木島櫻谷展 泉屋博古館東京 | ワクワクしよう~癒されよう~! Feel Freeにアキのふらっとアレコレ♪

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引っ越し、海を跨いで11回
いろんな価値観に触れて揉まれて
世界は無限に広がっていて
こうあるべきは一つもないと

これからも柔らかな心で、導かれるように、ワクワクしながら歩いていきたいです♡

おはようございます

あきです

 

 

先日、といってももう一か月ほど前になってしまいますが

大倉集古館で開催の愛のヴィクトリアン・ジュエリー展の前にお邪魔したのがこちら

 

 

泉屋博古館東京で開催の

 

木島櫻谷  山水夢中

 

特別展 木島櫻谷 ― 山水夢中 | 展覧会 | 泉屋博古館東京 <六本木> (sen-oku.or.jp)

 

7月22日(日)までです

 

 

ここの美術館のこじんまり感

じっくりと鑑賞できる雰囲気が大好きで

 

そして決して派手ではない、人目を惹く展示ではないのに

鑑賞後の満足感がとても高い美術館

 

ついつい通ってしまいます

 

 

美術館近辺の落ち着いた雰囲気も好き

 

 

 

そもそも、木島櫻谷(このしまおうこく) 最近とってもお気に入りの絵師ということもあるかな

 

去年、やはりこちらで開催の展覧会にてどうしても見たかった「柳櫻図」はもちろん見られなかったけれど

 

 

でも動植物の絵師というイメージが今回また新たな魅力を見せてくれたと思います

 

 

 

 

1.写生帖よ!海山川を描き尽くす

 

 

木島櫻谷

 

もともと曾祖父が狩野派の絵師の弟子

父も絵画や茶の湯に通じていた御所への調度品納入業者

育った環境からもう絵師への道、まっしぐらですね

 

小学校卒業後、商業学校に通うも、全然肌が合わなかったようで

私も数字大嫌いなので無理です笑

15歳で京都府画学校へ入学

そこでの師、景年の教えに生涯従って、常に画帳と矢立を持参して写生していたという

 

写生帖を「汝」と呼びかけ、生涯の友として画家での大成を誓う…

 

今のNHKの朝ドラ「らんまん」のモデル、牧野富太郎のような純粋でのめりこむタイプの絵師なんですね

 

この時代のスケッチがもうそのまま作品になろうかと思うほど素晴らしくて

 

こちらだけ写真撮影可だったので少しだけ

 

 

 

 

 

 


2.光と風の水墨  写生から山水画へ

 
 
こんなスケッチをもとに、櫻谷は胸中山水をのびやかに描きます
 
実際に見た風景ではなく、自分の中でイメージを高めて作り上げた山水画
リアルより心に迫るリアルを感じました
 

 

 

「富士図屏風」 六双一曲

左端に手に取れそうなほどリアルな富士

そしてそのすそ野がずーーーーっと右に伸びて右端には市井の生活感が漂います
 
右端から眺める左端の富士
左端で写実だった富士が雄大なる姿で朧げな霊峰に見えてくる不思議
 
こんな見る方向からの効果を狙ったかな、とも
 
 
 

「細雨・落葉」 六双一曲 福田美術館所蔵

左双

 

もちろん動物画の櫻谷

サルと鹿のモフモフも見事なのだけれど
それ以上に心に残ったのが
雨に濡れた木の葉、草の葉、木の肌…
雨にけぶるその姿が実に美しい
 
 
 

「万壑烟霧」 六双一曲 (株)千總所蔵

今回の一番はやっぱり、これかな

 

写真では実に地味、本当に地味
フライヤーでのこの絵に全然そそられなかったんです
 
 
少し離れてみるとモノクロ写真作品のようなリアリティ!に気が付いて
ハッと胸を打たれました
 
これは実際に見ないと分からない
櫻谷の絵って、その中にすぅーっと吸い込まれていくような
その絵の中に入り込んでしまうような
そんな力があると思います
 
 

 

3.色彩の天地 深化する写生

 

 

寒月 六双一曲 京都市美術館

このタイトルを見たとき、どこかで見たような?

と思ったんです

京都旅で京セラ美術館に訪れた時のことをふと思い出しました

一番印象深かったこの絵

 

 

そして、その時写真撮影可でしたのでこちらを…

 

 

夏目漱石が「写真屋の背景」と酷評したそうですね

この一度見たら忘れられない、そんな写実性をそう呼んだのでしょうか

 

 

 

 

 

 

この絵の前に長いソファーがしつらえてあるのですが

それも部屋が薄暗くて絵が際立って見えるライティングも素晴らしかった

ずっとずっと座って見ていられるんです

 

 

 

駅路の春 六双一曲 福田美術館

打って変わって輪郭線の実にハッキリとした色彩鮮やかな一枚

前の寒月と同室に並べて展示されているのですが

この部屋は至福・眼福の一言♡

 

フライヤーより

 

 

 

飛瀑  京都市(京都文化博物館管理)

大きな屏風絵が続く中、比較的小さな作品もあり

その中の一つ

轟轟と流れ落ちる滝のモノクロ写真を目いっぱい露出を上げたような絵

しかも水は一切描かれていないのです

 

 

 

こう見ていくと、写真のような印象効果をねらった作品が多いのかもしれない

などと、漱石の言葉を思い出してしまいます

 

それでも写真の「一瞬を切り取る」というような印象ではなく

自分の心の中の理想を写真のリアリティに昇華しようとしている

そんな風に感じました

 

 

他にも、素敵な絵がたくさん!

今回、京都の「櫻谷文庫」から」も数多く出品されていて

普段は非公開の旧櫻谷邸、いつか行けたらいいなと思います

(今は京都は激混みよね。。。涙)

 

櫻谷文庫 木島櫻谷旧邸|そうだ 京都、行こう。 (souda-kyoto.jp)

 

 

いずれにしても、今回も素晴らしいひとときを過ごせました

 

 

そうそう!

明日7月12日(水)の「ぶらぶら美術・博物館」はこの木島櫻谷展が特集されますね

 

記事一覧|ぶらぶら美術・博物館|BS日テレ (bs4.jp)

 

もう一度、見て楽しむ予定です^^

 

 

 

 

毎日毎日暑くて暑くて溶けそうです…

出社の日は早朝出社、涼しくなってから帰宅するようにしていますが…

それでも暑い!

 

皆様もどうぞお健やかに…