最後のありがとう | 大阪府枚方市 はやし鍼灸整骨院ブログ

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枚方市楠葉、大通りから少し入った所にたたずむ小さな治療院です。

4月半ばのこと。

朝一番、バタバタしている時に電話が鳴った。

 

「おはようございます、○○です。」

 

ゆっくりとした上品な喋り口は、80代後半の女性患者さん。

かれこれ5年ほどの付き合いになる。

 

「先生、予約してます来週の火曜日なんですけど、そちらに行かれしませんねん。」

 

「あぁそうですか、了解しました。」

「どうかされましたかねぇ?」

 

「実は、、、」

「、、、、、、」

「娘が急に亡くなりましてん、、、.。」

 

「えっ!?、、、、、、」

「、、、、、、」

 

私は口が上手くない。

こういう場面では言葉の選択がスムーズにいかず、黙ってしまうことが多い。

 

その後、何とか言葉を絞り出し、二、三言葉を交わしてその日は電話を切った。

 

 

つい先日も

「娘のお下がりの服ですねん。」

と嬉しそうな表情で話されていたことを思い出す。

 

一人暮らしの母を気遣って、何かと世話を焼いてくれていたようだ。

 

娘さんが数年前にご病気をされたという話は伺っていたが、病状がおもわしくない、ということはどうやら聞かされていなかったらしい。

 

突然のことに、ショックでお力を落とされるかもしれないと思うと、少し心配になった。

 

*****

 

そして先日、少し落ち着かれたのか、一見いつもと変わらないご様子で来院された。

 

元より細身の方だが、気のせいか一回り小さくなられたように感じる。

 

「お疲れ出てはりませんかねぇ?」

 

そんな会話でご様子を探りながらベッドに誘導した。

 

 

そしてベッドでうつ伏せになられた背中越しに

「先生、、、」

とお話を始められた。

 

「先生、、、」

「娘から花が来ましてん、、、。」

「びっくりしましたわ。」

 

娘さんにはお子さんがおらず、娘婿さんに電話でお花のことを確認したところ、「私ではないですよ」とおっしゃったらしい。

 

「そうですか、、、」

「○○さん、母の日に最後のありがとうやったんとちゃいますか。」

 

「、、、、、、」

「そうですかな、、、。」

 

小さな声でポツリと話されたそのお声は、小刻みに震えているのがはっきりと分かった。

 

 

『○○さん、色々ありますけど、まだまだお元気で長生きしてくださいね。』

そんな気持ちを込めて、今朝も腎兪に灸をすえた。

 

 

 

はやし鍼灸整骨院(大阪府枚方市くずは)

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