麗しき花実

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実家から帰ってきております!

ようやく「細雪学園秋の読書会」に参加できますよー!

大遅刻アセアセ

 

 

私は乙川優三郎の「麗しき花実」でエントリーです。(細雪さんにお教えいただいた本ウインク

 

本の内容紹介から引用しますね。

原羊遊斎、酒井抱一、鈴木其一など、実在の人物の間に虚構の女性主人公を泳がせ、女性の眼から見た蒔絵職人の世界や出会った人々、やるせない恋心などを描く。『朝日新聞』連載を単行本化。

 

題名にある花実には外観と実質という意味もあり、江戸工芸の素晴らしさと内実を掘り下げながら、美とともに自立して生きようとする女性を描いたつもりである。

理野のような女性が堂々と生きてゆける世の中であってほしいという願いもあった。

蒔絵に限らず、人の手が作り出す美しいものには優しさと生命力があると思う。

多難な時代だからこそ、進歩すなわち豊かさという幻想は捨てて、何が人を本当に豊かにするのかを探らなければならない。 乙川優三郎 (「連載小説『麗しき花実』終えて 朝日新聞2009年9月15日朝刊より」)

 

 

感想としては、「あと半年早く出会いたかった-!チュー

この本を読んでいれば、上半期に三井記念美術館で開催されていた「没後200年 特別展大名茶人・松平不昧」や山種美術館の「琳派」が、何倍も楽しめたと思う!

 

私、恥ずかしながら、絵画に比べると工芸品は熱意を持って鑑賞できずにいたのですが、読後は、心理的な距離が少し縮まった気がします。

展示されている道具類、その完成された美に至るまでの職人の試行錯誤を垣間見ることが出来、いかに素晴らしい技術が駆使されているのかということに、この本を読んで思い至ることが出来ました。

また、小説の中に登場する棗や櫛等の写真が幾つか巻頭に載せられていることも、作品をイメージしやすく、小説の世界に浸る助けとなりました。

抱一や其一の代表作も、作中描かれているので、なんというか、ニヤリとしますよ。照れ

 

 

さて、コーデは小説の主人公を意識してみました。

第三章「根岸紅」より文章を引用~。

 

向島の見える河畔に佇みながら、彼女はずっと考えてきたことを口にした。

いつか祐吉さんにとって完璧な蒔絵ができたとして心の底から喜べるでしょうか、と男の胸に針刺すことであった。

祐吉は無視して、そういうあなたこそどんな仕事をするつもりかと訊ねた。

「棗に女の激情を蒔いてみます、硯箱には尊敬と感謝をこめて永遠の祝福を、それから祐吉さんの嫌いな怒りや哀しみや愚かな情も蒔くでしょう」

 

 

「あなたらしい棗だ」
しばらくして其一が言った。
「甲に女の人がいる」
「そうです」
「これを使う茶人は小座敷で心の揺れと闘うことになる、怪しいときめきを感じないわけにはゆかないし、情炎とでもいうのか暗い喜びがある」
「そうです、そうです」
理野はなぜ目が潤むのか分からなかった。其一の言葉がいちいち身を刺すのであった。破格な表現の山茶花は生きやかに彼の手の中で燃え立っていた。紅い情念が黒い理性を揺るがしている。男の上気した顔がそう言っていた。胡蝶のいう「分かる人」が目の前にいるのであった。

 

 

山茶花の季節で始まり、山茶花の季節で終わる、小説にちなんだ帯。

甘さ控えめの小紋と、恋心の赤い帯締め。

帯揚げは、黒地に赤い絞り。

 

池を眺めながら、あるときは中山胡民、あるときは鈴木其一と語り合うシーンが印象的だったので、池のある公園で撮影しました。

…三脚を駆使して………。

 

 

 

というわけで、ゲストに(?)坊ちゃん!

 

 

散策する人の絶えない昼下がりの公園で、ひとり三脚設置して自撮りする勇気が持てなくて…。

我が子とのツーショット撮影に勤しむ母というカモフラージュで、坊ちゃんにおつきあいいただきましたよ。笑い泣き

ごめんね、楽しかった!(笑)

 

 

細雪さん、素敵な企画をありがとうございました!