能楽の世界

- 観世流・佐久間二郎先生 -
11月5日・19日に「旧二葉屋酒造」の酒蔵において、能楽の教室がありました。2回シリーズで、伝統芸能への理解を深めてもらおうと企画しました。
 初日は「能楽とは何か?」のお話でした。講座では、能面や扇子を使って悲しみや喜びの表現の仕方を学びました。さらに先生が演目の少しを独特の節回しで吟じ舞われ、初心者でもわかりやすいものでした。甲府市内の方や町内の方々が参加されました。参加者の一人の方は「能楽の初歩的なことを学ぶことができ、実際に能舞台を見てみたくなった」と話していました。
 二日目には、「小鼓」の体験で参加者二人ずつ皆さんが体験されました。先生の指導でしっかりとした音が出ていましたが、お手本の先生のおなかに響くような音には感動していました。「ヨウ・ホォ」「イヤァ!ハァ!」掛け声がいつまでも耳に残りました。
 能楽の主人公は、神・亡霊・天狗・鬼などが多いことや、能舞台を正面、脇正面、中正面の三方から観ることや橋懸のこと、その前にある松は遠近法により位置づけしているそうです。扇の広げ方の意味も、先生の所作を交えたお話で、少しですがわかりかけてきました。
 能楽の歴史は、6世紀に中国から伝来し、産楽(さんがく)という物真似や大道芸のような寸劇から始まり、庶民の間に広がっていき、猿楽(さるがく)という滑稽な物真似や曲芸となったそうです。鎌倉時代には田楽(田楽)という農耕芸能と、法会などの後の宴に行った延年(えんねん)という寺院芸能になったそうです。そして室町時代に観阿弥・世阿弥により現在の能の形になったようです。また、足利義満の庇護を受け王朝文芸と混じり合い、高度な舞台芸能となりました。戦国時代も武将に庇護され、江戸時代は洗練されたものになり、幕府公認の式楽となりシテ方(してかた)の流儀も決められました。しかし明治維新・世界大戦など苦難の歴史を経て現在に至ったそうです。

 能楽の構成はシテ方が主役で能の中心的な存在です。「シテ」とは主役の事です。準主役は「ツレ」、コーラスの役割を果たす「地謡」も「シテ方」の手に任されます。そして、役の中だけでなく興行の全てに於ける権限と責任を持つそうです。「囃子方」も重要な役割で小鼓・大鼓・太鼓など揺のリードをとっています。「旧二葉屋酒造・酒蔵」は舞台が備えてあり能楽の講座には最適なロケーションです。一度おでかけください。お待ちしています。