Let it beが脱洗脳を促すのなら、それと対を成すゴール設定を象徴するような歌も欲しくなります。そしてそれを僕たちは秒で見つけることができます。そう、『アナと雪の女王』のLet It Goですね！！
Don’t let them in, don’t let them see
Be the good girl you always have to be
Conceal, don’t feel, don’t let them know
Well, now they know
誰も中に入れてはいけない、誰にも見られてはいけない、
いつも良い子でいなければならない
隠し、感じてはいけない、人々に知られてはならない
でも、もう知られてしまった
Let it go, let it go
Can’t hold it back anymore
Let it go, let it go
Turn away and slam the door
もういいわ、これでいい
これ以上は抑えられない
もういいわ、これでいい
背を向け、ドアを閉めるの
知らない人のために紹介しておきますが、このLet It Goを歌い上げるエルザは女王
になるはずだったのですが、そのために自分（の能力）を押さえつけて抑圧していました。しかしその能力が周囲にバレてしまったことでタガが外れたようにもうあるがままでいようと自分のお城に閉じこもり、それを妹であるアナが思い直すように説得しようと仲間とともに城に乗り込んでいく。。。そんなお話です。
僕たちがやっていることと近しいものがありますが、やはりディズニーなので、一応穏当な結果に落ち着きます。でもアナ雪２ではまたさらにルーツに迫ってそれまでのディズニー映画にないものを見せてくれます。
知り合いの子どもたち、特に女の子はみんなアナ雪を観ていますが、彼女たちが長じた頃にどんな大人になってどんな世界を切り開くのだろうと少し楽しみです。やはり幼少期に見たコンテンツの影響というのは心に根深く突き刺さるように思います。
あるがままに、望むようにいればいいとわかれば、ステレオタイプに自らを合わせる必要もないことがわかります。自分の好きなようにすればいいのです。他人は関係ありません。
ある人はバリバリ働くのが性に合っているのかもしれないし、またある人は家庭を守ることが性に合っているのかもしれません。海外に出ていきたいのかもしれないし、国内で自給自足な生活をしたいのかもしれません。
あるがままに、自分で自分を抑圧することなく生きましょう。また自分はこうだと決めつけずに、様々なことを試しながら、自分の本当のあるがままを見定めましょう。
その自分にとっての本当のあるがままを見極めるのに、ゴール設定の理論と技術は使えます。特に2021年も重要になると個人的に思うのが、シャドウ（影）に立ち入り、そこにゴールを見つける作業です。
シャドウというのは厳密に定義しなくても大丈夫です。自分が無意識に押し込めてしまっているもの全てだと考えて下さい。
ダークな欲望やタブーを破りたい願望なんかは割とわかりやすいシャドウだと思います。それらを変身させて社会で受け入れられる形にすることで、僕たちはそれをゴールに変えダークな欲望を昇華することができます。そうすると抑圧も一つ消えるのでまた楽に生きることができます。
そして僕たちがシャドウに押し込んでしまうものは他にもあります。それが痛みや苦しみといったネガティブな情動です。
僕たちは痛みや苦しみを避け快楽を追い求めるように脳幹にプリセットされていますが、そこを僕たち人間特有に発達した前頭前野を使って介入することができます。別にこれは痛みや苦しみを喜べということではなく（いや喜んでもいいですけどw）、その痛みや苦しみの情動を止めて、その原因をよくよく観察することです。止観ですね。そしてそこから新しいゴールやコアとなる価値観を創り出すのです。
別にこれは僕が勝手に言っていることではなく、コーチングの大家がその著作の中で明確に書いています。その一節を紹介しましょう。
痛みは、多くの人や組織が変化を求める理由になります。痛み、みじめさ、ストレス、病気を抱えた人生を送っているのなら、こう自分に問いかけてください。
「この痛みの根本的な原因は何だろう？痛みを和らげるために何ができるだろう？」
あなたは、自分が傷つけられたり苦しめられたりするおそれのない、安全な生活に価値を置いていると気づくかもしれません。痛みは、自由や正義など、自分の持つ核となる価値観に注意を向けさせます。その価値観が自分や子どもたち、周囲の人の生活の質の基盤となっているものです。
（アファメーション pp63）
僕たちの多くは痛みや苦しみを避けて、それをシャドウに押し込んで生きてしまいますが、それは非常にもったいないのです。その痛みや苦しみといったものをなかったことにせずに向き合うことで、僕たちは新しいゴールやコアとなる価値観を創り出すことができます。
何か手ひどい失敗をして、その痛みや苦しみにのたうちまわっていたとしても、そこから新しいゴールやコアとなる価値観を創り出そうと意を決しましょう。そう自分が決心するだけで、時間はかかることが多いとは思いますが、痛みや苦しみからなにかを生み出せます。
痛みは、自由や正義など、自分の持つ核となる価値観に注意を向けさせます。
ただ先んじていっておきますが、痛みから学ぶことでその痛みを和らげることができますが、また別の痛みにはそれが役に立たないことが多いということです。別の痛みには別の痛みとして向き合わなければそれを和らげることはできません。
何かを目指すプロセスでその到達を妨げるものとぶつかり、それと向き合いその根本的な原因を解きほぐし、それをできればゴールに変えていくことで少なからず救われますが、それは次にやってくる痛みや苦しみがなくなるということではありません。目指すところが大きければ大きいほど、遠ければ遠いほど、また別の痛みや苦しみがやってくるように思います。
そうなったらまたその別の痛みや苦しみと向き合い、何とかしてその原因を探り、それを変えることをゴールにしていきましょう。最近はその繰り返しなのかもしれないと思います。その辺の諦念というかどうしようもなさを、村上春樹さんは『ノルウェイの森』でこう描写します。
我々はその哀しみを哀しみ抜いて、そこから何かを学びとることしかできないし、そしてその学びとった何かも、次にやってくる予期せぬ哀しみに対しては何の役にも立たないのだ。
何だかシャカの言葉のようですがw、我々の取り組んでいるヒーリングにおいても通じるものがあるように思います。痛み、悲しみ、苦しみは生きている以上必ず訪れます。だけどそこでそれを避けて通るか、受け入れてその原因を探るかで現状も未来も大きく変わるように思います。そして、その痛みや苦しみを和らげた方法は、また別の、かつての自分のように苦しんでいる人たちの役に立ちます。
僕たちとしては痛みや苦しみの原因を探り、それを克服したりゴールに変えていく道を選びたいと思います。同意できる方は、ともに歩んでいきましょう。
ゴールが設定されると必然的にそれを妨げるものとも出会うこととなるでしょう。そしてそれは大概が自分がこれまで目を背けてきた嫌なものです。これまでは単に避けてきたと思いますが、強いゴールが設定されればそれに立ち向かう勇気が湧いてくるように思いますし、脳が勝手にクリエイティブにその妨げを解決する方法や知見を探し出します。
そのサポートができれば幸いです。シャドウに押し込んだ痛みや苦しみを取り出し、それを新しいゴールに変えていきましょう。その際も「シャドウから新しいゴールを設定していい」と自分に許可で言い聞かせるのです。
そういった単純なところから変わっていき、いつの間にか大きく変わっている自分に気づきましょう。そうすればいつの間にか自分が望んだものを手にしている自分に気づきます。そうなる前に慌ててゴールは更新しましょう！
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