帰宅間際になって、「送付してもらったデータが文字化けして読めない。大至急送り直して欲しい」と他部から苦情が来ました。
「家帰って一杯やろうかな」と多少浮足立っていたH&T係長ですが、仕方ありません。職場に引き返してPCと格闘です。しかし、どう考えてもこちらには問題がないのです。丁寧に説明して先方に再度チェックしてもらうことにしました。
ITが余りに発達したきょう日、問題の所在がはっきりしないこと、結構多いですよね。それで責められずに救われるなんてことも多々あり、少し気が楽になったりする今日この頃です。
さて、今まで見て来た抵当権の譲渡と放棄は、抵当権者と無担保債権者との合意で決まりました。
今回見る下図の4)抵当権の順位の譲渡と、次回見る5)抵当権の順位の放棄は、抵当権者と後順位にある抵当権者との合意で決まります。
抵当権の順位の譲渡の効果は、譲渡する抵当権者と譲渡を受ける(後順位の)抵当権者との間で、配当の優先順位が入れ替わることです。
これについても事例で確認しておきましょうね。
*設問1と解答1は「抵当権処分のない原則的な場合」の事例です。
設問1:抵当権の順位の譲渡がない時(競売時の原則的な配当) PはX、Y、Z、の3人からそれぞれ、500万円、1,000万円、1,500万円のお金を借りている。そして、X、Y、Z、はPのマンションにそれぞれ1番、2番、3番の抵当権を持つ。 いま、Pが返済できず抵当権が実行(マンションの競売)され、競売代金が2,500万円だった場合、それぞれの債権者(抵当権者)への配当はどうなるだろうか?
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解答1: Xが500万円(満額)、Yが1,000万円(満額)、Zが1,000万円(債権額1,500万円のうちの1,000万円)です。
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設問2:抵当権の順位の譲渡がなされた時 設問1の事例で、もし仮に、XからZへ抵当権の順位の譲渡がなされた場合、それぞれの債権者(抵当権者)への配当はどうなるだろうか?
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解答2: 設例1、すなわち、抵当権の処分がなされてない場合、Xが受け取るべき配当は500万円、Zが受け取るべき配当は1,000万円でした。 しかし、XからZへ抵当権の順位の譲渡がなされた場合、まず、このXとZの受け取るべき配当額を合算します(500+1,000=1,500万円)。そして、順位の譲渡を受けたZは、この合算額(1,500万円)からXに先立って優先弁済を受けることができます。 一方、XとZ以外の抵当権者(抵当権者Y)には何も影響がありません。 よってそれぞれの抵当権者の配当は、Yが1,000万円(満額)、Zが1,500万円(満額)、そして、Xが無配当です。
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抵当権の順位の譲渡では、抵当権譲渡、抵当権放棄の時と同様に、他の抵当権者への影響はありません。したがって、抵当権設定者や当事者以外の後順位の抵当権者(設問2のY)の承諾は不要です。
●次回は、抵当権の「順位」の「放棄」ですよ。さくっと学びましょうね。
“あなたのやる気、私、待ってるのよ”(ジェニファー/元ダンサー)
(注)ジェニファー=内藤やす子さんの娘説は、既に一度麗奈ママにより否定されています。
●ヘッドライトとテールライトHead & Tail
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