千葉県職員措置請求書

 

千葉県知事に関する措置請求の要旨

 

1 請求の要旨

 

 2月2日の千葉日報1面トップをご覧になった方も多いと思います。県内にも1日2食で「もやしだけ」の日もあるという高校生、「1日1食」しか食べていない高校生もいるとのこと。そこで、県議の海外行政調査いわゆる海外視察について無駄遣いを指摘し、県知事は参加議員に費用の返還請求をしていただきたい。

 

 昨年の5月31日から6月5日までの6日間、千葉県議会ドイツ・オランダ行政調査事業が実施されました。参加議員は10名。旅費は、航空賃(職員はエコノミークラスなのにビジネスクラス)・空港使用料等の交通費、宿泊料(4日分)、更には日当20,100円まで出て、一人当り約169万円。

 そして、随行職員3名の旅費約267万円の他に、委託料として、添乗員や通訳、移動車両に運転手及び現地ガイド、土産や通信機器の手配、業務管理費、合計額5,839,790円。総額何と25,419,173円。議員一人当たり約254万円です。

 議会(本会議や委員会)で質問をしない(4定例会の本会議や委員会で質問したのは10人中4人のみ)。報告書も作成しない。職員から意見を問われて一言か二言述べただけ。前年度の海外視察では意見を求められなかった議員もいました。多くの県民が物価高騰や低賃金で貧困に喘いでいるのに、議員だからと言って、こんな贅沢や無駄遣いが許されて良いはずがありません。参加議員の驕りと堕落、そして職務怠慢と言わなければなりません。住民監査請求は、行財政の適正な運営を確保するため、住民が、県の執行機関又はその職員について、違法・不当な財務会計上の行為だけでなく、怠る事実があるとして、監査委員に対し監査を求め、必要な措置を講じるよう請求できる制度です(地方自治法第242条)。

 

 地方自治法第2条14項は、「地方公共団体は、その事務を処理するに当っては、住民の福祉の増進に努めるとともに、最少の経費で最大の効果を挙げるようにしなければならない。」と定めています。したがって、本件支給行為は、まさしく「住民の福祉の増進に努めるとともに、最少の経費で最大の効果を挙げるようにしなければならない。」との法文(地方自治法第2条14項)に明らかに反します。

 また、地方財政法第4条1項の「地方公共団体の経費は、目的を達成するための必要かつ最小の限度をこえて支出してはならない。」という基本原則にも明らかに反しています。視察する議員は自らを律し、最小のコストにする姿勢が求められます。

 

 海外視察の目的は、海外の先進事例に学んで県政の課題を解決することにあります。そのため海外視察の成果として報告書の作成と議会での質問は必須と考えます。千葉県議会議員の海外派遣取扱要領にも、調査等の結果報告として、「派遣団は、調査等の結果をまとめ,県議会のホームページ及び議会図書課等で一般の閲覧に供する。」と記載されています。報告書は本来議員が共同して全文作成すべきものです。政務活動費を充てた海外調査でも、議員が全文作成しなければなりません。職員は整理を手伝ったり、足らざるところを補充する程度のことは許されるでしょうが。ところがドイツ・オランダの報告書の文字数は38,219文字ですが、職員が作成したたたき台は34,139文字でなんと89.3%、約9割であり、本末転倒で議員の報告書とは言えず職員報告書と言わなければなりません。

 残りの1割は職員の聞き取りに議員が答えたもの察せられ、議員の発言にも有無や分量に差があると考えられますが証明できないので、1割は議員が全員で作成したものとみなして計算します。

なお、県民の貴重な血税をしかも多額遣うのに、議員の知見を深めるためという抽象的で効果の不明ないい加減なことを視察目的または成果とすることは許されないと解します。

 

 そこで、報告書の作成と議会での質問は参加議員の2大職務でありウエイトを50対50として計算します。

 参加議員10名中、質問をした議員は今年度4名、また不十分ながらも議員のホームページで報告を書いている者が2名いますので、4段階に区分けして費用返還請求額を決定したいと考えます。報告書の調査概要は資料を引用すれば、質疑応答もメモを取り、録音するなどして議員も作成出来ます。議員が分担執筆すれば容易に作成できることです。9年前、政務活動費を充てた海外調査で、一部の議員が書いた報告書をコピーした議員がいたことが毎日新聞にスクープされ問題となりましたが、職員や一部の議員の意見を書いた報告書を「「それでいい」というのでは、コピーと同じです。

報告書作成も議会質問もしないのは、議員の職務怠慢と言わなければなりません。したがって、

・報告書を作成しかつ議会で質問した議員 雨宮真吾議員は0%、返還請求せず。

・報告書を作成しないが、質問した議員 高橋秀典議員、川名康介議員、天野行雄議員は45%

・報告書を作成したが、質問しなかった議員 横山秀明議員は50%

・報告書を作成せずかつ質問もしなかった残り5人の議員、95%

 

 問題は返還請求の基準となる金額ですが、一人当たりの旅費約169万円とするか、調査事業全体の一人分約254万円とするか。

 プリティ長嶋議員は政務活動費で海外調査を行い、実にいい質問を行っています。本当に海外調査が必要なら政務活動費で十分調査でき、別途に設ける必要がありません。

 9年前の視察先はイギリスでしたが、アンケート調査で必要と思う人は僅か8.6%、必要ないは8割でした。報告書も職員が大部分を作成している、質問も一部の議員しかしないという「不都合な真実」を県民が知れば視察に賛成する人は一人もいなくなるのは確実です。

 朝日新聞(令和6年5月7日)の一昨年末の調査では、2023年度東京都、北海道、大阪府などは実施しておらず、兵庫県は制度がありません。本県でも廃止をすれば総額が不要になり、子ども食堂やフードバンクなどの貧困救済に回すことができます。

 一人で多額の血税を使って、報告書は作成しない、今年度10名中6名が質問をしていない。一体何のために海外に行くのか。しかもビジネスクラスで。大名視察いや視察に名を借りた観光と言われても仕方ありません。

 参加議員は同行の職員、添乗員や通訳、移動車両に運転手及び現地ガイド、土産や通信機器の手配、業務管理費等のサービスを受けており、議員の旅費以外の費用も負担するのが相当と解します。

 等々を考えれば、事業費の総額全体の1割を基準額とすべきであると考えます。因って、

雨宮真吾議員を除いて

高橋秀典議員、

天野行雄議員、

川名康介議員は45%、114.3万円

横山秀明議員は50%、127万円

残り5人の議員、

河上茂議員、

小高伸太議員、

江野澤吉克議員、

坂下しげき議員、

三沢智議員、

は95%、241.3万円

知事は、速やかに費用返還請求をすべきと考えます。

 

2 請求者

 

 住所 千葉県船橋市夏見2-13-36

 氏名 西尾憲一