6秒間の軌跡~花火師望月星太郎の二番目の憂鬱 | やまとうた響く

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日々の出来事や想いを綴っています。エッセイ風に書けたら素敵なんだけれど。

季節のない街と同じくらいの時期に最終話を迎えたお気に入りのドラマがもうひとつある。昨年放送された6秒間の軌跡、と言う高橋一生さん演じる 花火職人のドラマのパート2になる。続々最終回を迎えるのが寂しい限りだ。

今回も高橋一生さん演じる星太郎の揺れながら迷いながらも成長していく姿が描かれている。 今回も寄り添うのが亡くなって幽霊になって姿を見せる父親(橋爪功さん)、住み込み従業員の水森さん(本田翼さん)、彼女は幽霊が見える人間だ。この三人のやり取りが自然でとてもいい。


画像はお借りしました



昨年放送された時にも記事を書いている。前回の最終回では自分の気持に突き動かされ、誰のためでもなくただ自分と花火のために花火を打ち上げた。


誰にも気づいてもらえないような自分にしかわからないようなちょっとの違いでもとことん死ぬまで極めて極め続ける、と先を見据えた星太郎だった。ドラマ舟を編む、と同じものを感じた。


結果見る人の心を震わせる花火を打ち上げた最終回だった。そして私も感化され進化してゆきたいと願ったのだった。


そして前回のドラマは最終回を迎えたけれど、星太郎の人生も私の人生も終わることなく続いていく。そして今回のパート2 だった。


人の人生はハッピーなことがあってもエンドではなくさらにその先があり、目の前には更なる人生の壁と言う物も現れてくる。その壁とは自分の外から立ちはだかる場合もあるけれど、自分自身が作ってしまう壁もある。


ドラマの前半では自分自身が作ってしまった新たな壁が描かれてた。主人公星太郎の性格がどことなく私と似ている面があり、今回もまた自分で作り上げた壁に翻弄される星太郎に感情移入しながら見入ったのだった。


この星太郎、そして私もまだ起こってもいないことをあれこれ考えては不安になってしまうと言う所があり、星太郎は暫く出てこなかった幽霊の父親がまた現れるようになったり、深い穴に落ちる夢を何度もみたり、苦手な猫がちょくちょく現れてくるようになったりで、何かよくないことが起こる前触れではないかと不安を募らせ、備蓄を山の様に貯め込んだり(私はそこまではしてはいない)、幽霊の父親は自分に何かよくない未来を伝えようとして現れたのではないのか!?、などなどすべてよくない方へと勘ぐって不安で落ち着かない。父親は息子に会いに来るのに理由なんてあるか!と言うも信じられず落ち着かない。


そんな星太郎に幽霊の父親が渇を入れる。観ている私も渇を入れられる。以下はその台詞。自分のためにも書いてみた。


 花火って上げてみないとわからないんですよ。どんなにきれいに火薬を詰めてもまん丸に並べても綺麗に上がるとは限らない。どんなに自分の思いや技術を込めても思うように上がらないんですよ。思うようにならないって分かったところで全力でやってんですよ! 

星太郎、そう言ってたよな!?コントロールできないものはコントロールしようとしない。できることは全力ですべてやる。ずーっとそうやってやってきたんだろ!?今のお前はどうなの!?


コントロールできない未来の不安になんて振り回されてよ、花火作ってるけど作ってねぇよな!玉に何も込めちゃいないもの。そんな花火上げられるのか、お客さんに!?花火師失格だ!そう言い切られてぐうの音もでない星太郎だった。





そして私も。私は花火は作りも上げもしないけれど、なんでも先々に思いを巡らせては心配したり不安になったりする性分で、その間は目の前のことに何も集中できず上の空で、この歳になるまで自分の人生とちゃんと向き合えていなかったんじゃないのか!?とかなり自分の人生もったいないことをしてきたかもしれないと、自分に謝りたくなった。今回も自分と重ねては教えられることが多いドラマだった。


後半もまだ書き留めておきたいので次に続く。