昨年、県の多様性条例が成立しましたが、新聞報道によると、党内で意見が分かれた自民党では、対応が幹事長一任になったとのこと。阿部紘一幹事長の英断に敬意を表したいと思います。そして、今一度海外視察廃止の英断をお願いしたいと思います。本当に海外調査が必要なら政務活動費を使って行けるのですから。

   そして、県内でもひとり親家庭が貧困にあえいでいます。民間団体の調査によると、34%で子どもが夏休み中に1日2食以下で過ごしており、米をおかゆにしてかさ増ししたり、親が1日1食に減らしたりする例も。全体の2%が1日1食とのこと。夏休みが終わると体重が減っている子もいます。給食のない夏休みなんかない方がいいとの声もあるほどです。

   また、令和元年度の県立高校生の修学旅行。実施した全日制の課程120校及び定時制の課程7校のうち、不参加の理由を「経済的理由」としてあげたのは、全日制で21校50名、定時制で1校1名でした。クラスでただ一人、学校でただ一人参加できない生徒のみじめさを考えたことがあるでしょうか。いじめの原因になることもあると言われます。

   私が最も尊敬する石橋湛山元首相は、吉田内閣の大蔵大臣の時に、進駐軍経費が日本経済を破綻させるとして、国家予算の三分の一を占める進駐軍の経費を、ゴルフ場建設などのムダを指摘して2割削減しました。翌年それが理由で公職追放になったのですが。県議の海外視察は進駐軍のゴルフ場建設と同じではないですか。自分の利益を最優先に考え他人の負担があっても気にしない。

   海外視察を廃止できれば、予算計上額3068万円を、例えば2500万円をフードバンクや子ども食堂の補助に、500万円を県立高校生の旅行支援に充てることができるのです。阿部紘一幹事長には、是非ともご検討宜しくお願い申し上げます。

   そして、熊谷知事にも伺いたい。今来年度予算の編成中かと思いますが、予算編成権は知事にあります。一部の会派と議員しか参加しない海外視察が本当に必要と考えているのか。また、議員特権としか思えない海外視察と1日に一食か二食しか食べられないひとり親家庭の救済とどちらが大切なのか。これは県政全般を統轄する知事にしか答えられない問題です。県民の命と暮らしを守ることを公約に掲げていたからこそ、私も知事を支援したのですから。