ウィラーエクスプレスの健康経営とは? | 第4セクターの乗りバス・乗船日記

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っということで、たいへん遅くなりましたが、続きとなります。

ウィラーエクスプレスジャパン平山社長よりお話がありまして・・・

簡単に言ってしまえば、乗務員の健康増進は心の健康に繋がり、心が健康ならば余裕ができて安全運転や接遇改善に繋がり、それは顧客満足度の向上に繋がるといった、非常に簡単な話なんです。

 

では、詳しく見ていくことにして見ましょう。

平山社長の画像を出したいところなんですが、何故か男前に移っている画像がありませんので、まことに申し訳ありませんが、割愛させていただきますww。

 

近年、脳疾患・心疾患等の健康起因や漫然運転の交通事故が増加し、公共交通機関の安全性が問われています。

このような突発的運転不能状態に陥るリスクは誰もが持っており、乗務員の健康管理は喫緊の課題であると考えています。

で、立派な休憩施設や健康的な食事を提供するのは前の記事通りなんですが。

さて、ウィラー乗務員の健康をサポートする、医学博士の知久先生より講演がありました。

心疾患に関しては、なにかあった場合でもまだブレーキを踏む余裕が残されているが、脳疾患は身体の司令塔が駄目になるので、最悪の事態を招きかねない事態と成る。

国交省によると、2016年に脳疾患で事故を起こした職業運転手は48件にのぼり、増加傾向にあると分析されています。

業種別に見る脳疾患事故発生率は、

トラック 0.001%

タクシー 0.005%

バス  0.01%

と、バスが突出して多いとのこと。

知久先生は、バス運転士が突出して多い理由は、

多くの乗客の命を預かる緊張感。

分刻みのタイトなスケジュールによるストレス。

長時間連続運行による疲労感。

不規則な勤務体系による質のよい睡眠が取れない眠気。

にあると、考えられるとのこと。

 

国交省の対応は、職場環境を整えることの重要性を明記し、各社に対応を求めたいとのことなんですが、それに対してのウィラーの回答が、運転士自身の普段の生活を改善し、健康管理を徹底していく根本改善が重要と考えるに至ったとのこと。

知久先生がおっしゃっていたことなんですが、健康診断ではなく検診が重要であり、一番大事なことは病気が発症する前に、未病の段階で予防し、生活習慣を改善することで病気のリスクが低下する。

ウィラーでは、ウィラージャパン傘下の200名以上の運転士に、3年に1度の脳ドックを会社経費で検診させ、生活習慣改善に役立てているとか。

さらに協力会社の運転士にも、拡大していくとともに、3年に一度でよいのか?、とも現在検証中であり、期間の短縮も視野に入れているとのこと。

 

さらにIoTを利用した運行管理システムを使用。

これは富士通が開発した「DTS-D1D」と呼ばれるネットワーク型車載システムを搭載し、どこに車両が走っているのか、また加速・原則Gや生体センサーを利用し、本人にはわからない眠気の予兆を感知し、運行管理者へアラートを知らせるとともに、車内・車外カメラと連動して運転士や車外のようすを見ることができるものです。

これまで運用してきて、どこで眠気が出やすいか、運転しづらい場所とかだんだんわかってきているので、運行シフト・運行ルートの見直しに役立てていきたいとのことでした。

 

まあ、ハッキリ言ってしまえば、東名阪でロウズがやらかした事故を教訓として、いろんな対策が加速していったわけですが。

ここまでやらなくては、高速バスの安全って担保できないのかな?、なんて古い考えの自分は思ってしまうわけですが、孤独に高速道路を運転する運転士さんには、頼もしい後方支援なのかも知れません。

 

最後に今年は安全装置が充実したエアロエースを20台、保有台数の10%を代替するとか。

 

都市間ツアーを祖とするウィラー。

バスを運行することはなかった会社でしたが、だからこそ新たなテクノロジーを積極的に導入して、厳密な運行管理をしているのでしょう。

 

では、ローテクに属する点呼のようすは、次の記事に。