無理アポっぽいですが、とりあえず行って来ます。」


泣いてるような笑顔で宮●は愛車のAZワゴン を飛ばして大阪に向かった。


5年付き合ってる彼女から
別れ話を切り出され、動揺しまくっている宮●。


「彼女がずっと言ってた
『アンタのこういう部分、直して欲しい』
ってリクエストに全く応えられてなかったですから・・・。」


そう言ってため息と共に、遠い目をする宮●・・・。


彼女が宮●に求めた『直して欲しい部分』に
『太っている』という項目が入っていたことを思い出し
俺は笑いを噛み殺した。



彼女と別れる、別れないというのは
新しい恋愛を探す余裕のない程忙しい職場にいる宮●にとっては
死活問題である。


俺的も奴がフラれたショックで
仕事をしなくなったら・・・と心配している。


「春くらいには結婚しようと話していたんですが
向こうは「本当にコイツでいいのか?」と悩んでいるんでしょうねぇ・・・。」


「もしかして別アポ(他の男)でもあるんでしょうか?・・・」


宮●の悩みは尽きない。


既にしっかりと籍を入れ、
2月の挙式の参加者確保も出来た職場の先輩、チマチマさんは
一言、「大変やね。」とそっけない。





      自分さえ良ければいいんですわ~~~(心の声)




とにかく、こじれた彼女との関係を修復する為に
22:00に仕事が終わって大阪への深夜のドライブ。



どんな結果が待ち受けているか?
乞う期待!





 そして本日。

 「宮●くん、どうなんかな~?彼女と大丈夫なんかな~~~」
 意外にマジで心配する俺に

 「けっこう、おもしろい展開ですよね~~~」
 と氷のような微笑を見せるチマチマ。

 
 「中○くん、それって意地悪じゃないか?」


 「最近、そうなんですよ~。
 天然娘さんから不幸話聞いても
 「中○さん、口元が笑ってますよ」って言われるんです。
 やばいなぁ~、とは思ってるんですけどね。」

 と笑いながら言ったチマチマ。


 そういうお前も数ヶ月前、彼女から婚約破棄されそうになった時は
 「自殺するんじゃない?」って陰口叩かれるほど落ち込んでたくせにさ。

 とりあえず今の会話、すべて宮●には伝えることを決意。

 
 

           極上のS(エス)