今日は

①モーツァルト ピアノ協奏曲第20番
②同 ピアノ協奏曲第22番


①ミケランジェリ(Pf)
フィレンツェ5月音楽祭管
②スカルピーニ(Pf)
ニューヨーク・フィル

指揮はいずれもミトロプーロス。

①1953年6月17日のライブ
②1955年11月6日のライブ



ミトロプーロスは、フィレンツェ5月音楽祭にしばしば登場し、特に有名なのは1950年の「エレクトラ」のライブ録音ですね。


私はミケランジェリには詳しくないのでよく知りませんが、ミトロプーロスとは他にも共演盤はあったのかしら?

ミケランジェリのピアノはいいのですが、いかんせん音が俗に言う「風呂場で聴くような」音で、これで演奏内容を云々するのは少々厳しいかも。

特にここまでの響きだと、ミケランジェリの繊細極まりない和音が濁ってしまい残念です(>_<)



この音楽祭の折に、ミトロプーロスから彼が常任を務めるニューヨーク・フィルへの客演を要請されたのが、ピエトロ・スカルピーニ

スカルピーニはイタリアのピアニスト(1911-1997)。

録音が極めて少なく、1960年代以降は演奏活動より教育活動が中心になったので、ある意味幻のピアニストに近いかも。

彼の録音でずば抜けて有名なのは、フルトヴェングラー&ローマRAI響と共演したベートーヴェンの第4協奏曲ですよね。


そんな中、ミトロプーロス生誕100年を祝ってミトロプーロス・マニアが発売したこのCDは、フルトヴェングラーとの共演盤でしかスカルピーニを知らなかった私にとり、まさに天からの恵みでした。


この当時だから、まだモーツァルトは恐らく旧全集の楽譜を使ってるはずなので、とりあえず古いスコアを引っ張り出して聴いてみました。


スカルピーニのピアノは、第1楽章はスラーのある箇所でもかなりレガートを控えてますね。

第20番のミケランジェリの独特なカラーとは、やはりかなり違い、その意味ではよりオーセンティックなモーツァルトかも知れません。

第2楽章も、多分ミケランジェリが弾いた時とは正反対であろう、実直な演奏。
これはミトロプーロスの、特に管楽器の寄り添わせ方にも因るものかも知れません。

それにしても、なんと美しく悲しい楽章でしょうか!


第3楽章は実に元気で、Vivaceと楽譜に指示があるかのよう。

個人的には、もし私の好きなギーゼキングがこの曲を録音していれば、似たような演奏になったのかもと思える内容です。


なお、中間部に入る前に、ピアノの右手のパートに符点2分音符しか書かれていない小節が9小節あります。

ここは伴奏の弦楽器が同じ音を8分音符で刻み続けてるだけなので、ピアノがそのまま符点2分音符だけを弾くと、どうにも変な感じになります。
少なくともその前後のピアノパートの動きからすると、ここで急に符点2分音符だけになると違和感を感じます。

恐らくモーツァルトの時代ですから、モーツァルトなりピアニストが即興で弾いていたのでしょう。


実際、多くのピアニストはこの箇所を変更して弾いてますよね。

ただ、スカルピーニは律儀にそのまま符点2分音符で弾いてます。



なお、このミトロプーロス・マニアが創設したレーベルは割りとすぐに資金がショートしたかなにかで、あっと言う間に消滅したと記憶してます。




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