The Good Soldier | First Chance to See...

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 『パレーズ・エンド第1巻 為さざる者あり』の出版から待たされること約2年、ようやく先月末に発売された『パレーズ・エンド第2巻 ノー・モア・パレード』は、一気に読んだらもったいないので敢えてちびちび読んでいる。おかげで今、私の頭の中はすっかりフォード・マドックス・フォードに染まっているが、それでふと、フォードのもう一つの代表作『かくも悲しい話を……』(原題「The Good Soldier」、1915年)の映画版(1981年)がYouTubeにアップされていたことを思い出し、ものは試しで観てみたのだが。

 

 

 あの複雑な一人語りをどうやって映画化するのだろうと思ったら、フラッシュバックの構成とか、上手に端折って上手に組み替え、なかなかよく出来ていた。作品の舞台となっているドイツの保養地バート・ナウハイムで実際にロケ撮影したそうで、風情もばっちり。かっこいい英国紳士であるところのエドワード役は、グレナダ版ホームズことジェレミー・ブレットで、このキャスティングは悪くないけど、私のイメージからするとちょっと老けすぎかなという気もした。

 

 ただ、私はフォードの原作小説が大好きで何度も何度も読んでいて、ジョンとフロレンス、エドワードとレオノーラという二組のカップルのこんがらがった顛末も一通り頭に入っているからいいようなものの、何も知らない人が初めて観たら話の時制に混乱してついていくのがかなり大変かも? 知った上で観ていてさえ、彼らの行動やその動機は本質的に理解しづらいものがあるし。

 

 あと、この作品はあくまでジョン・ダウエルが語る内容に従って映画化されているけれど、実際の小説を読んでみると、ジョンの語りをどこまで信用するか次第で解釈は無限に広がっていく。この映画のように、ジョンの語りをそのまま素直に受け取って彼を「間抜けで気の毒な寝取られ男」とみなすか、あるいはその全く逆、『アクロイド殺し』ばりの完全犯罪の首謀者とみなすか——私はどちらかというと後者寄りだけど(だってそのほうがおもしろいんだもん)、さすがにそんな強引な解釈で映画化するわけにはいかないわよねw

 

 ちなみにこの映画の脚色を手がけたジュリアン・ミッチェルは舞台&映画『アナザー・カントリー』を書いた人で、やっぱりこういう「本音を押し隠して生きるイギリス人」の話が好みなのかもな。

 

追伸/この作品、映画だと思い込んでたけど、正しくはテレビドラマだった。うわあ、お金かかってる〜〜〜。

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