今日は往年のドイツの大ピアニスト、 ヴィルヘルム・ケンプを
Haus der Musik-Wilhelm+Kempff.jpg
ベートーヴェンのピアノ・ソナタ全集、シューマンのピアノ曲の大半を録音したケンプ。

しかし、彼の最大の功績は、シューベルトのピアノ曲をピアニストのレパートリーとして定着させたことだと思います。

今日聴いたのは、さすらい人幻想曲と即興曲
Haus der Musik-41YZ618639L.jpg
ケンプ70歳過ぎの録音。

はっきり言って、彼より「弾ける」ピアニストはごまんといるでしょうし、現代の音大生の方が巧いでしょう。

しかし彼より「聴かせる」ピアニストは?


シューベルトのピアノ曲の最難関の1つである「さすらい人」も、華麗に技巧を際立たせるところが皆無です。

さらに即興曲は素晴らしく、D899の第3番(Ges-dur)は本当に惚れ惚れとします。
実にゆっくりとしたテンポで進み、次の音に移る時の間が絶妙極まりなく、しかも1箇所として同じ所はなく、機械的に拍を刻む演奏ではありません。

Haus der Musik-Ernest_Ansermet_and_Wilhelm_Kempff_(.jpgアンセルメと


こんなシューベルトを聴かせてくれるピアニストは絶えていません。


Haus der Musik-Cortot-Kempff.jpg
その詩情は、写真のコルトーと通じるものがあります。


これを果たして、懐古趣味と片付けられるでしょうか?


だとすると、寂しい時代ですねしょぼん