どんなに口が上手くても
どんなに誤魔化したつもりでも
最後には必ずボロが出るチマチマ男の仕事っぷり。

その場しのぎの適当な言い訳
(適当なトーク=テキトーク)を駆使して
何とか俺の怒りから逃げようとするものの

思いがけない方向から
結局、俺の耳に入り、その不誠実な仕事ぶりを罵倒される。


「このボケェェェェ!!!」
「何やっとんじぁぁぁぁ!!!」
「ウソをつくなぁぁぁぁ!!!!!」



何度、怒鳴り上げたか分からない。
その度に真っ青な顔をして
小声で「すみません・・・」と謝るのだが
俺に謝るだけで
肝心のお客さんや社内の関係者には全く何もしようとしない。


だから厳しく叱った後には必ず一言
「○○さんに電話して謝っておけよ」
「○○マネージャーにメールしろ、内容を確認したいから
カーボンコピーのところに俺をつけろ」
と言ってやっている。


そのままにしてたら
俺に謝ったことで「禊が終わった。」とばかり
そのまま放置して本当に迷惑をかけた人から
心の底から嫌われてしまうから。


あと、こいつのデスクは俺の斜め前にあるのだが
普段カムサハムノダさんやタカシと色々な話をしているを
確実に盗み聞きするのは止めて欲しい。

バレてないと思っているようだが
俺の話を聞いてる時って
チマチマのパソコンを叩く手は止まっている。


そして口が滅茶苦茶軽い。
聞かれれば誰にでもベラベラその内容をしゃべるだろう。そういう男だ。


そんなチマチマだが
休憩室でタバコを吹かしていると
時々、おもしろいことを言う。


俺のご機嫌を取るためか
「本当、石○マネージャーと仕事が出来て良かったです。」
「感謝しています。」
「いつもご指導、ありがたいと思っていますよ。」

と歯の浮くようなお世辞を繰り返す。

しかしその数分前には
以前にしでかした「大チョンボ」の罰として
みんなに焼肉を奢るようにと俺が命じ
「わかっております。」と笑顔で即答したくせに
陰で「何で俺が奢らなアカンのや~~」
ブツブツ言っていた、というタレこみが後輩の宮○クンから
俺の耳に入ってきているのだ。

全く浅い男だ。

生返事を繰り返す俺に
チマチマの営業トークは続く・・・

「色々、叱ってもらえるうちが華なんでぇ~」
「石○マネージャーは僕に無いものを持っているので惹かれます。」



呆れて何も言わない俺の沈黙を
「満足」と解釈したのだろう。口調がさらに熱を帯びる。


「なんて言うか・・・
僕に欠けているモノを持っている人って言うんですか?
石○マネージャーって僕の・・・

反面教師だと思っているんです。」



【反面教師】
もともと「反面」の意味は「反対の面」。
それを「教師」にくっつけることで「模範となりえない、悪い手本」という意味を持たせた言葉。





墓穴を掘ったな・・・チマチマ。






チマチマセットを本日もオーダーのチマチマさん。
お前、そんなに倹約して、四国でも買う気か?