当院の鍼灸患者さんの多くは成人女性ですが、中には小学生や中高生といった未成年の学生さんも治療に来られています。
その中の、最近の一症例をご紹介します。
患者:小学校高学年、男子
主訴:腹痛・下痢・虚弱体質
昨秋に酷い胃腸炎になり、その後下痢などの不調が続く。
学校での人間関係も症状に関連している。
病院では機能性胃腸炎と診断され、漢方薬(半夏瀉心湯)を処方されている。
治療)
首・肩・背中の強ばりが強く、足のむくみが顕著。
自律神経の過緊張を和らげ、湿症の改善を図る。
少ない本数の軽微な鍼、温灸。
抜鍼後、接触鍼で心地よい刺激・下腿部の軽擦。
ほんの5分ほどの刺激だが、ほぼ毎回寝てしまう。(かわいい)
1週間に1回、お母さんがベッドサイドに付き添っての治療。
経過)
初回治療後、下痢がピタッと止まった。(それから治療中の1ヵ月半、一度もなかった)
しかし腹痛・腹張は残存、特に週の後半や天気の悪い日に症状が出やすい。
同処置で治療を継続。
その後、週1回の治療を計8回、現状腹痛はなく体調も改善したので一旦治癒とした。
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若年者に限ったことではありませんが、病院で診てもらって検査では異常なし・でもしんどい、という状態でお困りの方は多いと思います。
その多くは自律神経の失調や、漠然とした言い方をすると「体質」に起因した症状です。
これらを鍼灸治療で調整し、心身の均衡を図ると、比較的長期にわたって「打つ手なし」であった症状が劇的に改善する場合があります。
特に若い方は、その回復のスピードが驚くほど速いです。
先日も、悶絶するほど酷い生理痛で悩む高校生が、数回の鍼灸治療で生理中も普通に生活できるまでに改善しています。(別件で治療中)
鍼灸に馴染みのないご家庭にとっては「鍼灸」のハードルは高いと思いますが、鍼灸は薬を使わない身体にやさしい治療法として、その特異的な治療効果が世界中で認められています。
特に学童期・思春期の若年者は、身体の成長にともなって自律神経のバランスを崩しやすく、また学校生活におけるストレスやスマホ・ゲームのし過ぎもその原因の一つと考えられます。
様々な形で現れる若年者のつらい症状に対して、鍼灸治療がその改善の一助となり得るケースは多くあると思います。
はやし鍼灸整骨院(大阪府枚方市くずは)