「最近、カノジョにフラれそうなんですよ。」


俺、チマチマ、宮●の3人で昼食を食っていたら
唐突に自身の恋愛ピンチを告白する宮●。



「へッ?何で?」



大学時代からの5年付き合っている彼女がいる宮●。
現在は遠距離恋愛だ。
新幹線ではなく愛車を飛ばして彼女に会いに行く情熱溢れる24歳。

こういうズングリした男と付き合う女に興味があったので
「写真を見せろ」と強引に迫り、見せてもらった彼女の顔は
二人で旅行した時のモノらしく
旅館で沢山の料理を前にしたショットのせいで
小さすぎてよく分からなかった。

でも、今風の可愛らしい感じのコだったような・・・。





「色々、彼女も溜まっているらしくてですね・・・。」
うつむきながらしゃべる宮●。





「ふーん・・・」


チラリとチマチマに目線を走らせると
深刻そうな表情の口の端がヒクヒク笑っていた。
人の不幸は蜜の味。
あいかわらず陰険な野郎だ。



「何が原因なん?」
セラピストになりきった俺は
おでんの玉子を口の中に入れたまま聞いた。



「色々あるらしいんですよ・・・
僕の金銭管理が出来ていないとか・・・
雑なところがあるとか・・・
あまり会えないとか・・・
あと・・・太ってるとか・・・




「太ってる」
その言葉は確実に俺の笑いのツボにヒットした。


チマもうつむきながら肩が震えている。



「そっか・・・大変だね・・・」



「今は僕が「まぁまぁ」って引き止めているんですけど
もう少ししたら「じゃぁいいよ」って突き放す戦略にでようと思ってるんスよ。」



「女が一旦、「ダメ」って思ったらキツイぞ。」


「ですよね~~~はぁぁぁ~~。」



悲しそうな顔の宮●。



傍らのチマは口をモグモグさせながら
黙って聞いている。



宮●がいなくなって
チマに聞いてみる。




「宮●くんの件、どう思う?」



「う~ん・・・この際、神戸娘さんとでも付き合ったらどうですかねぇ~。」


薄ら笑いを浮かべてチマチマは言った。



人のことなんてどうでもいい。
それがチマチマ、将来の夢は「支店の責任者」