第6回「トランプで創造性を学ぶ」 心理・行動編


(注)このブログは、NHKのスタンフォード白熱教室の内容について、①を中心に以下の目的でまとめています。
①視聴した人の復習用の記録として(そのため基本的に事実ベース)
②見ていない人には、どんなことをやっているかの概要の参考になるように
③調べものをしている人には、ティナ先生がどんな方法をどう使っているか

また、基本的に講義の流れや発言順に沿って記録していますが、一部流れを編集したり、

私のコメントは 「→」を使ってフォントサイズを落としています。


<私の感想>
先日、Game×Learning×job のワークショップで「パラダイス」というビジネスゲームをしてきましたが、結構同じような経験をしました。
ルールにないことはグループ内で決めていってもよい形式で、カードのレンタルや

先物買いといったことを取り入れて、わりとクリエイティブに楽しみました。
中に、ルール次第でゲームの性質をコントロールすることができ、学びの目的すらも

コントロールできてしまうことに感動した人もいたのですが、今回の授業も実は

ティナ先生にコントロールされていたのです。次の振り返り編で種明かしがされます。


また、Game×Learning×jobのレクチャーで、

ゲームはこれまでに作り上げた“固定観念”をアンラーンし、新しい枠組を導入

するのに向いている」ということでした。
また、ビジネスゲームの可能性として、ゲームでは難しいことが沢山発生し、

上手くいかないことも沢山おきる。そこには葛藤・緊張・矛盾が生じる。

個人や組織を問わず、前提を問い直す学習(変容学習)の可能性がレクチャーでは

挙げられていましたが、ティナ先生もこうした効果をうまく使ったと思われます。



<NHK Webサイトより、第6回の概略>
新しいものを創り出す力は、新製品のデザインや開発段階だけのものではありません。ビジネスのあらゆる場面で要求されます。
学生たちはトランプを使ったユニークなゲームで、どんな企業でも、どんな役割やレベルでも創造性を発揮する機会はあることを学び、何が起きるか予想できない状況の変化に対応して、クリエイテイブな
解決策を模索していきます。
そのためには、自分がルールだと思い込んでいることから自分を解放することが創造的になれる第一歩であることを実感します。常識を覆す学生たちの鮮やかな発想をお楽しみに。



今回の講義では、シミュレーションゲームを行います。
組織の様々なレベルで創造性を発揮できることを体験します。実社会で様々な状況変化に対応することと同じ
ことです。



■ウォーミングアップ

テンションを高めるウォーミングアップ。

<やり方>
周りを見回して、特定の人をパートナーとして決めます。
意思表示はせずに自分で決めるだけ。それをAさんとする。もう一人も決めます。
音楽が鳴っている間、その2人と自分が正三角形になるように動き、音楽が止まったら動きもやめる
そこで、だれがうまく動けたか判定する。


2回目は、悪の帝王と、囚われの姫か王子様を各自が選ぶ。
悪の帝王と守るべき人の間に立つこと

これをやると、いつも真ん中に人が集まってしまう。(押しくらまんじゅう状態)
みんな仲良くなりましたね、ということで本題へ


*次に、実際のゲーム内容、生徒たちの行動が以下記録されています。
授業の振り返りのポイントを理解する上で、各チームの心理の動きや行動を
知っておいた方が良いと思います。振り返りは別ページに分けます。


振り返りと要点だけをさっと見たい方は次のブログページに飛んでみてください。

http://amba.to/m82p0l (振返り編)


■トランプによるシミュレーションゲーム
(2つの異なる世界で、別々にゲームが同時進行)


<事前準備>
まだ組んだことのない同士で3人1組になる。
壁により、机だけがある机チームと、3人分の椅子だけがある椅子チームに分かれる。
4グループづつ、合計8グループ
2つの異なる世界で、ゲームが別々に進行する(生徒に復唱させる)
ポイント:それぞれの世界に3種類のトランプを(枚数を間引いて)4チームに分けた。


<ルール>
キャプテンを1人選ぶ。代表者が必要なだけで責任はない
先生から説明はするが、生徒から質問はできない。

「これから説明するルール以外にルールはありません」
各チームにトランプを一束とポーカーチップ10枚(チップは1枚1点)と説明書を
各チームに配布。制限時間は40分


トランプで家を造る。但し、使うトランプは同じ絵柄(種類)のトランプ。
各階は赤または黒で統一し、最上階は絵札を使用すること。
注意事項として、途中で状況が変わっても驚かないこと。


最後の得点の集計は、家に使われたトランプ1枚につき1点とする。
また家の回数ごとにボーナスポイントが1点。
そして52枚のカードをすべて使った場合、ボーナスポイント20点が加算される。
手持ちのチップの数もポイントに加わる。


<生徒たちの行動>

まず、各グループ、絵柄を確認する


[イスの世界]
・あるグループ:チップを使って取引をしよう。輪ゴムは何に使うのかな?

青の絵柄のトランプを増やすことにしよう。
52枚のボーナスポイントは狙っていくべきか。

見たところ絵柄は3種類しかないようだ。青を買い付けて揃えよう。
・上記グループが他の2グループと同じ枚数で、青と他のカードの交換を始める。
3グループめに交換を持ちかけるが、まだわからないと保留にされる。
・保留にしたグループは、戦略が固まっていないため交換を断り、

階数で稼ぐかなど戦略を検討する。


[テーブルの世界]
・テーブルの世界でも交換が始まっている。
各チームが集まって交換市場をつくるが、4チームに対してトランプの絵柄が

3つしかないことがわかる。
トランプを一緒にして、できるだけ公平にするため3チームに再編成すること

を考える。
但し、チップが40枚で3で割り切れないことと、トランプが適当に間引かれている

ので、公平に分けられないことに気づく。
・ルールにはないから、隣の世界のトランプと交渉するのはどうかと提案。

賛成されて交渉に行くが、相手にされず。
⇒結局3グループに資産もうまく配分した模様。


[イスの世界]
・イスの世界では欲しいカードに対してチップを付けてお互いに交渉。
・カード1枚にチップ5枚を提案しているグループ。相手は悩んでいるため説得する。
なぜ欲しいのかと聞かれ、別の赤を集めているチームが20点のボーナスポイントが取れないように邪魔をしたいからと説明。
結局後で来てくれる?と保留
・上記交渉しているチームは、青のカードを集めつつ、他のチームがボーナス点を取らないように邪魔をすることも戦略に入れた。
他のチームをコントロールして、自分たちが決定権を持とうと考える。


【7分経過後に新しい情報】
先生からシールの付いたステッカーをチップ1枚で販売。

興味がある人は買いに来るようにとアナウンス。
各自意味わからずとも1枚、試に購入するチームが多い。


[テーブルの世界]
・クーガーチーム:何のために使えるのか?組み立てるときに使うのかな。

⇒このチームは買わないことに決める。
そして、足りないハートは揃えなくてもいいのかというチームメートの問いに、

赤と黒を集めればよく、トランプをちぎって使えばと提案
そうすれば黒の9は2枚になるが、それで本当にいいのかと確認し合う。
東洋系の女性は、ちぎっても1枚ずつだと言えると主張。52枚揃えるということは

トランプの全カードという意味ではないかという男性の問いに、半分でも1枚と数えればいいと主張。
足りないハートの4と7と9を2つにちぎる。
・そしてテーブルの上に、家の形に並べるだけでもいいよね、と提案。
→持っているトランプを全てちぎって家を複数建てることまでは思いつかなかった様子


[イスの世界]
・一番点数が伸びる方法として、あるチームが一緒のチームにならないかと持ちかける。そして合併について前向きに検討される。

・先ほど、赤のカードの[売買を保留したチームの女性が赤カードを1枚売りに来るが、合併話の前に聞いてもらえない状況。
・合併話の中で、イスの世界のチームがすべて合併し、チップも合わせて大きな家を建てることでテーブルの世界に勝つことを提案。⇒みな賛成に


【20分経過後に状況変化】
規制緩和によって、それぞれのチームの生産力が高まった。

各チームにトランプを3枚追加。


[テーブルの世界]
・あるチームでは、トランプを粘土か何かで三角形に固定して2階部分まで作成中。他のメンバー2人が、トランプをそのまま重ねれば家に見えなくてもいいのではと

提案するが、家の形の拘ってミッシェルの反対にあい断念。
・三角形で積み重ねているのに対して、四角の方が階数がかせげるのではという

提案に対して、時間はまだあるから、あなたは箱を試作して。こっちは三角形で進めるからとなる。


[イスの世界]
・イスの世界の4グループは合併に合意。

3種類のトランプがあるので、全部家を造ることになる。
・中の一人が、「ルールの範囲内なら定義は自由だろ」と発言

ルール自体がきっちりと決まっていなくて、途中で状況が変化したりするから、こちらも柔軟にいかないと、と発言。
そこで、トランプ1枚を1階とみなしたほうが階数を稼げると説明し、了解を得る。


[テーブルの世界]
・各3グループが家を造り始めている。あるグループはテープを使ってカード同士を張り付け、三角形にして立てはじめる。


【30分経過後に状況変化】
競合の会社が倒産して、その知的財産がすべて売りに出されました。

両方の世界で残っているカードを一括でオークションで売るので、各チームの

キャプテンは出てくるように。


カードの枚数は教えずにセリを実施。
テーブルの世界では、競りあがってチップ7枚で落札。
イスの世界では、合併しているので、チップ1枚で落札


[テーブルの世界]
・ミッシェルのチームが、オークションでカードを落札したチームにカード交換の

取引に来るが、カード1枚はチップ1枚と同じだからと応じない。

ミッシェルに変わって別の男性が「この2枚があると52枚そろってボーナス点になるよ」と売り込みに来る。しかし、そのチームは52枚そろっているし、あまりのカードもあるので必要ないと判断。
・ミッシェルのチームでは、三角形と四角形にしたトランプを縦に載せてタワー型にする。


[イスの世界]
・イスの世界では、3種類のカードを使って家を4軒立ててもいいよという議論になる。「決めるのは僕たちだ」


【残り5分で状況変化】
キャプテンは競合のチームに引き抜きにあった。とても良い条件なので、会社を辞めて別のチームに行ってもらうが、その時に任意だがトランプを2枚持って行ってもよい。


[イスの世界]
・イスの世界では、大合併しているので関係ないと無視。
・ティナ先生がそれは何?と様子を見に来る。学生の説明に対して「ああ、そう」とそっけない受け答え。「家がたくさんあっても点数に加算されるでしょ?」の問いには答えず。
→このやり取りも先生の戦略的な演技。この時の心理状態は振り返りで述べられる。
・各自これ以上やることないと判断して、勝利のお菓子を食べ始める。


[テーブルの世界]
・キャプテンの引き抜きに対して、クーガーチームの東洋系女性が工作を始める。
「体はあちらのチームに行っても、心はまだこちらのチームということでどう?」

「あっちに行ってまた戻ってくればいいじゃない」

⇒カードを2枚持って一応出かける。
・ミッシェルが提案。人を入れ替えるとスパイが入ってくる感じで嫌だし、

結局のところ2枚のカード交換と同じだから、それぞれ欲しいカード2枚を

交換すればいいのでは。

キャプテンがなかなか移って来たがらないことで、何か企んでいると判断する。
・1つのチームがカードも人も動かさないので、結局だれも動かないことになる。


●タイムアップ

・ミシェルのチームは、三角形を立てたタワー型で48点。
・別のチームは、トランプをパーティションに2枚1組(ワンフロア2枚)で

テープで張って作成。
・クーガーチームは、机上の平面に家形に、色を交互に並べてワンフロア1枚

として作成。
・イスの世界は、52階建の3組の家と、あまりのカードで作った4つの家。

チップを合わせると464点になる。
→なぜあまりのカードができたのか不明


*前半は以上です。


第1回「ブレインストーミングで可能性を探れ!」http://amba.to/jUMrRU
第2回「名札をめぐる冒険」http://amba.to/iphjYQ
第3回「最悪の家族旅行を考える」http://amba.to/jXIsGh
第4回「6色の考える帽子」http://amba.to/jTvmQg
第5回「30分で新製品を作る」http://amba.to/kNiduO
第6回「トランプで創造性を学ぶ2」振返り編 http://amba.to/m82p0l
第7回「あこがれの起業家に学ぶ」http://amba.to/qBB4FX
第8回「コーヒーの新しい飲み方を考える1」発表編 http://amba.to/rrHIWY
第8回「コーヒーの新しい飲み方を考える2」振返り編 http://amba.to/poh4aQ