今日は中部大学作業療法科中路純子教授の講演会に行ってきました。
子どもに関わる人が、なぜ遊びを非常に重要であると考えるかを、色々な角度から考える、というテーマの内容でした。

遊びは子どもにとって何なのか?
【遊びを機能によって分類】
感覚運動遊び、操作遊び、模倣遊び、受容的遊び、対人的な遊び、が挙げられ、それぞれが出来るようになること、また、それらが出来るように支援することは発達的意味がある。例えば、感覚運動遊びの第一歩、指しゃぶり:自分の体の認識、操作、正中指向性⇨両手が使えることにつながる
【遊びの発達の道筋】
感覚運動遊び⇨おもちゃの直接的操作⇨道具の利用による間接的操作
並行遊び⇨物の共有、貸し借り可⇨ルールのある遊び⇨協力関係
「3歳以上の子は、自分の基本的な生活の型を、時間・空間に投影して遊ぶ」
ごっこ遊びの観察から、お客さん役に、座布団におかずやケーキをゴチャゴチャにして渡す女の子、お弁当を頼んでも何かに詰めることもなく、お皿やお箸を要求してもピンとこない。その子の実生活は?生活の中の大切な部分が子どもにちゃんと伝わっているか?
今の時代、昔から行われてきた美しい日本の生活文化や、異年齢の中で自然と伝わってきた遊びが、なかなか子ども達に伝わらない。意識して大人が見せる必要がある。

遊ぶために必要なものは?
運動発達と感覚の発達が重要、しかし現代はそれらを育む遊び環境に乏しい。
フィードバック、フィードフォワードの必要性
感覚統合の問題と、環境的支援、感覚統合を促す遊びの必要性

遊びの質的変化として、ピアジェの認知の発達段階の紹介
自己の発達に欠かせないものとして、エリクソンの発達課題、基本的信頼感、自律性

他に、子どもの自発的活動、興味を大切にするが、今の時代、子ども達が遊びづらい時代であるがゆえ、大人の介入も必要という話もあり、とても興味深い内容でした。