駅のロータリーまで車で迎えに行くと
見慣れない三つ編みお団子の娘が
でっかいボストンバックを抱えて
真顔で
助手席に乗ってきた
「死ぬほど楽しかった。たぶん一生忘れない。」
「はいはい、おかえり。」
「あと、彼氏できた。」
…。
「誰だと思う?」
…は?
娘はなんと
「腕相撲」とは別の男の子と
付き合いをはじめたらしい
やはり
やはりか
私は詩人として
深く、深く感嘆した
ひとの気持ちというのは
恋愛というのは
一筋縄にはいかないし
シナリオ通りにはいかないものだと
またひとつ
娘に教えられたのである
もちろん
その彼の話もきいていた
「〇〇(腕相撲の彼)と別れたら付き合おう」
と 一途に娘を想ってくれていた男の子だ
ちなみに 娘は今
一生に数回とない
モテ期の到来で
4人の男子から
立て続けに告白されていた
腕相撲の彼は
チャンスが2回もあったのに
結局 告白してこなかったし
パンを食べる姿が激しすぎて
蛙化したらしい
娘が修学旅行中の先週の土日
パパが帰って来てくれました
「あれ?〇〇(娘)いないんだっけ?」
と
すっとぼけていたのが
なんか かわいかったけど
久しぶり
2人で焼肉を食べ
腕相撲の彼のことや
その他の報告を、ちゃんと
パパにしていたところでした
日曜の夕方
飛行機で単身赴任先に帰ったパパ
まさに入れ違いで帰って来た娘に
「彼氏のこと、パパにも報告しとき。」
というと
「り。」
軽い。
パパ・ママ・娘
3人だけのグループLINEに
母
ポツリポツリと暗く乱入…
搭乗の前後だろうに
やたら課題に厳しくなるパパ
母は真面目です。
娘の、はじめての彼氏なのですから。
身投げに来ました
生後二ヶ月からずっとずっと
娘に 妹のように育てられた
アメショの飼い猫は
もっと寂しそうでした。
だから一緒に
フテ寝しましたとさ。