第128回「自傷からの回復(6)・・周りからのサポート」


これまで5回にわたって、解離を伴う自傷のケアについてのカウンセリングの概要をお伝えしましたが、これは、典型的な例で、実際は、クライアントひとりひとり、とりまく状況も、症状も異なるため、そのサポートにおいては、細心の注意が必要となります。


ですから、最初にも申し上げたとおり、まわりに自傷を行う人がいたら、まず、専門家からのケアを受けることを勧めてください。そして、自分ができるサポートの範囲を明確にし、自分ができることとできないことを、はっきりと、その人に伝えることが大切です。そうでないと、自分が疲れ果ててしまいます。


そのうえで、自傷をしている人たちに対しては、その苦しみを共感的に理解することに注意を払い、「弱いから自傷をするんだ」とか、「もっと強くなれ」とか、「甘えるな」などとは、けっして言わないことです。そうした言葉は、自傷をくりかえしている人たちが、常に頭の中で繰り返している否定的な自動思考と同じものだからです。



向後善之(ハートコンシェルジュ・カウンセラー)

ハートコンシェルジュ


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