中国公船の領海侵入が大きく報道され、日中関係が緊張状態であるかのようですが、

泉川友樹さんの、記事「尖閣諸島をめぐる日中関係は「緊張していない」と断言」を読み、

実際には緊張状態ではないことを理解しました。

 

 

忘備録にまとめました。

 

尖閣諸島の海域における日中の漁業協定では、「相手国民に対して、当該水域では漁業に関する自国の関連法令を適用しない」となっている。 すなわち、
排他的経済水域(EEZ)では、

  • 中国の漁船も日本の漁船も、相手国の許可を得ずに操業することができます。  
  • 両国は、それぞれ自国の漁船を取り締まりますが、相手国の漁船・国民を取り締まりません。
つまり排他的経済水域(EEZ)での日中の漁船の操業は自由です。
逆に、尖閣の領海内では、日中の漁船の行動が問題です。
 

 
 

日中政府間では、尖閣諸島の領土問題について、互いの認識の違いを認め、領海内での不測の事態の発生を回避するとしているのです。  そのため、領海内では、今はお互いの考えの違いもあって静かにしているために、領海での行動は抑制されたものになっています。

 

「日中関係の改善に向けた話合い」の「4項目合意」において、「双方は,尖閣諸島等東シナ海の海域において近年緊張状態が生じていることについて異なる見解を有していると認識した。」

 

つまり、「日本は領土問題が存在しているとは認識していないが、中国が領土問題の存在を主張しているという認識を日本は持っている。」

 

 

「4項目合意」は、「対話と協議を通じて情勢の悪化を防ぐとともに危機管理メカニズムを構築し不測の事態の発生を回避することで意見の一致を見た」と続きます。

 

日本の民間の漁船が領海に入り、上陸すれば日中関係がグチャグチャになってしまう。  日本の民間の漁船が、変な行動をとらないように、尖閣の領海に日本の漁船が入って漁をしている間は、同じだけ中国公船も領海に入って見ているのです。

 

昨年以降の中国公船が長時間領海に滞在した日をメディアの報道と突き合わすと、その日は全部日本の漁船が領海に入っていました。
 

「中国公船が領海に入った時の時間、隻数を調べるとほとんど午前10時ごろから、1時間半~2時間、2隻から4隻で入るというのが定例化・儀礼化しています。  島を奪取するとか軍事作戦的なことではなく、日本の国有化宣言を認めたくないので、主権をPRしに来るということを4項目合意以降は同じ時間に、ほぼ決められた同じ隻数でやっている。  これは日本政府にしてみれば予測可能な動きなので、それほど脅威ではない。すぐさま安全保障上の脅威になるものではありません。」

 



 

 

冷戦時代、ソ連は独立した経済圏を持っていましたので、ソ連は西側諸国と協調する必要はありませんでした。  中国は社会主義と名乗っていますが、世界の資本主義経済に完全に組み込まれています。  中国はまだ貧しい国です。  世界と協調して経済発展を続ける必要があります。  

尖閣諸島や台湾に侵攻しても、中国にはメリットはありません。

「日中関係の改善に向けた話合い」の「4項目合意」に安心しました。

 

誰かが日中関係が緊張状態であると印象操作したいのでしょう。