食糧保存の法則 | 国政報告 おおさか佳巨 福島県[県中]の生活

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悪さしながら男なら 粋で優しい馬鹿でいろ


日本は江戸時代までは、都市と農村が共生する社会であった。これは江戸においても大坂においても近郊農業ができており、地産地消の経済システムができていたのである。

ところが、西洋式は都市と農村を別の場所に持ってくる傾向がある。

とくにフランスなどは、パリ以外は全て農村であるといってもよい。

きたるべき東洋時代に向けて、都市近郊農業を進めていくことが、酸素の供給、環境の保全、自然の仕組みによる冷暖房の機能、防災の機能など多くの期待を担うことができる。

西洋文明をとりいれたことによって、農業は経済効率性が求められるようになった。農業経済学という学問は工業経済学の延長線上におかれてしまっている。

本来は農から経済を考えなければいけないのに、主客転倒している。

したがって、安価で広い土地を確保でき、労働力も安い海外に依存することとなる。

お金の仕組みによって、地元生産よりも東南アジアや南米にまでいって採ってきたものが安いという不自然な構造が出来上がっている。

不動産業者・建設業者は、供給過剰がすでに目に見えていても、建物を建て続けないと、お金が廻らなくなる。将来必ずや、大パニックになるであろう。だが、そんなことは今目にしては、やっていけない。


食糧自給率の低下が憂慮され、食の安全への関心が高まる中、国内生産回帰の声が高まっている。

小泉内閣は「強い農政づくり」として、今後中国が食糧輸入国になることへ向けて躍起だが、これも貨幣経済優位との価値観から生まれてきている。ゆえに食の安全ということにはならない可能性はある。

食糧を輸出して経済的利益を得るよりも、自国内で食糧生産と消費ができるシステムが自然主義であるといえる。そのためには都市型農業と農村型都市の構築が必要となってくる。

手始めに都市型農業をつくることであるが、首都東京は以外にも「地産地消」の最先端である。ただし、高級料亭用の食材である。足立区、江戸川区、世田谷区などで生産された農家によって江戸野菜は今でも作られ、東京で消費されている。問題は価格である。これを自然通貨にすることによって、一般庶民にも普及する事ができよう。

現在の経済構造では、この高コストは解消できないとみている。農村で作られた有機野菜については高コストを解消することはできる。かつてより低価になっているのは、広大な土地で生産されているから、需要さえあればある程度は解消できているのが要因なのではないだろうか。

だが、都市型農業の場合は、地代が高いためなかなか難しい。東京において、自然通貨を循環させるとともに、自然のサイクルにあわせた土地利用を行う必要がある。

江戸は100~150万人の人口を有する世界最大の都市であった。当時、どの世界でも百万人都市をつくることができなかったのは、近代以前の都市は廃棄物によって汚染されるからせいぜい十万人程度である。江戸はそれができたのは、極めて精巧なリサイクルシステムができているからである。

中心過密部に政治機構、商人がいてその人々の糞尿が、売買され中心過密部の周縁である田畑に利用され、中心部は食糧自給がなされていた。また、不要なゴミはありえず、すべてが利潤となる経済活動にまわされた。川の水は山から下り、田畑に水を注ぎ、町の人はその水を飲み、下流では排水し、その排水は江戸(東京)湾に注ぐ。現代と違って、合成洗剤も有害な化学物質もないわけだから、東京湾の海水が富栄養化になるといっても、この時代の富栄養化は魚のえさになる。遠方の魚もみなえさを目当てに東京湾に集まってくる。だから東京湾でも鯨がとれたわけだ。その魚を江戸前としてみなが食べ、サイクルができていたのである。

昨年から、江戸開府400年記念によって、東京ではいろいろ催し物が行われたりしてきたが、今こそ江戸の英知を現代に生かすべきであるという人も増えてきた。

これを現代に生かすには、まず使用している化学物質をいっさい禁じる必要がある。次に水田を増やすため、例えば東京であるなら奥多摩から都心部に向かって、順々に新田開発をする必要がある。夏場の水田1ヘクタールはエアコン80台分の力をもっている。

さらに水循環のためには、下水道設備をやめるべきであるが、これは早急に行うことは難しいので、糞尿専用の排水路をしき、田畑に還流するようにする。

ただし、これを大規模にすると、使途不明の糞・尿が蔓延するため、それぞれの規模を小さくする必要がある。サイクルシステムは、地産地消、小さな地域での自給自足が求められる。

これを今まで阻害してきた要因は、資本主義による金融中心主義と政府による社会統制である。環境を破壊することで、多くの雇用を生んできた。そうせざるをえないのは、貨幣が増殖機能をもっているからである。わが平和党の提唱する自然主義経済によって、循環型システムは必ず作られる。