神対応 | やまとうた響く

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脊髄性筋萎縮症Ⅰ型の孫息子とその妹孫娘を見つめる本好きばーばのよもやま話

職場の知的障害者の施設ことを記事に書くときに最近いつも登場するのが、20歳になる大柄な利用者だけれど、いつものことながら自分の思うようにならないと、人に手を出したり暴れたり。

先日も思うようにして欲しくて職員に、なぁなぁ、○○して、なんでダメなん?といくらダメな理由を伝えても聞く耳はなし。しつこくしつこく付きまとい、挙げ句叩こうとするので、人手も少ないし、施設長に助けを求めた。

40歳半ばの男性施設長は、日頃からほんとに腰の低い優しい人で、パキパキ事を進めたりすることは苦手で、いい人だけれど、ちょっと頼りないな、と言うのが皆の印象だ。今だに一度も結婚したことのない独身、と言うのもわからなくはない。

そんな施設長なので、大丈夫かな、と言う不安もありはするけれど、一応男性だし、手を出されてもなんとかなるだろう、と他の部所の男性職員もみんな忙しいしで、施設長がやって来た。

最初は、ねぇ、なんでだめなん?ばかりを繰り返していた利用者だけれど、施設長が寄り添い、それは、○○だからで、みんなAちゃん(20歳の利用者)のことを考えて、Aちゃんのためにそう言ってるんだよ、Aちゃんのこと嫌いだからしてくれないんじゃないんだよ、とこんこんと話す。

それでも、私は○○したい!もう帰りたい!を繰り返す利用者の声にも耳を傾け、どうしてAちゃんは、○○したかったの?そして、うんうん、そうか、Aちゃんはそう思ってたんだなぁ、よくわかった。でもそれでもAちゃんのためを思うと、Aちゃんの体も心配だから、みんなAちゃんに何かあったら悲しいからね。だからAちゃんもちょっとがまんできないかな。


こんな話を延々と一時間以上。聞くとはなしに耳に入る施設長の話に私を含む何人かの職員は胸を打たれて少しうるっとなる。これこそ神対応じゃなかろうか!?

こうして少しずつ落ち着いた利用者は、頑張ってがまんしてみる、と部屋に入って行った。施設長もしばらくはいたけれど、もしまた何かあったらいつでも呼んで!と去って行った。荒れた空気に爽やかな風を残して。

どうしてこの人に嫁が来ないのかねぇ、などと思いつつ、職員同士も、すごい神対応!感動したぁ、とは言うのだけれど、でも無理よね!となる。

私も簡単に無理!とは言いたくないけれど、それでも30人以上の利用者に、18人程度の職員。それも休みや夜勤その他の勤務で実際に日勤でいるのは8人くらい。その人数で職員一人がつきっきりで話を聞いてなだめるのはやっぱり無理がある。

仮に職員がそんなことをしていたら、落ち着いていた他の利用者が、Aちゃんにばかりかまって優しくして!と気持ちがざわついてくる。

実際Aちゃんは、知的障害というか、発達障害に近い人で、最近入所して来る人は発達障害の人が増えてきた。

何でも一緒くたにして、知的障害と発達障害の利用者を同じ施設で支援するのがだいたい無理なんだけれど、発達障害の人の行き場がないので仕方ない。

まぁ、そんなことを言っていても始まらないし、今の現状に対処しなくてはいけないから、見習える所は極力見習っていくかな、という所だ。

それでも施設長、みんなちょっと見直した。なかなか同じにはできないけれど、トップの利用者への態度は下で働く職員に大いに影響する。やはりトップは大事だ。また暴れたらよろしく!

そんなことがあったある朝、私が出勤すると、にこやかにAちゃんがやって来て、おはよう○○さん。今日はな、私Bちゃん(別の利用者)のこと押したりしてないんで、すごかろう、えらい?と話かけてきた。

Bさんは高齢の細くか弱い利用者で、何もしないのに歩いているだけで、Aちゃんに押されて転ばされること数回。気をつけてはいるのだけれど。

いつもなら、そんなこと当たり前だろうがぁっ😡と口からでかけるのをぐっと飲み込み、そうなんじゃ〜やればできるじゃん、すごい!えらい!この調子で今日も一日頼むよ〜😅

うん!と機嫌よくAちゃんは去った。私の精一杯の神対応!?すごい?えらい?



Aちゃんの部屋のドア。わかりにくいけれど、何度も蹴りまくり、ずれて途中でビクとも動かない。修理は3度目。いつ修理に来る?としつこい。うるさいっ!神対応は何処へ。