軍縮は連鎖しないが、軍拡は連鎖すると言われ、今我が国を含め世界中で際限のない軍拡が起きている。際限のない軍拡は、やがて偶発的衝突へと発展し、当事国だけでなく人類の滅亡にもなり兼ねない。戦争のリスクを抑えるどころか高めてしまい、悲劇的な結末しかないことが歴史的に証明されていると言う。軍縮をいつかの時点と言い続ければ半永久にできない。今こそ軍縮へと踏み出さなければならない。

 その一つの方策が国連常設軍の創設だと考える。各国はより強固な安全保障を求めて、自国の軍事力を強化するだけでなく、他国と軍事同盟を結んでいるのだが、そこに第3の安全保障として国連による集団安全保障である常設軍の創設が加わればより安全になり、軍拡の必要性が少なくなるからである。もし常任理事国の一カ国でも反対すれば実現できないが、その時は新しい国連を創るべきである。本当に世界平和を望むならば。

 

 一口に国連常設軍と言っても、その形態にはいくつか考えられるが、宮沢喜一元首相は、3形態を提言している。私はそれらを、簡易型、中間型、そして本格型と名付けることにする。いま仮にロシアのウクライナ侵攻に対処するためだとするならば、短期間にしかも費用も極めて少なく結成できる簡易型が考えられる。

 平時においては、常設軍の指揮、指令系統及び本部要員のみを常設とし、派兵の必要時に各国軍に応分の派兵を要請する。各国軍は国際公務員、国連常設軍として出動し、国連の指揮下で行動する。

 本格型の場合、国連加盟国が国力に応じた常設軍維持費を拠出し、その資金によって国連が直接、広く世界から常設軍兵員を公募して運営する。兵員は勿論国際公務員となる。いま世界の軍事費は、11年連続で増加して2025年で2兆8870億ドル(約460兆円)の過去最大を記録した。もしその1%でも国連常設軍に充てられれば4兆6000億円にもなり10万人以上の兵員が確保できることになる。

 各国は安全保障を高めようとして平均で約3%も軍事費を増額しているが。その3分の1、1%で新たな安全保障を獲得できることになる。

 

 このまま軍拡を許してよいのだろうか。どこかで、誰かが阻止しなければならない。本当は唯一の戦争被爆国で、平和憲法で専守防衛を掲げる平和国家、日本に声を上げることを期待したいところだが、アメリカに守られている関係などからか、岸田首相に意見書案を提出したが、返答がなかった。高市首相なら尚更期待できないと思われる。そこで、今も薄く広く世界各国に訴え続けているのだが。

 国連の26年の年次報告書によると、紛争の急増で約1億1800万人が避難を余儀なくされ、また、世界の人口の約10%が極度の貧困状態に置かれているとのこと。軍縮によって生まれる財源を困窮する人々の救済にあてるべきである。