日経コンピュータ2018.08.30 | HATのブログ

HATのブログ

IT関係のニュースを中心に記事を掲載します。日経コンピュータで重要だと感じた記事とコメントを2010年9月1日号から書いています。
このブログは個人的なものです。ここで述べていることは私の個人的な意見に基づくものであり、私の雇用者には一切の関係はありません。


テーマ:

特集は<AIに10兆円、勝算は 検証 孫正義の目利き力>です。これは数年に1度と言ってよいほど良い特集でした。中田記者、浅川記者、玉置記者というトップ記者3人の力作です。孫さんが、近未来に何が起こると考えているのかを実際の取材を通じて明らかにしようという意図が明確でした。

孫正義さんは「孫の二乗の兵法」という独自の方法論で戦略を立てることで有名です。それの結果が今回の買収先なのでしょう。

【NTTついに、覚悟の海外IT再編 狙うは大物外国人と大型買収か】(P.06)
NTTのIT会社の統合についての続報。最終的にはNTTデータは残り、「国内事業」と「海外事業」の2社体制とするそうです。その大きな理由がNTT法とのこと。NTT持ち株会社は日本国籍を持たない外国人が取締役に就けないという制約を回避すること。そのために中間持ち株会社を作り企業統合するそうです。
官僚天下りのためのNTT法が見直せないので苦肉の策ってことなのでしょう。金融・交通・マスコミ・・・いつまで官僚大国が続くのでしょうか。

【降ってわいたサマータイム構築 IoTやバッチ処理に混乱必至】(P.07)
不思議な事に日経コンは反対しているのでしょうか?
<1台ごとにシステム時計を手作業で変更する手間が生じる>
→インフラ構築する時に時刻同期は当たり前の話。出来てないなら良い機会なので見直しましょう。
<「毎日午前2時に実行する処理」があれば異常をきたすのは明白だ>
→普通はジョブ管理ソフトが気付いて起動してくれます
この程度の「ゆれ」に耐えられない脆弱な社会なら見直す良い機会でしょう。

【2008を移すとAzure5割引き MS,AWSへの流出防ぐ新施策】(P.08)
「あの」Google がハイブリッドクラウドを出す世の中ですからシェア争いは大変な状況なのでしょう。Windows Server2008のサポート終了2020年1月までの1年半を切ったタイミングで面白いサービスを始めました。WindowsServer2008をMicrosoftAzureの仮想サーバで動かすと次の特典があります。
1.セキュリティ更新プログラムを2023年1月まで無償提供
2.Azureの利用料を最大55%割り引く

まっとうな基幹システムならLinuxかUnixに移っているでしょうが「お側システム」にはWindowsが残っている企業も多いでしょう。本来ならこれを機会にLinux化しクラウド化すべきだと思いますが、3年間のモラトリアムを与えただけです。これを我先に導入する企業の姿はみたくないです。

【ソニーが「ラズパイ」対抗ボード 工場の故障予知など新用途狙う】(P.10)
「Raspberry Pi(ラズベリーパイ)」や「Arduino(アルドゥイーノ)」など先行商品がある中にソニーが小型マイコンボード「SPRESENSE(スプレセンス)」を発売しました。ソニーと言えば映像技術ですので、2018年秋にはカメラモジュールを搭載する拡張ボードなどを発売するそうです。
希望小売価格が5500円(ただしAmazon9/1時点は6600円)ならそれほど見劣りしません。ソニーはIoTブロックMESHも出しています。会社自体が変わってきたように感じます。

【関電がアクセンチュアとIT会社 黒四の偉業、デジタルで再び】(P.12)
関西電力(80%)とアクセンチュア(20%)は新会社「K4 Digital」を設立しました。社内の業務部門から寄せられた課題をデジタル技術で解決していく会社だそうです。
社名の由来は「クロヨン・ダム」の成功をもう一度という事だそうです。関西電力にはいまだに1963年の黒四ダムしか成功体験がないのでしょうか。スタート時点から足枷をはめられたような会社名です。社員数は42人だそうです。IT子会社の関電システムソリューションズさんは1300人以上。何だか迷走しているように感じます。

【乱反射:売上高も営業利益も2桁増 IT大手16社の第2四半期】(P.13)
2018年度第2四半期の事業分野別売り上げが出ました。クラウドのTOP4だけ書きます。
売上高($百万)

   Microsoft:6,900 Amazon:6,105 Salesforce:2,810 IBM:2,775
増減率(%)   53.3%            48.9%                27.2%        26.1%

SalesforceがMicrosoftに抜かれたと書いたのは数年前でした。もうAmazonも抜きトップ確定という状況です。Salesforceは伸び率がIBMよりも上ですから当面3位は安定でしょう。

【2weeks from 日経XTECH8月6日(月)~20日(月)】(P.14)
8/7:カブドットコムがAWSを使いAPI基盤刷新、コスト半減見込む
→自社運用だった基幹を移行したそうです。
8/8:G Suite連携のデジタルホワイトボード、グーグルが国内発売へ
本体64万円。下手な絵を描き変えてくれる機能までついてます
8/10:ローソン銀行が銀行行免許取得、10月にサービス開始
→8月の「私の履歴書」がセブン銀行特別顧問なのは偶然か

【CIOが挑む:全社でアジャイル推進 IT部員も事業の最前線に】(P.18)
アフラック生命保険の二見 通 常務執行役員CIOです。
がん保険のCMがあまりに有名でしょう。外資系保険会社として売上No.1。アジャイル的にサービスを開発し次々に提供されています。
2018年11月にはセブン銀行のATMで保険料の返金を受けられるサービスを始めます。
2018年12月にはがん保険の給付金を即座に支払うサービスを始めます。
手当たり次第にPoC(コンセプトの実証)をトライする事は許されていません。事業に直接つながるPoCだけを行っているそうです。外資系は個人にKPIがあり、無理やりでも会社全体の売上か利益に貢献する事を求められますからある意味当たり前です。

【AIに10兆円、勝算は 検証 孫正義の目利き力】(P.20)
全部載せたいほど面白い特集でした。「組むなら世界ナンバーワンでなければ意味がない」という方針で孫正義氏自身で選んでいるそうです。強者連合を組むのが最優先であり、「情報改革のシナジーを出しあう戦略集団」「血のつながりを持った資本提携」を目指しているそうです。
<衛星・鉱山>
・ワンウェブ:
$10億:超小型人工衛星を900基打ち上げ地球全体の衛星通信サービス
→フロリダ州に2018年工場を開設し、週に15台の人工衛星を生産
ソフトバンクは最低でも40億ドルを支払うとコミットメント
・インプロバブル・ワールズ$5億:仮想的デジタル世界のシミュレーション基盤
→分散シミュレーション基盤ソフト「SpatialOS」を開発
複雑な交通システムを仮想空間で再現するなども可能
<クルマ・オフィス・・>
・ウーバー$77億:タクシー配車とライドシェア
・滴滴$95億:タクシー配車とライドシェア
→1日乗車回数3000万回、1日当たり走行距離1.2億マイル

→利用5.5億人
・ウィーワーク$44億:シェアオフィスの設計と運営
→「ソフトバンク本社を全部移管する
<事故も渋滞もない世界>
・ナウト$1億:運転手の危険動作検知
→2018.6に発売。運転中に2秒以上よそ見したことを検知
→人間が引き起こす自動車事故を70%削減する事が目的
<IoT・ロボット時代の基盤を牛耳る>
・英アーム$310億:半導体からIoT、AI企業へ
→米トレジャーデータを買収しIoT企業化を鮮明に
・エヌビディア$40億:自動運転のプラットフォーマー
→あらゆる環境で完全自動運転を担う「レベル5」を開発中
・米スラック・テクノロジーズ$2億:ビジネスチャットの世界最大手
→デイリー・アクティブ・ユーザが800万人、うち有料ユーザ300万人
<医療・金融・農業 AIで片っ端から破壊>
・平安健康医療科技$4億:待ち時間ゼロのネット診断
・ガベージ$2億:中小企業向けAI融資
→申込みから10分以内に融資の可否判断。翌日に振り込む
・プレンティ$2億:都市近くで垂直農法
→都市近くなので輸送コスト削減

【さらば電子メール 知らないと損するチャットの威力】(P.44)
業務でチャットを使う企業が広がっているという特集ですが、私の感覚では業務の効率化を考えている企業はほぼ導入されています。逆に言うとまだ導入されていない企業は危機感を持ってほしいと思います。
国内で提供されているサービスを16も一覧されていますがなぜかGoogleのG Suiteに入っているHangouts Chatが入ってませんでした。それはともかくとして、私の周りでは2択です。
1.ChatWork・・月額400円~(無料あり)
2.Slack ・・・月額850円~(無料あり)

【ニッポンIT事件史 1992年 IBM一強時代が終焉 オープン勢台頭】(P.66)
IBMが巨額な赤字を出し、メインフレームからオープンシステムへの転換期の年だそうです。この年に象徴的な事が色々と起こってます。
・サンは従来のSunOSを刷新したUNIX OS「Solaris」を発表
・欧州SAPはUNIX上で動作する同社初のERP「SAP R/3」を製品化
・米オラクルはRDBであるOracle7を発表した
・日本でIIJ社が設立された

私にとっては1995年にWindows95が出て「インターネット」という言葉が一般的になった時が転換期でした。日本ですから3年遅れなのでしょう。ただ日本にインターネットを普及させたと言っても過言ではないIIJ社はこんなに早く設立されたのですね。流石です。

【社長の疑問に答える IT専門家の対話術 第118回】(P.92)
<基幹系に伸びしろあり 今こそ「構造」の改革を>
中山嘉之氏の「システム構築の大前提 ITアーキテクチャのセオリー」の解説。中山氏は協和発酵キリンの情報システム部門に30年間勤務し、部門長を務め今はコンサル会社に所属されています。
・SoRとSoEの両方を俯瞰してシステムを整備しない限り企業は価値を生めない
・会議室に現状の俯瞰図(ER図)と今後目指す俯瞰図を常に張り出していた

私の主催するIT勉強宴会では中山氏に2度講演いただきブログを書きました。本を読まれる時の副読本としてお読みください。
2014/10/29:企業情報システムの再開発手法
2018/07/20:【ITアーキテクチュアのセオリー】出版記念講演

以上

HATさんをフォロー

ブログの更新情報が受け取れて、アクセスが簡単になります

Ameba人気のブログ

Amebaトピックス