民芸 (あたらしい教科書 11) | 半学半教

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民芸 (あたらしい教科書 11)
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あるいは、使いやすいことを重視するならば、プラスティックの器や、100円ショップで売っているような器の方が気楽だし、使いやすいような気もする。ならば、そんなものも民芸なのかしらと。(10頁)

民芸については、以前、河井寛次郎氏の、

いのちの窓

http://ameblo.jp/hbkwi/entry-11223807482.html

を読んだ際、日本各地の日常雑器や日用品などの、無名の工人による民衆的工芸品の中に真の美を見出したもの、ということをさらっと調べ知っていた程度でしたが、民芸について気になっていたので、わかりやすく解説された書籍はないものかと試しに本書を購入したところ、平易な言葉での解説と共に、作品がカラーで掲載されており、ぼんやりとした頭が整理できました。

かつて小道具屋などで置かれていたタワシや什器などの日用品は、「下手もの(げてもの」と呼ばれており、これらのものに、河井寛次郎氏や柳宗悦氏らは民芸という呼び名を与え、価値を付けていった、ということ、そして、こうした日用品が全て民芸となるかというとそうでもなく、日用品であることはあくまで必要条件であり、それらの中から眼にかなったものに対し民芸として価値を付けていった、という基本的なことがわかったところで、今後、民芸の、「眼にかなったもの」という抽象的な、曖昧な、味わい深いところを、河井寛次郎記念館や、民芸館を訪れ、養うことができればな、と思います。