『連載小説「お葬式」vol.1』 | はづき虹映Blog Powered by Ameba
2019年03月22日

『連載小説「お葬式」vol.1』

テーマ:ブログ

 

 

お元気様です。はづき虹映です。


いつもありがとうございます。

 

 

さて、私事で恐縮ですが、今年の目標のひとつに、
「本格的な小説を出版する」ことを掲げてみました。

 


過去にもストーリー形式の自己啓発書は2冊ほど、
出版しているのですが、今年私がイメージしているのは、
もっとガッツリした、フィクション作品。

 


直木賞でも狙えるような、本格的な
長編小説にチャレンジしてみようかと…(笑)。

 


…というワケで、過去に書きかけた小説があるので、
とりあえず、それをちゃんと完成させるところから、
始めてみたいと思っています。

 


この「宇宙元旦」の「春分の日」をキッカケに、

週1ペースで連載していこうと考えていますので、


みなさんの忌憚のない、ご意見・ご感想など、
お聞かせいただければ幸いです。 

 


それでは第一回目の始まり、始まり~♪  (^_-)-☆

 

 

 

 

 


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『連載小説「お葬式」vol.1』

 

 

 

めったにならない電話が鳴った。

 

厳密には「鳴った」のではなく、「震えた」。

 

電話嫌いの僕の携帯は、常にマナーモード。

 

なので、電話が鳴ることはなく、ブルブルと振動しているだけ。

 

 

その振動でさえ、ほとんど気付かないことが多いのだが、
今朝は違った。

 

偶然?気付いてしまったのだ。

 

 

 

 

 

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着信の画面を見ると、実家からだった。


出勤前の朝早い時間だとわかって、
母親が僕に電話をかけてくるということは……。

 

その瞬間、何が起きたのか、僕はわかってしまった。

 


たぶん、そういうことだろう…と、


ぼんやりしたアタマの中で、


なんとなく僕は、そう思ってしまった。

 

 

 

 

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僕、神田悟は、都内の小さな編集会社に務めるサラリーマン。


新宿から延びる中央線沿線の駅から、
徒歩10分ほどの安いアパートに、


こっそり飼っている三毛猫と二人暮らし?をしている、
アラサー独身男子である。

 

大学から東京に出てきて、就職も都内でしたため、
関西にある実家には年に一、二度、
帰るかどうか……というところ。

 

今、実家では年老いた両親が、
すっかり古くなった建売住宅の一軒家で、
二人で細々と年金暮らしをしている。

 

 

 

 

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母親は元々、子どもにはあまり干渉しないタイプなので、
実家から電話がかかって来ることはほとんどない。

 

父親との関係は…と言えば、ご多分に漏れず、
あまり良好とは言えず、父親が僕に直接、
電話をかけてよこすハズなど、ありえない。

 

そう考えると、平日のこんな朝早い時間に母親が、

 

僕に電話をかけて来るのは、


よほどのことに違いない。

 

 

 

 

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震えているスマホの表示ボタンを押して、電話に出る。

 

「もしもし……、母さん?どうしたん?こんな時間に?」

 

「うん、悟。ごめんね。朝早く、仕事前に……。


実はね……。

 

朝起きたら、お父さんが死んでたの……」

 

「エーッ!……」

 

 

 

「そうかな…、なんとなく、そうだろう…」と
ある程度、予想はしていたものの、


その事実を母親の口から直接伝えられると、
やはり動揺は隠せない。

 

 

「朝起きたら、死んでたって……、どういうこと?」

 

 

 

 

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母親が電話の向こうで、淡々と話し始めた。

 

 

「ウン、私もビックリしたんだけど…。


今朝、いつも通り、普通に起きて、
お父さんを起こしにいったら、

なんだか様子がおかしくて…。

 

お父さん、お父さん…って、
呼びかけても、何の返事もなくてね…。

 

急いで救急車を呼んだら、すぐに来てくれてね。


それで救急隊員の人が、いろいろ診てくれたんだけど、


「もう、ご臨終されています」って…。

 

 

 

 

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それから今度は検死検査が必要だとか言われて、
警察の人が来てね。

 

今も、いろいろ調べてもらっているところ。


アッ、ちょっと待って……」。

 

 

受話器の向こう側で、
母親と警察官とおぼしき人とが、
何やらやりとりをしている声が聞こえてくる。

 

どうやら、検死が終わって警察官の人たちは帰る様子だ。

 


そんな声を遠くで聞きながら、
これからどうしたものか…と僕は考えていた。

 

 

 

 

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父親が急に亡くなったことは、どうやら間違いないようだ。


ただ、電話の声を聴く限り、母親も取り乱したり、
動転している様子はなさそうだ。

 


元々、常に淡々としており、何事が起きても
「あら、まぁ…」と平然に受け止められる人なので、
その点は、あまり心配しなくてもいいだろう…。

 

実の父親が急死したのだから、
普通は会社を休ませてもらうことになるだろうが、
今日は午前中に、大事なプレゼンの予定が入っている。

 

 

さて、どうしたものか…。

 

 

 

 

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このプロジェクトは僕が中心となって進めてきたものだけに、
今日のプレゼンには、ぜひとも、出席したい…。

 

父親がもう、亡くなっているのが確実なら、
今さら慌てても仕方ないだろう…。

 

午前中の打ち合わせを終えてから新幹線に飛び乗れば、
遅くとも夕方までには実家に着けるだろうから、
それでいいか…。

 

 

そんなことを考えていると、母親が電話口に帰ってきて、

 


「そんなことだから、悟…。

 

あなた、悪いけど


すぐに帰ってきてくれる?」

 

 

 

 

 

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「うん…、わかった。できるだけ早く、帰るようにするよ。


でも今日は大事な仕事があって、それが終わってから
急いで帰るけど、夕方になるかもしれないよ…」

 

そう返事をしている僕の足元に、飼い猫がすり寄ってきた。

 

 

猫は僕を見上げて、

まるで「どうしたの?なんかあったの?」
とでも聞いているかのように、

 

首を傾けながら、
「ニャオ~」とひと声、鳴き声を上げる。

 

 

「お前のこともちゃんと考えないとな…」。

 


僕は心の中でつぶやいて、
今日一日の段取りを、頭の中で忙しく考え始めた。

 

 

 

 

 

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「わかったわ。でも、できるだけ早く帰って来てね。


お姉ちゃんにも連絡したので、すぐに来てくれるようだから、
ひと安心だけど…。

 

結局、男はあんたひとりだし…。


お葬式の段取りもあるしね…。

 

なんと言っても、あんたは長男なんだから…。


結構、頼りにしているのよ。

 

帰る時間がはっきりしたら、また連絡して頂戴…。


じゃあね…」

 

 

 

 

 

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エサをもらおうと、ねこなで声ですり寄って来た
飼い猫のブッダを見下ろしながら、

僕が「うん、わかった」と返事をすると、


母親はアッサリと電話を切った。

 

 

「結構…って、なんだよ。

結局、頼りない…って、ことじゃないかよ」と、

 

心の中で母親の言葉にツッコミを入れながら、

僕はブッダのエサの準備を始めた。

 

 

ちなみに飼い猫に、ブッダという名前を付けたのは、もちろん僕。

 

僕は別に仏教徒でもないし、ブッダを崇拝しているワケでもない。

 

猫にブッダなんて名前を付けていることを
本当の仏教徒が聞いたら、きっともの凄く、
怒られるかもしれない。

 

 

 

 

 

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ただ、この猫をペットショップで見かけたとき、
ヤツは僕の目をジッと見つめて、

 

「あなたはなんで生きているの?」と、
いきなり問いかけて来たのだ。

 

 

もちろん、猫がしゃべるワケはないし、
僕は猫と会話できるような特殊能力の持ち主でもないが、

 

そのときは、僕のアタマの中に、目の前にいる猫の声が
はっきりと聞こえたような気がして、

 

思わず立ち止まり、その猫の顔をマジマジと
見つめてしまった。

 

 

その出会いになんだか、運命的なものを感じて、
僕はその猫を連れて帰り、ブッタと名付けて飼い出して、

もう3年になる。

 

 

 

 

 

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ブッダは今でも時々、飼い主である僕のことを


「お前、まだそんなこと、言っているのか?」


「まだわかってないの?」

 

というような、悟りきった顔で眺めることがある。

 

 

僕のことを見下したような、そんな態度をとる
猫のことが可愛らしくもあり、憎らしくもあり、

 

僕とブッダは、飼い主と飼い猫の上下関係を時々、
ひっくり返したりして適当に遊んで暮らしている。

 

 

それにしても……。

 

 

(次回へ続く…♪)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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