チマチマ男のすごい話を聞いた。




ある日の昼下がり。
後輩の宮○クンが弁当を買いに出かけた。

チマチマも先輩風を吹かし
自分の弁当(チマチマセットか?)を頼んだらしい。



「中○さん、買ってきましたよ!(。^▽^。)ノ 」



おっ、ありがとう・・・
奴はいつも小声である。




いくら?



「えーーーっと・・・350円です。⌒(o^▽^o)ノ゚」




じゃぁ、はい、これ
500円を出すチマチマ。



「あっ、中○さん・・・僕、今お釣りの小銭、ないんですよ~。(ー'`ー;)」




じゃぁ、ええよ、別に・・・





マヂ━━━(゚Д゚;;;ノ)ノ━━━!?









俺は耳を疑った。
あのケチで有名なチマチマ男が
大切な自分の金を
「別にええよ。」と言ったとは・・・。


倹約に倹約を重ね、身銭を切ることを極度に嫌う
あのチマチマ男が・・・

少しでも自分に損させた人間には
深夜、神社で藁人形に釘をガンガンうちつける
内向的な銭っ子が・・・


信じられないッ!!!!!(;゜〇゜)




そう思ったのは俺だけではなかったらしく
思いがけない申し出に唖然とする宮○くんより先に
自称:お人よし、その実、ズゲズゲ人の傷つくことを
言ってのける天然娘(33)が


「中○さん、大丈夫ですか?何かあったんですか?」

とマジで聞いた。



天然さんまで・・・そんな・・・(-_-X)


ささやくような小声で静かに怒るチマチマ。
空想の中でお仕置きのレイプ開始だ。



そんな話を聞いて黙っていられる俺ではなく
早速、チマチマを呼び出し、聞いてみる。



「なぁ・・・お釣り、返さなくていいって、本当に言ったの?」



はい、言いました。」

苦笑いしながら
タレこんだ宮○くんは憎悪の対象になっている。


「一体どうしたんよ?
ケチで有名な中○くんが・・・何かあったんか?」



・・・。僕、決めたんです。男なら
バーンと金を使わなアカンと思って・・・



やっぱ、出すもん、出さないと
良くないじゃないですかぁ・・・



豪快に、と言うか
思い切り良く、遣うときは遣おうって!」




得意そうに語るチマチマ男。
俺と二人きりでタバコを吸ってる時
奴の「テキトーク」は全開バリバリだ。



・・・が、マンションでもポーンッと買ったが如く
偉そうに語っているこやつの
「返さなくていいぜ」と後輩に言い放った金額は
わずか150円だという事を忘れてはいけない。




彼女にも言われてますし・・・。」



「マジか?だったら150円とかじゃなくて
それこそ後輩に昼飯おごってやるとか、したらいいのに。」




・・・・・。」
薄笑いを浮かべるチマチマ。
その目にはかすかに憤怒の色が浮かんでいた。



そうだ、150円でもこいつには大金だ。
ましてや人にあげるなんて・・・。


よく頑張ったぞ、チマチマ。



という訳で・・・
150円ぽっちでも「人におごる」となると
一大決心!



これがチマチマ男。
もうすぐ結婚を控えた26歳です。





     チマチマセットで今日もご機嫌