クリスティーナという女性から

メールを貰ったのは

10年以上前だと思う。

 

彼女はフロリダに住むナース。

夫と二人の子供が

DRPLAを患っている。

 

上の娘さんは

まだそれほど生活に

支障はなかったけれど

 

下の息子さんは

癲癇発作に悩まされ

歩く事も難しくなっていた。

 

彼女は

家族を救いたくて

ホームページを作り

支援を求めていた。

 

私は英語で

DRPLAの

情報を発信していたので

私を見つけたそうだ。

 

彼女は仕事柄

DRPLAの知識も深かった。

 

「DRPLAの患者は

多くがジャパニーズでしょ?

研究も進んでいると聞いたんだけど

息子をジャパンに連れていこうと思うの」

と彼女はメールに書いてきた。

 

 

今と違って

日本でも研究はされているけれど

希望的な言葉は

全くなかった頃だ。

 

私もクリを

日本に連れて行って

日本のドクターに

診てもらったりもしたけれど

特別な変化は見られなかった。

 

「言葉の問題もあるし

今ジャパンに行っても

残念だけど

効果はないと思う。

もし

治療薬などの話が出たら

必ず知らせるから

待った方がいい」

と私は返事をした。

 

それから

彼女とは

時々連絡を取り合った。

 

クリスティーナ以外にも

何人かの人から

メールを貰った。

 

DRPLAを調べれば

直ぐに

患者の多くが日本人だという

内容が出てくる。

 

 

だから

日本以外の国に住む人にとって

「ジャパンに行けば

何か希望があるかもしれない」

と思うのだろう。

 

クリスティーナから

メールが来るたびに

「ジャパンの進行状況はどう?」

と書いてあった。

 

それから何年かして

クリスティーナの息子さんが

亡くなったと

知らせを受けた。

 

あんなに頑張ってきたのに。

 

私はなんと言葉をかけていいか

わからなかった。

 

 

 

キュアDRPLA

アンドレアから

連絡があったのも

私の情報を

どこかで見たからだった。

 

今は10年前とは違う。

 

豊富な投資資金があり

研究者も増えた。

「近い将来に期待している」

と目を輝かせる医師もいる。

 

 

でも

でも、、

 

病気に関するデータも

候補薬ができた時の

治験者(患者)も

まだ十分には集まっていない。

 

少しでも治験者が集まれば

それだけ

治療法は近くなる。

 

 

海外の誰かと話をする度に

「ジャパンは?

ジャパンはどう?」

という言葉になる。

 

みんな

すがる様な

気持ちで聞いてくるのがわかる。

 

ジャパンの患者の

集まる動向一つで

自分の大切な人に

薬が間に合うかどうかが

決まるのだから。

 

 

 

1年半前に

クリスティーナは

娘さんも失った。

 

クリよりずっと

元気だったのに。

 

娘さんはある朝ベッドから

起きてこなかった。

突然の別れだった。

 

クリスティーナは

どんな生活をしているのだろう。

 

 

私は

動画を作っている時

日本の医師に手紙を書いている時

 

「こんな事をしても

無駄なんじゃないか」

と思う事が沢山ある。

 

でも

その度に

クリスティーナの

「ジャパンは?」

という言葉を

思い出す。

 

 

例えその歩みは遅くても

私にはできる事がある。

ジャパニーズとして

やらなければならない事がある。

 

いつか

「ジャパニーズは頑張ったよ。

DRPLAの薬を見つけるのに

みんなで協力しあったよ。

薬が見つかったよ」

と言える日を

私は絶対に迎えるんだ!!

 

明日もいい日になります様に。

 

 

 

 

 

『この病気を知ってもらう為に

動画の拡散

よろしくお願いします』








アドバイザリーボードメンバーの塩沢淳子がヨーロッパを訪れ、Ataxia UKの研究責任者であるJulie Greenfield氏と会談し、運動失調症の研究やDRPLAの最新情報について話しました。

インタビューと動画は近日公開予定ですので、お楽しみに。

cureDRPLA 5月31日 Facebookより



cureDRPLAに参加している研究者

Paola Giunti教授 – ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(英国)

Henry Houlden教授 – ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(英国) 

Yael Shiloh-Malawsky博士 – ノースカロライナ大学(米国)

Heather Lau博士 – ニューヨーク大学グロスマン医学部(米国)

Susan Perlman博士 – UCLAメディカルセンター(米国)


辻省次
国際医療福祉大学ゲノム医学研究所長
学位:東京大学教授(日本)

水澤英洋
国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター理事長特任補佐(日本)

小野寺理
新潟大学脳研究所臨床神経科学部門神経内科学分野教授(日本)

高橋幸利
独立行政法人国立病院機構静岡てんかん・神経医療センター名誉院⾧
岐阜大学医学部客員臨床系医学教授
静岡県立大学客員教授(薬学部)
日本てんかん学会副理事⾧
(日本)

佐々木征行
国立精神・神経医療研究センター病院脳神経小児科小児神経診療部長(日本)




cureDRPLA
 




Ataxia UK  
 





関連

新潟大学脳研究所
 

 

 






2022年6月 Ameba TV