先日、新聞で、長野県の舞姫酒造が「舞姫」の商標権を更新しなかったため、他人に「舞姫」を登録されてしまい、「信州舞姫」に変えたと読みました。

 

私としては、「舞姫」は長野県の酒の商標として有名だという認識があったため、なぜ他人が「舞姫」を登録できたのだろうと思い、少し調べてみました。

 

舞姫酒造「舞姫」についての商標権⇒更新せず、平成22年2月9日に消滅(あ~あ、もったいない)

 

福岡県の無法松酒造が「舞姫」及び「MAIHIME」の二段商標を出願⇒同年4月16日(ラッキーというか目ざといというか。。)

 

⇒舞姫酒蔵は、無法松の商標出願中に、「舞姫」は舞姫酒造が「日本酒」について使用する商標として周知だから登録を認めるべきでないと主張(まあ、そうですね)

 

⇒審査官は「舞姫」が周知と認定して、無法松の出願を拒絶。(舞姫酒造の主張を採用したかどうか判りませんが、舞姫酒造はホッとしたでしょう)

 

⇒無法松は、審査での拒絶を不服として審判請求(上級審で争う)

 

⇒審判官は、周知でなかったとして登録OK 登録日(平24.8.3)(舞姫酒造はがっかりでしょう)

 

⇒舞姫酒造は、登録に異議(平24.11.6)⇒認められず。(また、がっかり)

 

⇒舞姫酒造は、「信州舞姫」を出願しました(異議前の平24.8.29)。そして、登録されました(平25.4)。

 

指定商品「長野県産の日本酒,長野県産の洋酒,長野県産の果実酒,長野県産の酎ハイ,長野県産の中国酒,長野県産の薬味酒」

(商標中に「信州」の文字があるので、「長野県産の」商品に限定してしまったものと思われます。)

 

審判では、「長野県において、需要者の間にある程度知られていたとはいい得るものの、同県を含む隣接県ないしは全国において、需要者者の間に広く認識されていたということはできない。」と判断されていました。

 

これは異議申立人の主張を受けたものかもしれませんが、県レベルで広く知られていれば類似する他人の登録を認めるべきではない、と判断して欲しかったところです。

 

舞姫酒造としては、さらに無法松の商標登録を無効にする審判を請求することもできたのですが、「信州舞姫」でいいや、ということでしょう。

 

でも、商標としては「舞姫」が良いですね。

 

「信州舞姫」だと、「信州の舞姫」という意味合いがあり、他の「舞姫」と区別して使ってます、といった感じがします。

 

また、「信州」の文字も、信州ハムや、信州みそ、信州そば、など素朴なイメージがあり、最近どこでも使われているありふれた文字ですので、高級ブランド感がないです。


 

会社の名称を商標としている場合、商標権を切らす訳にはいきません!

 

 

 

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所長 小林克行