本日の練習会は沼周回800メートルインターバル。速いのは久しぶり。
今日はお速い方か奥さまたちの両極端。わたくしのレベルのメンバーは誰もおらず、しかしちっと速いのはやっておきたい。一人で頑張るしかないかな。800ってどれくらいで走ればいいんすか。わからん。
しばし考えていたところ、義足のMちゃんが走るという。
この子、足はなにですけれども、チャレンジの時の沼周回が同じくらいのタイムだったので一緒に頑張れるかもね。
では、行きますよ。
後ろから走るMちゃんを意識しながら走りました。沼のコースは一応ランニング用になっているけれども、木の根っこで膨らんでいたり、多少のでこぼこがあるのでね。引っかからないように。
1周目3:36。
こんな感じで大丈夫?
レスト90秒。
2周目 3:33。
普通についてこられるので、Mちゃんあのですね、あたしに気を使わず、遅かったら行っちゃって良いからね。
3周目 3:38。
まだ大丈夫?
「大丈夫ですが、ここで終わります」とMちゃん。
そうよね。
あのね、
あたしにはよくわからないけれども、あともう1周できるかなと思うところで止めておいたほうが良いから。
まだ多分トレーニングは始めたばかりだと思うし、義足との接触部分の感じもあたしにはわからない。痛いかもしれない。
まるで違うけれど、むかし、あとラストもう1回と思って滑ったスキーで転んで十字靭帯断裂のピナコラです。なんとなくその辺りの危うさはわかる。もう1回できるという時がやめどき。
そうしたらMちゃんが言うのです。
「引っ張っていただいてありがとうございます」。
って、?
あの~、それ真面目に言ってんの?誠にもってお恥ずかしい。このあたしが?誰かを?引っ張るなんてことは初めて。後にも先にもありません。
その後、旅行で行ったというハワイ島の話などをしながら二人でジョグ。ハワイ島のことならなんでも聞いて良いよ。
この人とはちょっとだいぶちがうもしれないけれども大丈夫。
きっとレースに出られるるよ。
途中、ゆるジョグ中のH先生に遭遇。
インターバル中に追い抜いたのでね、多分Mちゃんのことを知りたかろうと思って、イントロヂュースしておきました。
「Hセンセ、こちらがMさんです」。
「Mさん、こちらは沼のレジェンドH先生。箱根10区。あ、10区2位」。
3人でおしゃべりしながら走る。
本物同士のお話は二人にお任せして。
やっぱり義足だと色々大変ですね。
義足のレベルと自分の足のレベルがちゃんと合うようにならないとバランスが取れないだろうし。
するとH先生が聞きました。
「失礼だけど、その足はいつから?」
かなり若い頃の事故だということだった。
「前はこうなってからも夢の中ではちゃんと自分の足だったんですけれど、ええ、いつの頃からか夢を見てもこの足の自分になりました」。
わたくしもまあ、人生の機微はわかるくらいの紆余曲折はあったけれども、幸運にも生きるか死ぬかの大きな曲がり角はなかった。
あたしには計り知れないけれど、この人はどこかの時点で辛い時期を乗り越えて今ここでこうやって走ってんのね。
Mちゃんはきっと再び速く走れるようになるでしょう。少しずつ頑張れば秋にはどこかのレースに出られるかも。同じレベルで走れるのもそんなに長くはないと思うけれど、以前の感覚が戻ってくるようにサポートしようと強く思った今日の練習会。
オマケ。
ウエアかぶりの双子コーデ。
この方も大病を克服されて。