第155回「そのときは、理論のほうを変えればいいのよ」


前回お話したように、日本では「オリエンテーション(学派)は何か?」と聞かれることが多いのですが、そうした質問には、僕はあまり意味を感じません。


そんな質問より、「どんなクライアントを持っていて、そのクライアントにはどんな特徴があって、そのクライアントに対しどういうアプローチをしているのか?そして、その結果どのような効果があったのか」ということに、僕は興味があります。


同じ理論を背景にしていても、カウンセラーそれぞれ、やり方が違いますからね。また、同じアプローチをしても、クライアントさんそれぞれで、反応は異なりますし・・。


サンフランシスコのカウンセリングオフィスのRAMSで僕のスーパーバイザーだったマリーン・リッチー博士は、ポテトチップを食べながら、「クライアントさんが回復すれば(どんな心理学理論や技法を使っても)いいのよ」と言います。


そして、「どんな理論もあてはまらない場合は、・・」と、マリーンは、大きなおなかをゆすりながら続け、「そのときは、新しい理論を作ればいいのよ」と、豪快に笑いながら僕に話してくれました。


クライアントさんの状況を無理やり理論に当てはめるのではなく、理論のほうをクライアントさんに合うように変えていけばいいということです。そして、その姿勢がカウンセリング理論や技法を発展させます。



向後善之(ハートコンシェルジュ・カウンセラー)

ハートコンシェルジュ


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