宝塚イジメ問題 | きつねの部屋ブログ版

宝塚イジメ問題

 昨年の9月に宝塚歌劇団宙組所属の団員が死亡した件で、阪急電鉄と遺族との和解が昨日成立したとの記者会見があった。

 

 なぜここまでもめたのか、阪急電鉄というか宝塚歌劇団は長年の伝統で上級生が下級生を指導するといったことがあり、それをコーチなど関係者も認めていた事実がこうした異常な事態になっても悪しき伝統が歴史で太くなり、それそのものが世間と判断が異なっても押し通せる、とおもったからだろう。

 

 なにせ密室の世界。これが保護者がいる女生徒ではなく劇団員となると皆大人であり、保護者が口をだせる世界ではない。

 

 芸能というのは一般サラリーマンの世界と違い芸という誰でもが拾得できるといたもではなく、昔から師匠に教わり、それが一般的な常識とはかけ離れていても芸とはそういうものだ、と一般人が立ち入れない部分がある。

 

 宝塚も例外ではなく舞台を作るうえでは世間の常識は通用しない。芸はコーチ、先輩から教わるもので学校とは違う。

 

 宝塚音楽学校は一般教養も教えるが、将来の劇団員を育てるのが本務。先輩は絶対で廊下でであったら新入生は挨拶をするといった戦前では当たり前のことを現在も要求するという。

 

 それの効用は芸の師匠が弟子にすることに繋がり、先輩は芸というものを後輩に教える立場で、絶対的な存在となる。

 

 また同期といってもそこにはスターとその他大勢との配役の差もでてくる。こうした戦前の軍隊式といっては酷だが風習が残っているのが宝塚。

 

 華麗な舞台の裏には一般社会とは異なる世界がある。で、今度の事件も死者がでたから大問題になったのであって、くやしい思いをして退団した生徒、団員も多く至ろう。

 

 そうした伝統に守られた団員達とそれを放置いていた親会社阪急グループ。親会社は宝塚は宝塚のやりかたがあると世間一般の会社組織の扱いをしてこなかった。であるので前回の記者会見では遺族のいうような事実はなかったとしてしまった。

 

 今回、阪神グループの会長が全面的に非を認め、宝塚劇団の改善を約束したことは是と捉えることができる。

 

 親会社に守られ、また親会社も過度に劇団に関与しなかったことが今回の事に繋がった。きちんと管理、監督をし現代にも通じるパワハラはいけない、暴力もダメ、芸は芸、しかし集団で一人を追い詰めるようなことはいけないとしなければファンも離れていく。

 

 宝塚歌劇団のモットー「清く、正しく、美しく」、であるが清くもなく、正しくもなく、醜いことが起きた。この反省にもとづきこのモットーのとおりにしてほしい。

 

 とかいたが、もともとこのモットー自体集団を統率するためのもので戦前の日本の考え方。現在の個人個人の個性を尊重したものではない。ブロードウェイでは通用しないであろう。

 

 芸のうえではスターシステムは必須。大階段の中央を歩くのは一人でもそれを盛り上げるのは他の大勢。だからといって人間的には皆同じだ、と今回のことで宝塚の内面が世間並みに変わってほしい。