みなさん、こんにちは。お久しぶりです、無希です。

随分日を空けてしまいました、申し訳ありません。もしも、続きを楽しみにしてくださっていた方がいらっしゃったら、尚更。

では、久しぶりに続きを書いていこうと思います。

前回と同じく、ネタバレのオンパレードとなっていますので、ネタバレが無理という方は、全速力で逃げてください。

 

私が好きな逆転裁判キャラクター10選

 

No.2:夕神迅(ゆうがみ・じん)

2人目に紹介するのは、逆転裁判5に登場したライバルキャラクター、夕神です。

検事でありながら、殺人罪で投獄されている、謎多き男。

法曹界に不信をばら撒いた張本人として、「法曹界の歪み、ユガミ検事」と呼ばれています。

なぜ、彼が殺人罪に問われることとなったのか。そこには、優しい嘘がありました。

現在は、見るからに危険な雰囲気を醸し出している夕神。ですが、元からこうだったわけではありません。

夕神が変わってしまった理由―それは、大切な人を守るためです。

夕神は、心理学の勉強をしていました。

人の感情―証拠品だけでない新しい可能性を法廷に持ち込み、法曹界に新しい風を吹かせようと考えていたからです。

そんな夕神に心理学を教えていたのが、真理(まり)です。

夕神にはかぐやという姉がおり、真理は、かぐやと親友でした。

真理は心理学だけでなく、宇宙開発などにも携わっており、宇宙について学んでいるかぐやと関わることが多かったのです。

心理学について学ぶために真理のもとに通ううちに、夕神には、友だちができました。

友だちの名前は、心音(ここね)。真理の一人娘です。

心音には他人の感情を読み取る能力があり、そのせいで、他人と打ち解けるのが酷く苦手な様子でした。

しかし、そんな心音も夕神には懐いており、二人は時折一緒に遊ぶこともありました。が、このときにはもう、夕神と心音の心を深く閉ざしてしまうどす黒い闇が、にじり寄っていたのです。

ある日のことでした。

この日はなぜか、心音の姿が見当たらず、夕神は心配していました。

ほどなくして心音は見つかりましたが、心音の身体は血まみれで、部屋の中も血で染まっていました。

部屋の中には、機械の修理を行うための作業台があり、その上にはなんと・・・

機械に身体を弄られて、内臓が抉られた真理の死体があったのです。

心音が血塗れだったのは、真理の返り血を浴びたからでした。

心音はしばらく呆然と立ち尽くしていましたが、やがて、狼狽する夕神の方へ振り向き、無邪気な笑顔でこう言ったのです。

「おかあさんが、おかしくなっちゃったの。だから・・・修理しないと」

その姿を見た夕神は、心音が真理を殺したのだと思いました。

当時の心音は耳にヘッドホンをしていたのですが、心音はそのヘッドホンのことを、快く思っていませんでした。

しかし真理がつくったそれは、特殊な電磁波を流すことで心音の能力を最小限にまで抑えることができるもので、心音が日常生活を送ることができるようにと、真理が娘のことを想ってつくったものでした。

そのためのものだったのですが、心音はそれに気づいておらず、「自分は、母親がつくった製品を試すための実験体だ」と思い込んでいたのです。

そのストレスが爆発して、真理を殺してしまったのではないか。夕神は、そう思いました。

しかしそうなれば、心音は重い罪に問われることになります。

夕神は、心音にそんな重荷を負わせたくはありませんでした。

だから、自分が罪を被ったのです。

自分自身が事件の真犯人となれば、心音に疑いが向かなくなる。

これこそが、夕神のついた、優しい嘘でした。

しかし、事件はこれだけでは終わりませんでした。

それは、夕神の処刑執行日が、明日に迫っていたときに起こりました。

なんとかぐやが、たくさんの人たちを人質にとり、夕神の裁判の再審を要求してきたのです。

姉であるかぐやはずっと、弟の無実を信じていました。

このまま放っておけば、明日夕神は死んでしまいます。そんなことは絶対に、させるわけにはいかなかったのです。

そうして再び、あの事件についての審理が行われようとしていました。

証人として召喚されたのは、被告人である夕神自身です。

弁護士は、いくつもの困難な裁判を勝ち抜けてきた、成歩堂。彼と―

今までずっと夕神の無実を信じ、無実を証明するために弁護士となった心音です。

現在心音は別の事件での被告人となっていましたが、特別に、弁護席に立つことを許可されたのです。

心音の能力によって、証言と感情のムジュンを見つけられた夕神。

しかし夕神は新たな嘘をつき、ムジュンを消し去ってしまいます。

師匠である真理は死に、姉であるかぐやは、自分のために変わってしまった・・・。

今の夕神にとっては、心音にあの事件から遠ざかってもらうことこそが、最大の救いだったのです。

けれども心音は、どんな真実であっても受け止める覚悟で、法廷に立っていました。

どれだけ夕神が嘘で塗り固めても、心音は決して諦めませんでした。

そしてついに、夕神の無実は証明されることとなったのです。

しかし、夕神の無実が晴らされ、容疑者として浮上したのは、心音でした。

その真実に、一時は心を閉ざして塞ぎ込んでしまう心音。ですが、成歩堂の全力のサポートと弁護により、心音も犯人ではないということが証明されたのです。

真理を殺し、二人を暗く冷たい闇の中に閉じ込めた犯人はなんと、夕神の担当刑事でした。

夕神は検事席から心音のサポートをしていて、自分の嘘から始まった暗黒が、今晴らされようとしていると気がつきました。

最後は、すれ違っていた親子の中にあった、確かな絆を証明する証拠品が決め手となり、全ての真実は白日のもとに露わになりました。

あのころに変わってしまった偏屈な性格は直らないままの夕神でしたが、再び心音と心の底から笑い合える日を、迎えることができました。

これは余談ですが、夕神は、逆転裁判6にも登場します。

6では証人として召喚されたのち、なんと、弁護席で心音をサポートすることになります。

対峙する検事に酷い言葉で責めたてられる心音を、厳しくも優しく支える夕神の姿が、そこにはありました。