日経コンピュータ2018.06.21 | HATのブログ

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IT関係のニュースを中心に記事を掲載します。日経コンピュータで重要だと感じた記事とコメントを2010年9月1日号から書いています。
このブログは個人的なものです。ここで述べていることは私の個人的な意見に基づくものであり、私の雇用者には一切の関係はありません。


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特集は<RPA48 ロボ社員活用の勘所と落とし穴>です。AKB48とPPAPをかけたちょっと面白い特集名です。表紙もロボットがラインダンスしているようなにぎやかな3D画像で好印象です。ただ、何度も書いてますがRPAはプロの道具だと思っていません。内容を読んでもやはり現場が勝手に使うのは良いですがプロが使うとブラックボックスを固定化してしまうだけの危険なツールだという印象は変わりませんでした。

【ソフトバンク、幻のファミマ買収 孫氏が提案、伊藤忠に断られる】(P.06)
2018.4に伊藤忠がユニー・ファミマHDを子会社化すると発表した事は一般紙でも大きく報じられていました。日経コンピュータでもTポイントの関連で載っていました。ところが実は2017.12にソフトバンクの孫会長が伊藤忠の岡藤会長を訪問し、ファミマの共同買収を提案していたそうです。7&iの時価総額は4兆円を超えています。ローソンは既に三菱商事の子会社になっています。1億円そこそこのファミマは皆が狙っている事を気付いた伊藤忠商事が保全のために買収したというのが実態だったようです。

 

ソフトバンクはTポイント陣営ですから買収出来ていればTポイントは安泰だったのですが少し残念です。最近、レシートを1枚撮影するだけで10円もらえるというサービスが話題になりましたが購買履歴はそれだけ魅力のある情報なのでしょう。

【みずほ銀が「第一関門」突破 新システム移行、正念場続く】(P.08)
4千億円をかけた勘定系新システムへの移行第一回目、6月9日(土)22:00~6月11日(月)8:00が成功したという記事です。

 

日経コンピュータは3月1日号で<移行日の前後は異常事態に備え手元に現金を確保して>おきましょうとまで言ってるのですから謝るべきではないかと思いました。少なくとも今後は無駄なコメントは控えて欲しいです。

 

全9回、2019年上期まで段階的に移行されます。最大の山場は10月9日だそうです。

twitterでは大阪の地震で半分のATMが使えなかったという情報もありましたが大きな混乱はなかったようです。

【人類はAI兵器の開発を防げるか 問われる倫理、グーグルは禁止】(P.09)
この1年ほどでAIは本当に身近になりました。AmazonEchoやGoogleHomeを使っている方も多いでしょう。その技術を武器や監視活動に使っていたとすると・・・
2018年3月、米国防省のプロジェクト「Maven」にグーグルが参加していると報道があり同社の4000人以上の従業員が経営者を批判しました。それを受けてグーグルはAI開発を禁止する4項目を発表しました。
①全体的な危害を引き起こすか、引き起こす可能性が高い技術
②人々を傷つけるか、それを直接的に支援することを主目的とした武器その他の技術
③国際規範に反した監視目的でデータを収集/使用する技術
④国際法と人権に関する原則に反する目的を持つ技術

 

アシモフのロボット3原則はロボットの行動をプログラミング出来るという前提ですが深層学習は「なぜそういう結論になったか」の理由が不明ですからAI自体を縛ることが出来ずGoogleの技術者を縛ってますね。

 

Amazonも同様の批判にさらされています。ACLU(米自由人権協会)は画像認識AI「Amazon Rekognition」が警察による市民監視に使用されていると批判し、警察当局と契約しないようAWSに要請したそうです。Amazon Rekognitionは、たった1枚の画像で学習するだけで高い精度で顔認識が出来ます。1枚の画像に写る最大100人の人物を特定出来ます。これは我々一般人でも使用出来る公開技術ですからそれを禁止させるのは筋違いだとは思いますが、逆に言うとこのレベルの「監視」は防げない世の中になったという事でしょう。

【アップルがフェイスブック対策 Web上の行動追跡を防止】(P.10)
データ不正使用疑惑に揺れるフェイスブック。それを強く意識してアップルは2018年後半に公開を予定するパソコン向けのmacOS Mojaveに「Cookieを使わずにユーザーを追跡する手法を防ぐ機能を追加する」と発表しました。フェイスブックが「いいね」ボタンなどを通じてユーザの行動を追跡しようとした時に警告を出したり、ブラウザの設定情報からユーザを識別する手法を防ぐなどするそうです。

 

ブラウザの標準機能をちょっと裏技的に使ったユーザ追跡手法はフェイスブックだけでなく様々行われています。便利になっている部分も多くありますから、どこまで気にして防ぐべきかは議論が分かれるでしょう。とはいえ選択肢が増えることは歓迎です。

【MSが8200億円でGitHub買収 OSS開発者の信頼獲得なるか】(P.11)
このニュースがSNSに流れた時は少しざわざわしました。GitHubを知らない方はこのブログを読まれていないと思いますが、ソースプログラムやドキュメントを共有するためのクラウドサービスです。オープンソースなら無料で使えるという所がポイントで、デファクトスタンダードになっています。

 

Salesforceも精力的に買収していますが対象はスタートアップです。買収製品をSalesforceの1機能として取り込むことが目的です。マイクロソフトはそれとは逆に相当有名になった会社をあり余る資金力で買収しているように見えます。
Skype(2011年,$85億)、Yammer(2012年,$12億)、Linkedin(2016年,$262億)
しかもLinkedin社は2012年にSlideshareを買収したところでしたから、どうなることかと心配していました。ところがLinkedinもSlideshareも健全に大きくなっています。2014年にCEOになったナデラ氏は技術畑の人ですから技術者に反感を持たれるような事はしないのでしょう。GitHubも大丈夫だろうと思います。

【2weeks from 日経XTECH 5月29日(火)~6月11日(月)】(P.20)
◆5/31:日本海事協会、船舶IoTで2022年に550隻をカバー
 →今号の記事に日本郵船のIoTがありました
◆6/5:LIXILの小和瀬CIO、資生堂へ移籍
 →今号の記事に資生堂特集がありました。花王からLIXILそして資生堂という転身です
◆6/11:アマゾンが倉庫ロボット採用の物流拠点、大阪府茨木市で国内2か所目
 →9月稼働予定。元パナソニックのプラズマテレビ工場でした

【RPA48 ロボ社員活用の勘所と落とし穴】(P.26)
RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)とはPCの操作を自動化するツールです。技術者の皆さんなら、UWSCSeleniumを使われたことがあるかも知れません。それを素人さんでも使えるようにしたツールです。

 

特集を精読しましたが、「プロのツールではない」という想いは何も変わりませんでした。APIなどが簡単に使えないシステムを延命させるために無理やり使っているという認識を持つべきです。既存システムが触れないという制約を回避するためにやむなく提案するならUWSCで充分なはず。

 

<1>3000社が導入へ バズワードではない
先行企業を取材して導入で気を付けるべき点などを整理されています。
<2>製造・中小・官公庁も RPAはみんなの技術
取材先は色々あり、色々苦労されていましたという話
<3>自動化の限界を突破 掛け算促す名脇役
OCRやAI、IoTなどをトータルシステムとして使うためにRPAを使用
<4>まずは単純操作から データ連携にも応用
ダメシステムの延命という意識を持って使って欲しい
<5>開発は10体ルールで 稼働後に潜む落とし穴
RPAは「ロボット」なので1体、2体・・と数えるそうです。RPAで運用を開始してしまうと関係するシステムには一切手を入れる事が出来ません。画面項目が1つ変わると動きが変わる危険性があるからです。

【本気の資生堂 デジタル技術で未来の顧客探し】(P.46)
面白い特集でした。染原睦美記者は今年3月の特集でも感心したと書きましたが、本当に良い記事を書かれます。
資生堂は2018年3月に発表した中期計画で「3年間で社内のITインフラ投資に270億円、デジタルマーケティングに250億円投資する」と発表したそうです。その流れから、前レノボ・ジャパン社長の留目真伸氏と前LIXIL CIOの小和瀬浩之氏が7月1日付けで入社されます

 

資生堂社長の魚谷雅彦氏、資生堂ジャパンの社長杉山繁和氏のお2人がデジタルマーケティングに精通し恐らくデジタル・トランスフォーメーション(DX)を体現しようとされているようです。
1.一人ひとりに最適な美容液と乳液が出る「オプチューン」
米マッチコー、米ギアランといった新興企業を買収し実現
資生堂で初めて「スモールスタート」。3月からベータ版展開中
2.500円からの化粧水や美容液の「レジピスト」
一人暮らしのユニットバスでトイレタンクに置かれた化粧品を見て発想。Webページの商品の見え方にこだわったパッケージ
3.女子高生をプロジェクトの中心に据えた「POSME(ポスメ)」
高校生を運営主体とする東京・渋谷のポスメラボをサポート
企業メッセージを女子高生に届けるための試行を行う

「良い製品を出せば良い」と考える企業がほとんどの日本。中国企業に買われてすぐに業績が回復するのは中国企業の方が顧客の事を見ているからではないかと思います。資生堂が「カスタマーカンパニー」に生まれ変わろうとしているのが伝わってくる記事でした。
秋に中国深センに事業開発室を作る予定だそうです。

【日本郵船:IoTで安全航海に針路 陸上で異常検知、すぐ対応】(P.64)
世界を航行中のタンカーなどの情報を衛星経由で収取し陸上の担当者が確認する船舶IoT。日本郵船は10年越しで船舶IoTを進めてきたそうです。
記事の中身は驚くようなものはありませんでした。これの成功を受けて、「一社では限界がある」ため日本海事協会主体でこのプラットフォームを広げるそうです。
先日<IoTの「今」を知ろう>という勉強会で、IoTには高価な「機械制御型」と安価で革新的な「インターネット型」があることを教わりました。この船舶IoTは明らかに前者です。残念ですが日本では革新的な取り組みは出てきにくいようです。海外から後者のプラットフォームが出てきて駆逐されないのか心配になります。

【ニッポンIT事件史 2002年 みずほの大規模障害 ITの失策、経営問題に】(P.68)
1982→1995→2008→1985から2002。どうやら規則性はなさそうですね。
サッカーワールドカップの日韓大会が開催された2002年。日本興銀、第一勧銀、富士の3行が統合し、みずほ銀行(およびみずほコーポレート銀行)が生まれました。これのシステム統合に失敗しATMが使えなくなったり口座振替の遅れなどが2週間以上続きました。
このつぎはぎだらけのシステムもようやく今年リニューアルされます。順調に移行して欲しいです。

【社長の疑問に答える IT専門家の対話術 第113回】(P.100)
<基幹系が駄目ならAI,RPA,IoTも駄目>
RPAについて、「業務部門ごとにばらばらに構築された基幹システムをつなぎ合わせる道具に使える」が「ばらばらの基幹システムを放置し、整合性維持の処理を固定化することになり、疑問を感じる」とのことです。まったく同感です。

 

特集に関連したコラムになっている事が良くありますが特集を後押しするだけでなく反対意見も載せる事が雑誌の良識を示しています。

AIやIoTに関しては基幹システムと連動させることがメインストリームだとは(佐野は)考えていませんのでここに書かれている事に同意出来ません。

以上
 

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