前営業日の米国市場の総括です。
為替を知るには株式市場、長期金利、商品市場の知識が必要になります。
相場の何故?を知ることで、トレードは優位になります。
たとえば米国株が値動きした理由を知る事で、明日のドル相場のヒントが得られるでしょう。
〖項目〗
1. 米長期金利/国債市場
2. 米株式
3. 米原油先物(オイル市況)
4. 米金先物(ゴールド市況)
5. VIX指数(恐怖指数)
6. 米為替市場 NY時間の為替概況
※他市場を知っていただきたいため、為替概況は最後に載せています
〔米長期金利/国債市場〕
1日の米国債券相場で長期ゾーンは3日続伸。表面利率4.000%の10年物国債利回りは前営業日比0.07%低い(価格は高い)4.18%で終えた。2月米製造業購買担当者景気指数(PMI)改定値が予想を上回ったことで債券売りが強まり、利回りは一時4.29%まで上昇した。ただ、その後に発表された2月米ISM製造業景況指数などが相次いで弱い内容だったため、一転して債券買いが活発化した。
【終値】
米2年債利回り:4.5375(-0.0812)
米10年債利回り:4.1837(-0.0665)
米30年債利回り:4.3304(-0.0485)
終値の利回りと上記文章の利回りは異なる場合があります。
〔米株式〕
1日の米国株式市場でダウ工業株30種平均は続伸。終値は前営業日比90.99ドル高の39087.38ドルとなった。米長期金利が低下したことが投資家心理の改善につながった。セールスフォースやアマゾン・ドット・コムなどのハイテク株の上昇が目立った。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は続伸し、同183.02ポイント高の16274.94で取引を終えた。連日で史上最高値を更新。多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数も過去最高値を付けている。
〔米原油先物(オイル市況)〕
1日のニューヨーク原油先物は3日ぶりに大幅反発。ニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)のウエスト・テキサス・インターミディエート(WTI)4月限の終値は前日比1.71ドル高の1バレル=79.97ドルとなった。石油輸出国機構(OPEC)プラスによる自主減産の延長観測が支えとなった。弱い米経済指標を受けた米金利低下・ドル安が、ドル建て原油相場の換算値押し上げに寄与した面もあった。
〔米金先物(ゴールド市況)〕
1日のニューヨーク金先物相場は大幅に続伸。ニューヨーク商品取引所(COMEX)で取引の中心となる4月限の終値は前営業日比41.0ドル高の1トロイオンス=2095.7ドルとなった。2月米ISM製造業景況指数や2月米ミシガン大学消費者態度指数・確報値、1月米建設支出がいずれも予想を下回ったことを受けて米金利低下・ドル安が進行。金利低下により金利がつかない資産である金に対する投資妙味が相対的に回復。ドル安はドル建て金相場の割安感につながり買いを促した。ドル安はドルの代替資産とみなされることもある金の相対的な価値向上にも寄与した。
〔VIX指数(恐怖指数)〕
28日のシカゴ・オプション市場(CBOE)でS&P500種株価指数オプションの値動きに基づいて算出される変動性指数(VIX、恐怖指数)は上昇。5時1分時点では13.68と前営業日の清算値13.43から0.25ポイント高い水準で推移している。
〔為替(ニューヨーク時間)〕
1日のニューヨーク外国為替市場でドル円は反発。終値は150.12円と前営業日NY終値(149.98円)と比べて14銭程度のドル高水準だった。米10年債利回りが上昇したことを背景に買いが進行。2月米製造業購買担当者景気指数(PMI)改定値が予想を上回る結果になると一時150.72円と本日高値を更新した。ただ、2月米ISM製造業景況指数や2月米ミシガン大学消費者態度指数・確報値、1月米建設支出がいずれも弱い内容だったことで米長期金利の急低下とともに失速。150.08円付近まで下落し、その後の戻りも鈍いまま取引を終えた。
なお、バーキン米リッチモンド連銀総裁は「市場が織り込む年内の利下げ回数が減っているのはデータに反応しているため。FRBは市場と闘ってはいない」と述べたほか、グールズビー米シカゴ連銀総裁は「住宅インフレがなぜ一段と低下していないのか、われわれは完全には把握しておらず、注視しなければならない」と発言した。
ユーロドルは4営業日ぶりに反発。終値は1.0837ドルと前営業日NY終値(1.0805ドル)と比べて0.0032ドル程度のユーロ高水準だった。米長期金利の上昇を手掛かりに本日安値となる1.0798ドルまで下げたが、昨日安値の1.0796ドルを下抜け出来ず反発。低調な米指標が相次いだことで米長期金利が急低下すると全般ドル売りが進んだため1.0843ドルまで持ち直した。
ドル安の流れに沿ってその他ストレート通貨も強く、ポンドドルは1.2664ドル、豪ドル米ドルは0.6534米ドル、NZドル米ドルは0.6112米ドルまでそれぞれ上昇した。WTI原油先物価格が昨年11月以来の80ドル台に乗せたことを好感してカナダドルも対ドルで1.3545カナダドルまで強含んだ。
ユーロ円は反発。終値は162.68円と前営業日NY終値(162.06円)と比べて62銭程度のユーロ高水準だった。ドル円の失速につれる形で162.50円台まで下押ししたが、ユーロドルが反発した影響も受けたため下値は堅かった。
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