『トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦』 | First Chance to See...

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 映画館で香港映画を観るのは、トニー・レオンとアンディ・ラウが共演した『インファナル・アフェア』以来のことになる。ということは、12、3年ぶりか? 香港の政治情勢を鑑みれば、この先もう二度と新しい香港映画を映画館で観ることはあるまい、と何となく思っていたけれど、『トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦』というカンフーアクション映画の評判が私のツイッターのTL上であまりにも良かったため、日本での上映開始から1ヶ月近く経った昨日、半信半疑で映画館に出向いてみた。

 

 

 舞台は1980年代の香港。主人公のチャンは香港に密入獄し、身分証明書を手に入れるため賭け試合に出るも、その場を仕切っている悪いボスにだまされて金も身分証明書も受け取れず、咄嗟に悪いボスのところにあった袋を掴んで逃げ出し、悪いボスの手が届かない九龍城砦に駆け込んだまではよかった(?)が、袋に入っていたのは金ではなく麻薬だった。そこで、九龍城砦にいる麻薬取扱者に売って現金化しようとして、今度は九龍城砦を仕切っているボスに捕まってしまう。

 

 いろいろな立場の面々がそれぞれのメンツやシマを巡ってバトルする話、と言われても、登場人物の数が多すぎて誰が何のためにバトっているのかわからなくなるのでは、という観る前の杞憂は、次から次へと出てくる個性的で濃いキャラクターたちを前にしてあっという間に吹っ飛んだ。みんな違って、みんなかっこいい。悪いヤツやケバいヤツまでかっこいいぞ、何てこったい。

 

 話の運びは軽快で複雑な因縁もわかりやすいし、何よりド派手なカンフーアクションがほどよく漫画チックに仕上げられていて、暴力シーンが残虐シーンになっていないのもいい。実際、この映画の原作は漫画だそうで、なるほど、それも良い意味で納得だ。

 

 九龍城砦の姿を借りて、中国に返還される前、ぎらぎらと輝いていたかつての香港が再現されていて、観ているうちに「中国政府がよくこの映画の製作を許可したな」という気さえしてくる。香港映画、いまだ死なず、の心意気もビシバシ伝わってくる。

 

 いやあ、いいものを観た。ツイッターのTLの評判を信じて観に行って、(久しぶりに)大正解だった!