結果的にdelyは、フードデリバリーサービスから撤退し、今では巨大な料理動画プラットフォームとなった「kurashiru(クラシル)」へとピボットすることになる。だが、堀江たちの"熱"に山内は感化された。

 戦い方を学んだ山内は、15歳で起業を決意する。その胸には、14歳の時に訪れた米国で感じた危機感があった。現地でAppleやMicrosoftなどを訪問したが、そこに日本人はほとんどおらず、世界という舞台では自分が圧倒的なマイノリティだった。大企業からスタートアップに転職することも珍しくない米国などに比べ、日本は挑戦できる環境が十分に整っていないと痛感した。

「米国に行ってからは、良くも悪くも焦るようになりました。ただ学生でいるのではなく、どんなフィールドでもいいからとにかく戦って、自分の目線を世界で戦う人たちのレベルに近づけたいと考えるようになっていったんです」

それでも僕は東京から
世界へ挑戦していきたい

 起業した山内は、2016年にビットコインのウォレットサービス「WALT」(現在はサービス終了)をリリース。さらに2017年8月には、クレジットカードをスマートフォンでスキャンするだけで決済ができる、個人間決済アプリ「ONE PAY」をリリースしている。

「『ワンファイナンシャル』という社名の通り、世界中を一つの経済圏にしたいと思っているんですよ。クレジットカードなら、世界中でユニバーサル通貨のように使えますよね。いまは僕の壮大な仮説を検証しているところなんです。いずれ、すべての人が同じインターフェースを通じて、さまざまな経済圏を横断的に生きていけるような社会の実現を目指しています」

 

2017年10月、同社は1億円を調達し、「孫正義を超えたい」と言ってのける山内だが、「ソフトバンクのように世界で戦える企業になるには、まだ時間をかけて成長していくことが必要」と冷静だ。

Photo by Y.K

「世界レベルで見たら、僕なんて少しもすごくないですよ。世界で戦うには、日本で生まれたことが不利に働く面も多いです。それでも僕は、日本の東京から挑戦していきたいと思っています。やっぱりマーケットは大きいですし、さまざまな顔を持つこの街は、まるで狭い土地にいろいろな国があるかのようで面白いですから」

「2年以内には世界に進出していたい。起業も仮説と検証の繰り返しです」と山内は展望を語る。青虫からアニメ制作、果ては起業・経営まで。16歳の壮大な仮説と検証は続く。

(記事提供:Qreator Agent)