3/1(水) 映画の日に『LA LA LAND』観てきました。
アカデミー賞授賞式直後の映画の日ということで、平日だけどお客さん多め。
観終わって、何故か哀しい気持ちに……。
こんなビターな結末とは思わなかった。
極彩色の衣装に目が眩んで油断してしまった。
ミュージカルってなにげに切ないストーリーが多いのを忘れてた。
ミュージカル映画ってことで、無意識にアクロバティックなダンスとか朗々と歌い上げる(暑苦しい)熱唱を期待してたんだと思う。
でも『ラ・ラ・ランド』は熱唱しない。
ちょっと頑張れば踊れそうなステップで踊ってくれる。
歌えなくて踊れない自分でさえもじっとしていられないような衝動は起きない。
『フェーム』や『シカゴ』や『レ・ミゼラブル』等々の、今までアカデミー賞を獲ってきたミュージカル映画に感じたカタルシスはない。
正直なところ、アカデミー賞に14もノミネートされるほどのもんなんだろうか?
例年になく政治色の濃いアカデミー賞授賞式の雰囲気緩和にちょうどよかっただけなんじゃなかろうか?と穿った見かたさえしてしまうのだった。
悪くはないんだけどね。
うん、けっこういいんだけどね。
軽くて薄味で、どっちかっていうとこっち(素人)寄りの、好意的にいえば身近なミュージカルだと思う。
一番の見どころはエマ・ストーンの顔。
潤んだ大きな瞳、睫毛の震え、頬の紅潮、唇のわななきから目が離せない。
この映画の魅力の大半は彼女のゴージャスな表情だ。
ラスト、再会した二人は猛スピードで回想する。
戻せない時間を戻して、怒涛の“人生やり直し”を見せつける。
こんなにも「あの時ああだったら、今とは違っていたのに……。」を、臆面もなくやってくれる映画は珍しい。
これが本当のストーリーだったら!ハッピーエンドだったら!と願う瞬間に現実に引き戻される。
映画の中でさえ時間は戻せない。
観終わった後の哀しい気持ちはこれだったんだな。
ハリウッド版タラレバ物語 『タラ・レバ・ランド』 。
『東京タラレバ娘』、面白いよね。ケレン味はこっちのほうが上だよー。