レオンちゃん | きつねの部屋ブログ版

レオンちゃん

 『相棒』が最終回を迎えた。といっても本当にこのシリーズが終わるのかは毎度わからない。何度も終わる、終わるといわれ続けられた。

 

 今回の最終回、2回に分けての放送であった。一つの殺傷事件が政界、検察、警察を大震動させる、といった内容で特に代わり映えがしなかったのだが、それは『相棒』、きちんと杉下右京が解決する。

 

 このドラマの脚本は集団で書かれるということだが、なるほど毎度毎度時宜にあったテーマを入れ込んできて、チャットAIを使ったなりすまし動画、内調といわれる政府のスパイ組織内部の反乱分子、大物与党幹事長の疑惑、検察庁特捜部検事、女性大臣などを登場させている。

 

 まぁあまりにもテンコ盛りでかつ杉下右京の独り舞台過ぎて、かえって食欲を失うような内容であったが、「相棒」ファンにとってはいつもの事で、と思ってもらえるのだろう。

 

 しかし、どのような入り組んだ事件でも杉下右京が解決してしまうことは毎回同じ。最終回ということでドラマの中で右京本人、右京AI映像、のスピーチシーンも何度も見せられ、これが元で右京が睨まれている上層部に謹慎を告げられても、結局事件は右京が解決するのだと判っていて視聴者は安心して観ていられる。

 

 右京は警視庁にはいるが無役。が組織そのものが後ろ盾ということで、一匹オオカミのようでいて、しかし組織に疎まれながらも組織をうまく操り、事件を解決をしてしまう。

 

 今回の最終回では彼の推理力を世間に知らしめる動画がネットを通じ一般社会に出回り、はじめて社会に”警視庁には杉下右京あり”と「広報」してしまう、というか巷に知られる存在となる。

 

 といってもテレビドラマ。次回もし、またこの番組が復活してもドラマ上の世間は彼の存在は意識しないだろう。いや現実の世界がそうなのだから,今日あった事件でもすぐに忘れる。とうことはこれかも事件のネタはある、ということなのだろう。

 

 そんな一匹オオカミ右京にも協力者はいる。それが相棒である亀山刑事。そして組織犯罪対策課通称〇暴の課長と、常に殺人事件の現場で出くわし、表面上は敵対する捜査一課の刑事三人組のうちの一人芹沢が、チョコ、チョコと特命係に事件の情報などを漏らしている。それがウッカリなのか、本気なのかはわからないが。

 

 現在のその役を担っているのが出雲麗音。彼女も伊丹率いる刑事三人組(一人はシリーズ途中で交代)の中の一人。元交通機動隊に属し白バイに乗っていた女性警官。しかし巡邏中に何者かにより背中を撃たれて、その事件をきっかけに右京たちとであう。

 

 事件は解決するが、彼女は怪我のためバイクでの勤務は無理と判断され、捜査一課に配属、そして捜査一課トリオの一員となる。彼女はリーダーである伊丹や芹沢より特命係にシンパシーを感じていて、捜査一課としての仕事もだが捜査の進展のために伊丹たちに内緒で捜査情報を特命係に教え、また右京達からも情報を得ている。このキャラがいい。

 

 彼女、篠原ゆき子を始めて認知したのがこの『相棒』。役者歴は古く高校時代には中学生役でデビュー。いままでわたしはしらなかったのだが、連続ドラマの出演は『相棒』が初めてらしい。

 

 ワキ役が多く、彼女にとり『相棒』は自分の名を広める役割を果たしたといえる。

現在の『相棒』では杉下の相棒である初代から復帰した亀山薫からは、「レオンちゃん」と呼ばれ、可愛がられている。

 

 さて、このドラマ『相棒』、わたしは当初のシリーズは観ていない。杉下の相棒であった亀山薫が去ったあとの二代目相棒神戸尊から見始めた。

 

 それからでも随分長い期間を観ていることになる。右京を演じている水谷豊は彼が若いころから知っている同年代の俳優。

 

 『男たちの旅路』の警備員役以降『熱中時代』、の先生役。サスペンスドラマの定番になった『旅行誌ライターである浅見光彦シリーズ』で各局で光彦を別の俳優が演じたが、彼が初代。わたしの頭に水谷豊という俳優がが定着。以来彼が主演するドラマはほぼ観ているといっていい。が、この『相棒』は上述の通り

 

 若々しく見える彼も70歳を過ぎ、シリーズが終わるたびにこれで完結か、といわれるようになっってきた。

 

 今回のドラマの最終回も世間で知られていないシャーロックホームズに匹敵するような名探偵が警視庁にいる、と知られる設定だが、これドラマとはいえ影の存在であった特命課と杉下の名が広まってしまい、これで終了なの、といった感も漂うのだが。

 

 『ブラタモリ』のように、特に挨拶もせず終わってしまうのかもしれない。それもまた良し。