そこは、遠くまで自然のまま何にもないような、だだっ広い平原というか、岩っぽい地形の場所、遠くの方には岩の連なる感じの低い山が見えている。
土の色は少し赤く見える。
アメリカのどの程度の土地がそんな土の色をしているのかわからないが、最近写真で見た、セドナの土の色に似ている、と思う。
実際に、セドナに行ったら、何かがわかるのかもしれないが。

その時、私はまたも夜空を眺めている。
明日の天気を見ているのか、それとも自分の未来でも占っているのか…。

外で夜空を見ていた私は、その後、テントの中に入る。
そこは女の人ばかり。
村の中では女性が中心で、女系の一族。
男の人はその女の輪から少し離れたところにいたり、相手の女性と一緒に暮らしているものの、外で狩りをしたり、戦ったり、そんな役割。

私と夫となった人との間には、望んでいるのに子供ができなかった。

結局、族長に命令され、夫がいるにも関わらず、私は別の部族の男と子供を作らなくてはいけないという。

『お前の体は畑のようなもの。
その畑に実らすことのできないものでは意味がない。
別の種を蒔かなくてはいけない』

そんなストレートでシビアな言葉を言われる。

そして、夫とは離縁を強制されそうになる。
でも、私はあきらめきれず、族長の言う通り、他の人と子供を作る代わりに交換条件で、幼馴染の夫との関係も継続することを要求したらしい。

それでも、別部族から来た男と一緒に住むことを決められてしまう。

新しい夫も自分と同じくらいの年ごろで、名前は狼がつく。
その人との生活は私の望んだものではなかったので、嫌で嫌でたまらない。

夫はその男と私が一緒に生活しているのを見るのが嫌なので、集落の外、少し離れたところに一人で住むようになっていた。
私はその夫のところに暇を見付けては通っていた。