おはようございます。
みなさん、いかがお太りでしょうか。
僕は今が人生でいちばん体重が重くなってます。
理由は最後まで読めばわかります。
そして、体重の最高記録は毎日更新し続けています。
昨日(4/8)は、館林駅を降りると
緊急事態宣言が出された翌朝とは思えないほど、乗降者がたくさんいました。
群馬県は対象外地域だからなのか、まちの日常は全く変わりがありませんでした。
(なんなら高校生がいつもより多かったくらい)
もともと、地方では人口密度が低く「ソーシャルディスタンス」が自然とあります。
それとはまた別に、近所をウォーキングすると、
心や感情の距離感「エモーションディスタンス?」はガッチリ近くて
まちの人と情報チェンジしたり、野菜とお土産物を物々チェンジするといった日常があるので、
ここが地方の良さなんだなって改めて思います。
(あれ、ちょっと英単語並べたらルー大柴っぽくなったぞ!)
さて、本題です。
記者さんや他の自治体職員さんから
「まちメシプロジェクトはどういう仕組みなの?」といった問い合わせをいただいています。
そして、NHKさんに取り上げていただいたことで、(しかも結構長めの尺でビックリ)
さらにお問い合わせがあるかもしれないと想定して、
何度も同じ説明をするのも時間が惜しいので、仕組みと状況をまとめておきますので、何かの参考になればと思います。
2020年4月8日18時45分〜(初回)
NHK放送分 まちメシプロジェクト
(群馬放送→首都圏放送→全国放送→首都圏放送)
1ヶ月程度の期間で4回放送してくださいました。
【まちメシとは】
新型コロナウイルスの影響で宴会のキャンセルや客足が遠のいた飲食店をデリバリーやテイクアウトで応援する取組みです。
お客様を待つ「お店」と美味しいものを待つ「お客」をマッチングする、まちぐるみのプロジェクトです。
3月10日に情報収集をスタートさせ、3月16日にはスタートをしました。
【誰が飲食店を応援するのか】
まずは、経済的に影響が少ない方(つまり、公務員や議員さんなど)から素早く飲食店の応援がスタートできるということ、そして、最終的には“まちぐるみ”で応援する風土と仕組みを広げていくという考えで流れを作っています。
(※そもそも、公務員や議員さんは地域を守り、育てることが役目なので)
そして、ただ食べるだけでなく、これを機会にもっと地域の人が自分の地域を育てる視点を持ってもらうチャンスだともとらえています。
【情報の収集】
デリバリーやテイクアウトの飲食店情報を持っている人は、圧倒的少数であるため、その情報を素早く収集して拡散を狙いました。
⇨まずはFacebookでデリバリーやテイクアウトの情報提供を広く投げかけました。
(ここで思った以上にシェアされ、みんな助け合いの方法を探していたのだと気付く)
飲食店からの情報だけでなく、日頃、飲食店に行かれている、まちの人からも情報が集まってくる仕組みです。
Facebookでの呼びかけはこんな感じ。
【小さくはじめて大きく放つ】
最初は個人的な活動として、応援と情報収集のために飲食店をグルグルしま食った結果、財布と胃袋に限界を感じてきました。
それなら、単純に胃袋と財布をデカくすればいい話で、先がけて行政が飲食店のデリバリーやテイクアウトを利用することによって、一気に飲食店を助けるための流れが作っていけるのではないかと考えました。
加えて、今までデリバリーやテイクアウトをやっていなかったお店については、お店側の注文体制を作る時間と必ず注文が来るという確実性を持たせた設計をしています。結果、今までデリバリーやテイクアウトをやっていなかった飲食店も変化したほうがいいという動きが生まれました。
(※しかし、ここには問題があって市役所の庁舎管理規則で金銭授受が禁止されていて、デリバリーが許されていなかった。そこを市長が暫定的に許可したことで実現できた)
まずは試験的に市役所でデリバリーを始めて、飲食店側が慣れてきたと思われるタイミングで、市内事業所や県の出先機関、金融機関などにメニュー表を行き渡たせ、広域での注文がスタートしました。
■次々に胃袋と財布を大きくしていった流れ(小さくはじめて大きく放つ)
胃袋と財布の大きさです!
1.最初は個人的な活動(1人)
2.市役所からの注文最大値(500人オーバー)
3.市内事業所、消防署、県の出先機関、金融機関、学校の先生などから注文最大値(3,000人オーバー?)
4.市民や周辺地域の人の助け合う想い(最大の元気玉の完成)
こんな感じに広がっていきました。
ちなみに、まちメシのメニューはお店の規模にもよりますが原則、一品に絞っています。
お店側として注文が5種類とかのオーダーが入ると、調理時間がかかると想定しています。
一品にしておけば、同じものを20個とか30個を作くるのは効率が良くなり、別のところへの配達ができるかもしれないし、コストやロスも下げられるのではと考えています。
また、面倒なおつりが出ないように100円単位での価格設定をお願いしています。
(テイクアウトはお店で払うからまあいいですが、デリバリー先でゴソゴソとおつりのやりとりをするのもなーと、何より密接時間が減ります。)
慣れてくれば、多種多様なメニューを考えてもらえると継続もすると思います。
【役所内部の状況】
曜日とお店を各セクションごとで割り当てをして、あるお店だけに注文が偏ることのないように、バランスよく注文ができる体制が作られました。
この割り振りは、幹部等の管理職の方々が「注文しなさい」とやってしまうように見えなくもないので、上からの押し付けになる危険性がありました。
なので、どちらかというと、僕のような下々の職員から「助け合い」や「困ったときはお互いさま」の共感をもって、職員に周知できたらいいなと思っていたのですが、スピード重視でそうともいかず、一気に割り当てが進みました。
今のところ、押し付け感はない様子で、お昼になると「同じ釜の飯を食う仲間」のような部活の合宿感覚が甦ったのか、または「これまで不可能だった庁舎内デリバリー」が許された開放感からなのか、職員間でワイワイする姿が見られています。
(職員のESも上がってんじゃん!!)
【情報の発信】
とにかくスピードを重視して、最初はFacebookによって情報発信を行なっています。それに加えて、若い人を巻き込むためにも、Instagramを使ってとにかくメニューの「シズル感」が伝わるように設計しました。
また、匿名者(SNSをやっていると知られたくない人)や、そもそもSNSをやっていない人でも見れるように、無料で作れる簡単なウエブサイトを半日で立ち上げています。ここもレイアウトなど、作り込むことはせずに、スピードを重視しています。
これらを揃えたところで、Facebookの情報発信などを読まれた、新聞記者の方や報道機関の方から取材依頼があり、まちのお店の状況を取り上げてくださいました。
(たぶん、いきなり市民全体を狙った方法であれば、ここまでの取材はこなかった。小さくはじめたことがインパクトにつながったのかも?)
まちメシの仕組みも発信してくださったので、広範囲で、しかも各世代に情報を届けることができたのです。
ちなみにスタートから今まで、予算は一銭も使っていません。てか、予算なんてありません。
唯一、お金を使ったのは個人の飲食代だけで、美味しいご飯も食べられて、飲食店さんも応援できて、一石二鳥で誰も不幸になっていません。
(あとは優しい上司がたくさんごちそうしてくれます笑)
■情報発信のメインユーザー
- Facebook ⇨ 30〜50代(リーチの分析から)
- Instagram ⇨20〜40代(若い世代にシズル感を伝え、口コミを狙う)
- ウエブサイト⇨匿名とSNSのない人(今はここをメインに編集)
- 新聞とTV ⇨40代〜高齢者(情報拡散を下支えしてもらえた)
(※いくらフォロワー数が多いからといって、注文があるとは限りません。フォロワー数=注文数ではないので、この情報発信に加えて、まち全体の消費行動を変えるための発信が必要なのです。最後の【地域の経済循環】に書いてます。なので、フォロワー数の獲得だけに走るのはやめた方がいいです。)
もうお気づきかと思いますが、
これまで何も難しいことはなく、ただ単純にひたすら情報を集めて発信して、自分たちでメシを食って、それをさらに広げたという、誰でもできる“なんてことのない取り組み”なんですね。
重要なことを言います。
刻々と変わっていく状況に対して、素早く対応策を考え、変化をして、行動に移していくこと。
当たり前だけど、これが大切なんだと思います。
どこの役所も「対応が遅い」と言われますけど、それは組織で動くから遅いのであって、組織というシステムが悪いからなのです。
人(職員個人)は何も悪くなく、個々の動きはとても早く、変化することができます。
したがって、このまちメシプロジェクトは個人で反応した【スピード感】と反応を見逃さずに組織が変化【ダメだった管理規則を暫定許可】したことがキーになっていて、結果、たくさんの人を助ける選択肢が生み出されたわけです。
『最も強い者が生き残るのではなく、最も賢い者が生き延びるのでもない。唯一生き残ることが出来るのは、変化できる者である。』
進化論を唱えたダーウィンのありがたい言葉をおいていきます。
最後に・・・
【地域の経済循環】
地域でお金を落とすことの意味を発信し、まちの人や飲食店の方にもお伝えしていきたいです。
(エビデンスとして論文を載せます。)
簡単にいうとお金は、
「地元にあるお店で消費すると42〜52%」地元に落ちて、
「市外に本社があるチェーン店で消費すると20%」地元に落ちます。
個人の消費行動によって、まちの経済を循環させることもできるし、縮小させる要因にもなるということです。
地域経済が縮小することになれば、行政の税収減につながり、住民サービスの維持は困難、すなわち衰退を加速させることにもなるわけです。
地元のお店で消費すれば、お金も落ちるし、店主とのコミュニケーションも生まれるし、心もお金も状況も豊かな生活がおくれます。
もちろん、チェーン店は安くて早いなどのメリットもあります。いいお店もたくさんあります。
しかし、こんな時だからこそ、(チェーン店と比べて)ちょっと割高であっても、時間がかかっても、選択するのは地元のお店であってほしいものです。
(※チェーン店と比べて、地元のお店は資本力が強くないから尚更)
子どもたちが大きくなって、「ここに素敵なお店があったんだよね」と思い出話にしますか?
それとも
子どもたちが大きくなって、その素敵なお店で乾杯をして、新しい思い出を作りますか?
さて、どちらにしましょうか。
リンクを貼っておきます。
【まちメシプロジェクト ウェブサイト】
(SNSをやっていない方や匿名の方向けに)
【まちメシ Instagram】
(市内のデリバリーorテイクアウト情報掲載)
【まちメシプロジェクト Facebook】
【まちメシ 市公式ホームページ】
(飲食店用の申込み専用フォームはこちら)
あ、そうそう、冒頭に書いた、体重が人生で最大になっている理由は、もうお気づきだと思いますが、まちの美味しいご飯を食べまくっているからですw
では、また!