあり得ないような話をしているのも拍車をかけ
「あん？」って感じでガンを飛ばしてしまった。

寒さに白く曇ったメガネにヨレヨレのスーツ姿のサラリーマンが
何の脈絡もなく、仁王立ちで睨み付ける・・・。
変質者かと思われたかも知れない。

さらに勘定を済ました帰りには
カウンターに座っていたサラリーマン風のおっさん二人連れ、
これがまた大声で話しているのにも何故か腹が立ち
一人が椅子に大切そうにかけていたコートの
長すぎて床に垂れ下がっている背中の部分を
わざと思い切り踏みつけて出て行ってしまった。

このままではマイケル・ダグラスの
「フォーリング・ダウン 」みたいになってしまいそうである。

アゴ男・・・はよう出勤せいっっ！！